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ログイン2011年11月7日
② カシュガルの運転手(ウイグル族)と「軍事区域」およびイスラム
ⅰ.「軍事区域」
カシュガル空港に迎えに来た運転手はウイグル族でした。少数民族好きの筆者は、それだけで気分も上々になり、ウイグル族の考えなどを聞きながら、旅をスタートしました。
2010年9月24日、フジタ社員が「軍事区域侵入のため身柄拘束」というニュースを見たときには、このときカシュガルからタジキスタン国境近くにあるカラクリ湖に行くときに通過した軍事区域の「盖茲」検査所のことを思い出しました。
旅行会社からは、軍事区域では写真撮影は厳禁と言われていましたので、近くにある汚いトイレに立ちながら、この軍事区域の「盖茲」検査所を間近に眺めたものです。
また、軍事区域と言えば、内モンゴル自治区フフホトに向かうときに利用した軍民共用空港である北京の南苑空港を思い出しました。南苑空港は軍も利用する空港であるため、そもそも北京市の地図にも載っていません。空港の入り口には、「軍事区域、立ち入るべからず」という看板が張られていました(北京首都国際空港発の飛行機が旅行会社の手配ミスで取れなかったため、南苑空港発の飛行機チケットをあてがわれたもの。民間航空会社としては、中国聯合航空が利用)。
中国現地に入り込み、あちらこちらを旅していると、いつ何時トラブルに巻き込まれるかもしれないという危険性があります。カシュガルでは、漢族の人民解放軍や武装警察が演習を行っており、周りのウイグル族を威嚇しているような印象を受けました。
ⅱ.女性のベールと男性の帽子
カシュガルはイスラム色が大変濃厚な土地で、バザールを歩く多くの女性は顔にもベールを巻いており、外部からはその目しか見ることができません。同じウイグル族でもウルムチのウイグル族とは異なる印象を受けましたし、同じバザールとは言っても、ウルムチの観光地化されたバザールとは全く異なる印象を受けました。ウルムチのバザール内の劇場で食事をしながら見る新疆歌舞団の踊りも見ましたが、周りの観客は全て漢族の団体客であり、多少、観光客向けの感がありました。
カシュガル滞在で印象に残るエピソードとしては、旅に同行していた友人が、イスラム男性がかぶる白い帽子を同じようにかぶって街を歩いたときの周りの反応です。周りの人たち(髭を生やした敬虔なイスラム教信者のウイグル族)が皆、笑顔で我々を見つめ、優しく接してくれたのです。ウイグル族(彼らからすれば、「ウイグル人」)からすれば、この白い帽子を被った友人と筆者は、彼らと同じイスラム教徒の回族(回族は、見た目は漢族と変わらないことが多い)とその友人、という風に見えたのかも知れません(ウイグル族は親日的に感じました)。満面に笑顔を浮かべたウイグル族の老人から、この後行く予定であったクチャのキジル千仏洞・クムトラ千仏洞・クズルガハ千仏洞で使う懐中電灯を買ったりしました。
ⅲ.シルクロード鉄道南疆線と「大肉darou」
カシュガルからクチャへの移動にはシルクロード鉄道南疆線を利用しました。カシュガル駅を午後1時16分発の列車で出発し、クチャ駅への到着はその日の夜9時53分という8時間37分の列車の旅でした。
長距離列車に乗ると旅の気分が盛り上がり食堂車で食事をしたり、駅弁を食べたりしたくなる筆者は、乗車後、早速食堂車に向かいました。新疆ウイグル自治区を走る列車では、ウイグル族、カザフ族、回族などのイスラム教徒に対する配慮から、食堂車は「清真」料理が出て来ました。「清真」料理とはイスラム教徒のために豚肉等を使わない料理のことを指します。
また、筆者は、新疆ウイグル自治区へ行く前に、漢族の友人の中でも新疆ウイグル自治区に理解のある友人(この友人は新疆ウイグル自治区好きだった)から、「猪肉zhurou(豚肉のこと)」という言葉もイスラム教徒の前では出してはいけない。話題にも出さない方が良いが、もし話すなら彼らを尊重して、「大肉darou」と言うように」と忠告されていました。そこで、新疆ウイグル自治区へ行く前に、その話を北京に住むウイグル族の友人に確認したところ、「その通りだね。大肉と呼ぶ分には、イスラム教徒である我々も怒らないよ」とのことでした。
上記新疆ウイグル自治区好きであった漢族の友人によると、「新疆ウイグル自治区の列車の中に豚肉を持ち込んで食べていたある漢族が車内でイスラム教徒ともめていたが、くれぐれも注意するように」とのことでした。
ⅳ.イスラム教徒に対する尊重
服装でも食べ物でも、当然のことながら、その土地に入ればその土地に従わなければならないことを痛感したものです。
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