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【コラム】中国現場体験記(84) 夜行列車の中で行われた偽札の見分け方講座

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2014年11月6日

2.夜行列車内の偽札、ニセ携帯の見分け方講座

同じく語学研修をしていた某メーカーの友人から聞いた話です。あるとき、友人は一人で洛陽へ、世界遺産の竜門石窟や少林寺の見学に行きました。北京からの行きも帰りも、列車は硬座という一番安い席でした。周りに外国人は一人としておらず、中国人の人いきれでむっとしていました。

それは20時30分の洛陽発、翌朝5時45分北京西駅着の列車でした。夏休みシーズンでもあり、洛陽駅舎の待合室は大勢の人で溢れ、改札が開いた途端、皆猛然と大きな荷物を抱え列車へダッシュしていました。

友人が乗った車両は硬座(一応、指定席車両)でしたが、無座票(立ち乗り)の客であふれかえっており、友人も3人掛けの指定席になぜか4人で座る羽目になりました。通路にも人がたくさん座り込んでいました。

乗客は、農村から都市部に出稼ぎに行く農民、いわゆる“農民工”が多かったようです。友人の3人掛けの席は、当然友人以外は全員中国人です。窓側に20代後半の男性1人、中央席には北京にアルバイトに行くという女子高生2人、通路側に友人。近くには女性のみのグループもありました。斜め前の2人席には双子の中学生ぐらいの女の子が、乗車した途端、ひたすら食べ物を口に運んでおり、友人の対面の座席には農民工のおじさん、おばさん。それに、おじいさんと電話をして泣いて鼻水を垂らしている20代の女性が、これまた4人で座っていました。友人の後ろのボックス席では、ポーカーが始まり、通路で陣取っている乗客も観戦しながら野次を飛ばすなど、かなりにぎやかな状況でした。

そんな中、突然、車掌が現れ、友人の席の横で演説を始めました(夜10時頃)。
友人は最初、検札かと思い慌てて切符を準備したのですが、どうも様子が違います。そうこうしていると、車掌は黒色のクリアブックを小脇に抱えて話し始めました。

まず、おもむろにクリアブックを開き、左ページ上段から100元、50元、20元、10元、5元、1元。右ページも同様の配列のものを乗客に見せます。

車掌:「依然として偽札が横行しているが、このサンプルの左右のページどちらが本物でどちらが偽札か分かるか?」

客は、右とか左とか様々な反応。当然、あれほど盛り上がっていたポーカーは休止。ずっと物を食べていた双子の姉妹も食べる手を止め、眠っていた農民工も、それから、この車両に乗車していたほとんどの乗客が車掌に注目し始めました。

車掌:「では、本日は偽札を確実に見破る方法を紹介する」

友人は、中国の鉄道ではこんな啓蒙活動もしているのかと感心しかけました。
車掌は、ズボンのポケットから小さなペンライトを取り出します。

車掌:「これは一種の蛍光ライトだが、ただのライトではない。本物には特殊な光に反応するマークが刻印されており、この光を札に当てるとそのマーク浮かび上がる。偽札は何も出てこない・・・。今から実演するのでよく見ていろ」

車掌が、右側のページの人民元札に光を当てると変化がないが、左側のお札には全てマークが浮かびあがります。

客からは多数の驚きの反応がありました。

続く

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