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ログイン2012年12月18日
3.呼和浩特(フフホト)市内
(1)朝食のシューマイ
2日目、フフホト市内のチベット仏教寺院等を見学するため、市内に向かいました。草原での食事は、正直、何を食べてもおいしくは感じられなかったため、この日の朝食は路上を走る際に適当な店を探すことにしました。
車で道を走っていると、地元の商店街を通ったため、そこで筆者は車を降りることにしました。ところが、降りてすぐに目に飛び込んできたのは、「最貧困指定地区」と書かれた看板でした。
小汚いの「小」という字を外すべき地元食堂に入ると、そこはシューマイを売りにしている様でした。近くの席では、近所の老夫婦が朝食をとっていました。筆者も彼らと同様にシューマイを頼んでみることにしました。店の様子を観察すると、割り箸が使い回され、皿も机も、何もかも不潔という有様で、日本で予防接種をしていたことのありがたさが身に染みました。肝心のシューマイの味ですが、今回の旅において、内モンゴル自治区内で食したものの中では、一番おいしいものでした。
(2)チベット仏教寺院
モンゴル族は、チベット仏教信者が多い民族です。チベット族と並び称されるほどです。チベット仏教寺院の所在地域は、チベット族の住む地域だけでなく、内蒙古自治区内やチベット仏教を保護した満州族(清政府)の居住地域(特に、昔の熱河、今の承徳)にも多く存在します。山西省の仏教の聖山/五台山も、マニ車が多くあるなど、チベット仏教式の趣がありました。
(3)フフホト市内での夕食
外しがちであった内蒙古での食事を挽回すべく、夕食はおいしい店をホテルのフロントで聞いてみることにしました。
「フフホト市内で最もおいしく、内モンゴルの地元料理を出す有名なレストランを教えてください。料金は高くてもかまいません(心の声:高級店といっても、そんなに高くはないだろう)」
筆者は、教えられたレストランにタクシーで行ってみることにしました。店の外観は、なかなか豪華で、おいしい料理が出てきそうに思われました。
店に入ると、小皿料理はその場で選び、それ以外の大皿料理はメニューを見ながら注文する形式といった、中国ではよくあるパターンのレストランでした。
「服務員(ウェートレス)!」
ウェートレスを呼び、この店のおすすめ料理を聞くと、やはり羊肉と乳製品がお勧めとのことでした。野菜は別の地域から輸送されたものということで、あえて自分流には頼まず、地元民というこのウェートレスのお勧め料理を頼むことにしました。今までの旅でも、運転手や地元民族が勧める料理の大半はおいしいという成功体験があったからです。
大量の羊肉料理が運ばれてきました。新疆ウイグル自治区でイスラム教を信仰しているウイグル族の友達と毎日羊肉料理を食べていたときには、美味しくてまったく飽きなかったのが、ここ内モンゴルでは羊肉が嫌になってきていました。同じ羊肉の料理と言っても、トルコ系のウイグル族の料理とモンゴル族の料理とでは、全く異なるものだったからでしょうか。
次に、大きな羊の頭が出てきました。頭蓋骨の上が開くと、見た目にも「ジューシー、ミルキー」な白い脳みそが頭蓋骨の中に詰まっていました。
(4)農地の中に浮かび上がる飲み屋
内モンゴルの旅では、どうにもツキがなかった筆者は、友人と飲みに行くことにしました。どこに飲みに行くかは、レストランの前で捕まえたタクシー運転手に任せました。
すると、タクシーはフフホト市内をどんどん離れ、郊外へ郊外へと向かい、周りは黄土ばかりになってきます。
「これは誘拐されているのでは・・・」と恐ろしい気持ちになりかけていたころ、運転手が行く先を指差しました。家も何もない大地の向こう側に、渋く光り輝くネオンが見えていました。畑だか田んぼだかの真ん中に、スナックのような飲み屋が立ち並んでいたのです。これは一回降りたら帰られないのではないか、と不安に思った筆者は運転手に聞いてみました。
「帰るときにはどうすれば良いの?こんな所ではタクシーも何も来ないでしょ?」
「大丈夫だよ。客が多いし、どんどんとやって来るから、彼らが来る時に乗って来たタクシーで帰れば良いよ」
筆者は思い切ってタクシーを降り、まずはこの農地に浮かぶ、紫に輝くスナック街一帯を見て回ることにしました。場末も場末、いったいどこのスナック街だという店ばかりでした。
ものは経験と一つの店に入ってみると、そこは、“シャビー”を通り越した、中国の田舎飲み屋でした。中国語でカラオケを歌い、飲み物を飲む筆者の横には、いつのまにか四川省と黒竜江省から流れてきたという女性が座っていました。彼女たちはタバコに火をつけると、クールにマッチを投げ捨てました。時折、「かー、ぺっ」と痰を床に吐きます。若い女性でしたが、「ブロークンアロー」という映画のジョン・トラボルタのように煙草を弾き飛ばしていました。
その後、一通りこの一帯の雰囲気を味わった筆者は、折よくやって来た客と入れ替わりにタクシーに乗り込み、市内へと戻ることができました。
4.広大な内モンゴル
内モンゴルから北京に戻ってきてから、中国人の友人たちにこの旅のことを話しました。友人の中には、モンゴル族や実家が内蒙古自治区という漢族の友人もいましたが、筆者ははっきりと「単刀直入に言って、内モンゴルにはがっかりした」と言いました。
すると、モンゴル族の友人は言いました。
「フフホトから行けるような草原地帯は、観光地化しているし、そもそも漢族の方が多いからね」
次いで実家が内蒙古自治区の東北地方側にある漢族の友人は言いました。
「内蒙古は東西に長く、場所によって全く違うよ。同じ草原とは言っても、全く違う。あなたが行ったのは、フフホト近くなのでしょ?私の実家の満州里は、同じ内蒙古と行っても、フフホトとは違い東北地方よ。そりゃ、草原もフフホトなんかとはわけが違うわよ。星空も、星が落ちて来そうなぐらいきれいよ。満州里とかさ、東北地方の内蒙古こそ、本当の大草原なのだから」
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