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【コラム】中国現場体験記(80) 中国人は本当にカップ麵が好き 空港ラウンジや世界遺産でも

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2014年7月24日

中国で生活し、各地を旅して廻ると、「中国人はカップ麺が本当に好きなのだな」と思う場面に多々出会います。
世界遺産といった観光地でも多くの中国人がカップ麺を食べていますし、寝台列車に乗車しても、習慣のように、まずはカップ麺を食べるという中国人を見かけます。カップ麺を食べる習慣があまりない筆者も、中国にいるときには日本の物とは味付けの異なる、中国のカップ麺を食べたいと思うことがあります。しかし、中国人の健康志向に変化が見られるようになったことも一因かと思われますが、「健康に悪いから食べないほうが良い」と忠告してくれる中国人も増えています。

今回は、統計資料には基づかない、中国での生活、実体験を踏まえたカップ麺に関する筆者の体験談です。

北京で語学研修し、その後、北京にある大学院に通っていた筆者は、周りの中国人の多くが好むインスタント食品、菓子、飲料があることに気づきました。その中でも、カップ麺(特に、台湾発祥の企業/康師傅が発売している紅焼牛肉面)、Doveのチョコレート、紅牛(日本で売っているレッドブルとは違った缶と中身)・酸梅湯が中国を思い起こすうえで非常に印象に残る商品となりました。

1.空港ラウンジ
 中国の空港、特に国内線のラウンジに行くと、台湾の康師傅や同じく台湾の統一のカップ麺が山積みされています(残念ながら日本製のカップ麺は見掛けません。台湾人と中国人とは、多数が漢族であるため、味覚に合った商品ラインナップが出来たからでしょうか)。空いた席にも、カップ麺を食べ散らかした跡があります。

上海虹橋空港の国内線ラウンジのように美味しい麺がない空港では、インスタントのカップ麺に目が行きます。しかし、同行している中国人から「健康に悪いからカップ麺は食べない方が良い」と言われることが、以前より多くなって来たように感じます。日本企業も今後、中国でカップ麺を展開していくにあたっては、最近の中国人の健康志向に合致したカップ麺の販売が必要となりそうです。

2.世界遺産でも
観光地でもカップ麺に出会いますが、やはり康師傅か統一の商品が大半を占めています。世界遺産でもある山東省所在の泰山に登ったときのことです。泰山は秦・漢の時代から皇帝が封禅の五色を行ったところであり、多くの中国人が一生に一度は登りたいと憧れる山です。たとえて言えば、日本人にとっての富士山のような存在です。

ケーブルカーを使えば楽に頂上まで登れますが、それでは有り難味がないので、7412段の石段を麓から登ることにしました。登山道は石の階段です。道の途中では、登山客の多くが、とうもろこし(中国のとうもろこしは日本のとは異なり、餅のような食感がします)、きゅうり、梨などを食べながら休憩しています。

真夏の8月、6時間かけて歩いた末、頂上手前の最後の急階段まで辿り着いたときです。服を着たままサウナに入った様になっていた筆者は、横にあった休憩所へとふらふらと入って行きました。周りの中国人同様、紅牛を飲み、康師傅の紅焼牛肉面で中国パワーを注入し、最後の難関へと踏み出したのでした。

続く

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