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ログイン2014年4月8日
ポタラ宮での観光を時間通りに終え、裏口の階段から駐車場に向かって下りて行きました。写真でよく見るポタラ宮の表側とは趣も異なり、その裏側には漢族の居住地区ならどこにでもある健康器具が備え付けられた公園がありました。チベットの象徴、ポタラ宮のすぐ裏でも、漢族化が感じられました。
裏口のベンチで一休憩した後、駐車場に向けて歩いていた筆者は、カメラをベンチに忘れて来たことに気付き慌てました。すると、後ろから歩いて来たチベット人男性が、「忘れ物だよ。あなたのカメラでしょ?」と笑顔で渡してくれました。
1.ポタラ宮の300段階段と高山病
この日、他のチベット仏教寺院見学は一切キャンセルし、ポタラ宮に這うようにやって来た友人は、顔も手も真っ青になっていました。漢族の可愛い女性がこの友人(男前)にアピールしていましたが、高山病のため呆然と一点を見据えて歩く友人の目には、ポタラ宮以外は何も見えていないようでした。チベットという海抜の高い地域で、高山病にかかりながらの300段の階段は、体にこたえました。
ポタラ宮見学を終え、あとは夕食を済ませれば、ようやく高山病対策の点滴が打ってもらえると、気持ちに余裕が出てきました。
チベット人ガイド:「今日は時間通りに、すべてがうまく行って良かった。ポタラ宮でも時間超過の心配がなく、本当に良かったよ。高山病がつらいだろうけれど、少しでも食べ物をお腹に入れた方が良いよ。チベット舞踊も見よう!」
高山病の友人:「食欲がないから、何も食べたくない。ホテルに帰して!何かを口に入れても、すぐに全部、下痢で出してしまうし」
チベット人ガイド:「消化の良いものを少しは口に入れた方が良いよ。下痢にしても、何かを食べないと、固まるものも固まらないし。後からホテルに来てくれる医者から薬をもらうにしても、食事をしていないと薬も飲めないよ」
2.日本人男性50歳代がチベット美人に
チベット料理店に向かう車内で、チベット人ガイドが、今まで会って来た日本人観光客の思い出話をしてくれました。そのとき、一番印象に残ったのは、50歳代の日本人男性の話でした。
チベット人ガイド:「あるとき日本人から来た観光客で、50歳代の男性がいた。その人を案内して宿泊のホテルに行ったとき、この日本人男性はあるチベット人の女性従業員を気に入ったのだよ。彼は私に次のように言った。でも、私は日本語がすごく得意なわけでもないし、日本人はものをはっきりと言わないから、最初は何を言っているのか、意味が分からなかったよ」
日本人男性50歳代:「このホテルのフロントで働いているあのチベット人女性はとてもきれいだね。いくらなら仲良くできる?本人相手に通訳して聞いてみてくれ!」
チベット人ガイド:「いくら?仲良く?どういう意味?」
日本人男性50歳代:「いくら払ったら仲良くできるかだよ!」
チベット人ガイドは筆者たちに言いました。
「最初は何を言っているのか分からなかった。よく考えたら意味が分かったよ。この日本人男性のいわんとする意味がようやく理解できた」
元気な友人:「えー!そういうこと通訳させるの!嫌だったでしょ?」
チベット人ガイド:「嫌だったけれど、お客さんだったし、通訳しないと怒られるから」
筆者:「ガイドさん、そのホテル従業員に怒られたでしょ?」
チベット人ガイド:「私も怒られると思った」
友人:「思った?それで、いくら払うと言ったの?100万円ぐらいに吹っかければ良いじゃない?」
チベット人ガイド:「10万円と言え、と言われたから、私はそのままのことをチベット人女性に言ってみた」
筆者:「怒られた?」
チベット人ガイド:「怒られなかった!」
筆者・友人:「?」
チベット人ガイド:「O.K.だったのだよ!」
筆者・友人:「えー!」
このチベット人ガイドも、筆者のチベット人の知人もみな、漢族のように「金、金」とは言わず、精神的な世界に生きているように思われる人たちでした。暇さえあれば、巡礼に行くことが夢、という人たちでした。そういった中で、漢族によるチベットへの投資は、漢族の懐を温める一方で、チベット人には十分な仕事を与える事ができず、次々とラサから田舎に送り返されているとのことでした。生きていくためにお金が必要だったのかも知れませんが、チベット人の中でも、この女性は、それ相応に安定した身分を有しているように、筆者には感じられたものです。
最後に、チベット人ガイドは言いました。顔がゆがんでいました。
「色々な人がいる。チベット人も、外の人の影響を受けて、色々な人がいるようになってきた」
チベットへの投資、チベットへの観光が、彼ら現地に住むチベット人のためになるよう祈らずにはいられませんでした。
以 上
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