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ログイン2011年7月4日
今回は、日本ではあまり紹介されていないものの、中国現地で、筆者の印象に残った中国人のマナー、韓国人のマナー、日本人のマナーに関する現場体験および中国と日本の習慣の違いに関する現場体験記です。
今回の現場体験記では、日本と中国のマナーおよび習慣の違いについてご紹介します。
1.北朝鮮との国境での体験
筆者は、中国各地の国境線を回る旅をしていました。国境として実際に見たのは、ロシア、カザフスタン、タジキスタン、タイ、北朝鮮等ですが、そのなかでも、中国と北朝鮮との国境線を巡る旅は非常に印象深いものでした。
(1)中国と北朝鮮との国境の街
筆者は、遼寧省丹東(北朝鮮の政府要人が中国に行くときに通過するため、日本でもしばしば報道される街で、北朝鮮との国境線に位置し、万里の長城の東端もここにあります)には過去に訪れた事があったため、このときは吉林省琿春・防川(中国、北朝鮮、ロシア三カ国の境界線に位置する街で、晴れた日には、彼方に日本海が見えます)、延吉(朝鮮族の街)、長白山(湖の半分は北朝鮮で、朝鮮名では白頭山)、集安(北朝鮮の政府要人が中国に行くときによく通る、国境鉄道が通る街)、通化などを巡る旅をしていました。
このときも、いつも通り、ガイドや通訳を伴わず、朝鮮族のドライバーのみを雇っての旅でした。
(2)北朝鮮の人および朝鮮族の呼び方
中国の東北部には多くの北朝鮮の人や朝鮮族がいるのですが、彼らは「朝鮮人」と呼ばれることを好むのを、彼らと話して知りました。
(3)好太王碑
7月初旬の暑い日、北朝鮮国境の街を巡る旅の途中、吉林省集安市にある好太王碑、将軍墳等の高句麗遺跡を見に行きました。
集安の好太王碑は、その碑文で有名であり、将軍墳等の高句麗遺跡は、世界遺産に指定されています。交通が不便な場所であるため、気楽に行けるところではないのも魅力のひとつだと思います。
この好太王碑および将軍墳は、大きな公園のようになっているのですが、そこには木の実(果物)がなっていました。クコの実のような赤色の果実でしたが、周りの中国人や韓国人観光客は、木の枝を勝手に折って、ひとしきりこの果実を食べていました。世界遺産にあるこのような木の枝を勝手に折って、果物を食べてしまう彼らの姿には、日本人とは異なる感を覚えたものです。
(4)そこにあれば?そこにいれば?食べる!
以前、中国人の友人もこのような事を言っていました。
友人:「日本に行ったときには感動したよ。」
筆者:「何が?」
友人:「日本の川には鯉や錦鯉が放流されているよね。」
筆者:「それのどこに感動したの?」
友人:「だって、中国でそんなの放流したら、皆、獲って食べられてしまうよ。」
(5)長白山(白頭山)
長白山に登ったときも、中国人や韓国人グループはルールを無視して立ち入り禁止区域に入り込んでいました。
韓国人グループは立ち入り禁止区域の岩に登りながら、サッカーの国際試合などでお馴染みの韓国の応援歌(テ~ハ・ミングオ・・・、というあれ)の大合唱でした。なぜなら長白山は、中国からすれば満州族の聖地である一方、朝鮮人も白頭山を聖地としており、この微妙な関係が、山頂で応援歌の合唱という珍しい光景を作り出していたのです。
2.中国と日本の習慣の違い
(1)タクシーに荷物を忘れたら?
タクシーの中に荷物を忘れても、日本であれば、戻ってくる可能性が高いと思います。しかし、中国においては、その可能性が極めて低いのが現状です。タクシーを降りるときにレシート(発票)をもらっていて、すぐにタクシー会社に連絡ができ、その発票に書いてあるタクシーの番号を伝えられた場合に初めて、荷物が戻ってくる可能性が若干発生する程度です。ちなみに、運良く荷物が見つかっても、それを届けてもらう費用(タクシー代)は支払わなければなりません。
その日は、日本に一時帰国する日でした。当日は授業を受けた後、最終便で帰国するつもりでしたので、タクシーのトランクに荷物を入れて、先に語学学校に向かいました。
学校に着いてから、トランクに入れてあった荷物を取り忘れたことに気付きました。しかも、レシートを貰っていなかったので、どこの会社のタクシーに乗ったのかも分かりませんでした(北京では、緑と黄色のタクシーが多いですが、それぞれにタクシー会社は異なります)。このとき、以後はどんなに低額でも必ずレシートはもらおうと心に決めましたが、その日に関しては後の祭りでした。だからといって荷物を諦める訳にもいかず、急いで語学学校の事務所に行き、事情を説明して、無線か何かで各タクシーに連絡してもらえないかと聞いてみたのです。
(2)忘れ物を捜すのにもお金
その結果、無線でタクシー運転手に捜索願を出すには、何とお金が必要だとタクシー会社が言ってきたのです。筆者は授業があったので、事務所の従業員に、他のタクシー会社にも確認してもらったのですが、結果は同じでした。その額、1,500元。下手をすると、周りで働いている中国人の月給と同額です。
不幸中の幸いなことに、パスポート等の貴重品は肌身離さず所持していたため、紛失したのは着替え等でした。実際問題、一番高くついたのはトランク自体でした。そこで、捜索願を出しても、荷物が戻ってくる可能性はどうせ低いのだから、1,500元が無駄になるよりも、荷物をあきらめる事にしました。
それにしても、忘れ物を捜すだけでも多額のお金が必要なのは驚きでした。
(3)警察の捜査費用まで
この出来事を中国人の友人に話したところ、友人曰く、そもそも、警察に捜査してもらうにも、捜査を依頼する側が捜査費用を払わないのといけないのだと教えられました。警察の捜査にまでお金が必要なのですから、荷物を無くしたことに関しては、何も言う気がなくなりました。
3.黄山で・・・
それは世界遺産でもある安徽省の黄山を登ったときのことです。黄山は、水墨画や漢詩にも多く著されている天下の名勝です。
「天下第一」と呼ばれる黄山の名勝を愛でていたとき、筆者の近くにいた年配の男性たちが、これまた立ち入り禁止区域に入り、岩によじ登って記念撮影を始めました。
筆者の心の中:「1回落っこちたほうが良いんじゃないの。態度悪いな、この中国人達。」
そのとき、彼らのガイドが、「危険ですから、やめてください」と叫びました。
筆者の心の中:「そうだ、そうだ。この中国人ガイド、なかなか良識があるな。」
筆者の心の中:「うん?・・・。」
筆者の心の中:「このガイドの言葉・・・。それって、・・・日本語!?」
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