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ログイン2011年5月23日
筆者が中国で生活し始めて1年ほどしたある日、突然、筆者が使っていた携帯電話がつながらなくなりました。その日は出張者が筆者の住んでいた北京にやって来る日であり、到着次第、筆者の携帯に連絡が入ることになっていたので大変です。今回は、そのときに慌てて、中国人の友人と一緒に有名電器店に携帯電話を買いに行ったときの体験記です。
筆者が中国で生活し始めて1年ほどしたある日、突然、筆者が使っていた携帯電話がつながらなくなりました。その日は出張者が筆者の住んでいた北京にやって来る日であり、到着次第、筆者の携帯に連絡が入ることになっていたので大変です。
今回は、そのときに慌てて、中国人の友人と一緒に有名電器店に携帯電話を買いに行ったときの体験記です。
1.中国の携帯電話
(1)1年で故障
筆者が中国に滞在し始めた初日に買った携帯電話(日本企業と欧州企業の合弁企業によるもの)が、利用後、1年ほどで突然つながらなくなりました。
携帯電話の画面には「SIMカードが認識できなった」旨の表示がされており、何度かSIMカードを抜いては入れること繰り返したのですが、どうしても携帯電話はSIMカードを認識せず、通話利用・メール利用ができない状況でした。
(2)電器店へ
筆者は携帯電話の保証期間も切れており、修理しようとしても無駄であろう。安物だったし仕方がないが、一応、中国人の友人(日本語の話せない漢族の友人)に電話を掛けて聞いてみようと思い立ちました。そこで、中国人の友人に電話をして聞いてみたところ、大手電器店に行き、まともなメーカー品(町の小さい店でまがい物を買うな、という意味)を買った方が良い、一緒に付いて行く、と言われました。筆者は一人でも問題なく買えるけど?と言ったのですが、やはり電器店で合流しよう、とのことであったため、電器店でこの中国人の友人と合流することになりました。
2.自己責任
(1)大手電器店の有名メーカー製携帯電話
買いに行った電器店は、蘇寧電器、日本ではラオックスを傘下に入れた中国の大手電器店として有名な会社です。中国でも、国美電器と並ぶ最大手の電器店です。
日本人である筆者の感覚では、街中の電器店で携帯電話を買うのとは異なるため、偽物もないし、きちんとしているだろうという勝手な信頼感・安心感を持っていました。
しかしながら、驚いたことに中国人の友人はこのような大手電器店であったとしても、採る行動は、街中の電器店に対するのと同じ対応だったのです。
筆者は、すぐに壊れた携帯電話で多少懲りたこと、使いやすさ、慣れ、といったことから、日本の有名メーカー製のそれ相応の価格帯の携帯電話を手に取り、そのままチェックせずに購入しようとしました。そのとき、中国人の自己責任に対する強い姿勢を勉強することになったのです。
(2)中国人の友人が採った行動
この友人は、店員に在庫の携帯電話を持ってこさせた上、箱の中から携帯電話および全ての付属部品を取り出し確認を始めたのです。
まず行ったのは、自分の携帯電話からSIMカードを抜いて、筆者が購入しようとしていた携帯電話に挿入し、電話が実際に掛かるどうかの確認でした。また、筆者の故障した携帯電話に挿入していたSIMカードも利用して確認したのです。話したときにきれいに声が聞こえるかどうか、メールの送受信ができるかどうか、写真が撮れるか否かなど、あらゆる機能を店員と筆者を相手に行い、壊れていないかどうかを確かめ始めたのです。
筆者からすれば、中国最大手の電器店と言える蘇寧電器で、日本の有名メーカー製を買うのだから大丈夫だろうと疑いもしなかったのですが、中国人の友人は筆者の甘い考えとは全く異なり、携帯電話が壊れているかも知れない前提、騙されているかも知れない前提で、全ての機能を店員の前で確認したのです。筆者は、中国人の友人による全機能確認後、ようやく問題ない、ということで、買っても良い、と許しを得たような状況でした。
確かに、中国では、製品保証、瑕疵担保、債務不履行責任の追及は街中(大手電器店やその他大手の店相手でも)ではできないことが多く、壊れた商品を買った方が悪い、という自己責任の姿勢が染み付いているように感じます。これは、日本人のように人を性善説・信頼ベースで考える民族とは異なり、中国人(特に漢族)は人を性悪説・信頼しないベース(逆に信頼できる家族・友人相手には、これでもかというくらい親切になります)という違いがあることを筆者の目の前で示してくれた(勉強させてくれた)好事例と言えるものでした。
(3)たくましさと自己責任の精神
中国で生きて行く際に必要とされるたくましさおよび自己責任の精神を痛感させられたものです。
この点について言えば、中国人からすれば、日本人は人に守ってもらうことを考え、自己責任という考えが薄く、甘い社会ということになってしまうのかも知れません。筆者も中国に渡るまでは日本人基準でしか物事を考えたことがなかったのですが、外部から日本人および日本を見つめ直すことによって、島国日本の特殊性を感じることが多くなったのも事実です。
どちらの考えが良い悪いではなく、日本の方が世界基準に合致しないことも多いのが実状であることを気付かされる経験を中国では度々しました。本件経験は、筆者に中国人の自己責任に対する姿勢を勉強させてくれた出来事の一つと言えるものでした。
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