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【コラム】中国現場体験記(34) 新疆ウイグル自治区をゆく~国境警備隊と白哈巴編~

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2011年12月7日

記事概要

白哈巴(バイハーバー)村に行くときに国境警備隊の車に乗車しました。今回は、国境警備隊の車で連れて行ってもらったカザフスタン国境の小さな村、白哈巴(バイハーバー)での現場体験記です。

2.国境警備隊といざ白哈巴(バイハーバー)へ
(1)1升ビンに入った日本酒を飲む漢族グループ
カナス湖に入っていく手前の駐車場からは環境保護バスで移動し、月亮湾、神仙湾、臥龍湾、観魚亭(1,000段ほどの階段の上、標高2,030メートルに建てられた高台の塔。ここからカナス湖全体を見渡せる)などを散策しました。夕食は、レストランのテラス席でとったのですが、カナス湖の風に吹かれながらの食事は、西域旅行の気分を非常に盛り上げてくれました。

ただし、筆者のせっかくの旅情も、発泡してしまったワインと日本酒の1升ビンを持ち込んで宴会を始めた漢族グループによって、すぐに台無しになってしまいました。

(2)国境警備隊と白哈巴(バイハーバー)へ
翌日、運転手が国境警備隊の派出所に行こうと言ってきました。突然の事で事情が飲み込めないまま、派出所に到着しました。

武装警察:「おう、お前らか。新疆の旅行会社から話は聞いているよ。あそこには世話になっているからな」どういう世話だと思いながら戸惑っていると、
運転手:「国境警備隊(武装警察)がカザフスタンの国境に連れて行ってくれることになったから。ただし、日本人だとばれるなよ」と小声でささやいてきました。

本当かよ?!と緊張していると、一人の武装警察(運転手をする若手)が現れ、警察車両を指して、これに乗れと指示してきました。後部座席に乗り込むと、先ほどの武装警察も遅れてやって来ました。

武装警察:「どこから来た?」
筆者:「北京」
武装警察:「北京人には見えないが?」
筆者:「・・・。北京に住んでいるが、北京人ではない」
武装警察:「なるほど」

外の景色はのどかな草原が広がっていました。しかし車内はというと、独特な緊張感に包まれ、筆者は冷や汗をかいていました。下手に話すと訛りから外国人だとばれそうですし、逆に話しかけられて黙っていると不審に思われるからです。きれいな発音をすべく、必死に舌を回しながら話したものです(気を抜くと、日本人独特の発音になるので)。

そうした中、出発から15分少々で、我々は白哈巴(バイハーバー)に到着しました。白哈巴では、村の売店で自家製のヤギ酒(目が潰れるような味で、そこら辺に捨ててあるペットボトルに入れて販売していた)を買ったり、村の特産を見たりしました。その間、どこへ行っても武装警察の視線は感じていました。

筆者:「カザフスタンとの国境線はどこ?」
武装警察:「目の前にある木の柵の向こうがもうカザフスタンだよ」
本当に目の前でした。予想に反し、カザフスタン側の草原には誰もいませんでした。国境線自体は、全く緊張感のないものでした。

ここで勝手に写真を撮るとカメラを没収されるかと思ったので、写真を撮っても良い?と恐る恐る武装警察に聞いてみました。すると、あっさり、「良いよ」と許可されました。

ひと通り、カザフスタンとの国境線の小さな村、白哈巴(バイハーバー)を楽しんだ筆者は、帰りも国境警備隊の派出所まで送り届けてもらいました。

同行した友人に「冷や汗をかいたね」と話したところ、この友人は、白哈巴の売店で「日本人?韓国人?」と聞かれた、とのことでした(答えなかったそうですが)。このことからすれば、実は白哈巴には、意外と外国人が訪れているのかもしれません。

国境警備隊員と新疆の旅行会社との親密な(?)関係から、白哈巴にまで武装警察の車で連れて行ってくれたわけですが、実のところ国境警備隊員は筆者が日本人だと分かっていたのかも知れません。実態はなぞのまま、とんでもない経験をしたのでした。


※白哈巴(バイハーバー)村 木の柵の向こうはカザフスタン

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