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【中国深読みコラム】第25回~中国のアルコール飲料産業~

中国ビジネスレポート コラム
松本 健三

松本 健三

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2015年12月1日

12月に入りました。今年もいろいろありましたが、一年の締めくくりの忘年会のシーズンです(ちなみに旧暦12月のことを臘月<ろうげつ>と言います)。
中国では春節(来年は2月8日)がお正月ですので、中国に滞在する日本人は年末と春節前の2回忘年会(兼新年会)をするのが恒例となっています。昔ほどではありませんが、忘年会といえばお酒と切り離せません。という訳で、今月は中国のアルコール飲料産業の現状を見てみたいと思います。

日本の宴会で出されるお酒は、まずビール、のどが潤ったところで焼酎か日本酒が一般的ですが、中国の正式(公式)宴会ではいきなり白酒(バイチュウ)で乾杯となります。中国語の乾杯は字の如く杯(さかずき)を干す(水分をなくす)意味ですので、全部飲み切らないと失礼にあたります。中国人の世界ではこれが永遠に続きますが、この習慣は主に華北・華中など北方地区で、華東では黄酒(紹興酒)、華南ではビールやワイン(葡萄酒)が宴会でよく飲まれています。
尚、習近平国家主席が今年の9月訪米時、ホワイトハウスでオバマ大統領主催の歓迎晩餐会がありましたが、乾杯酒は黄酒の銘酒「古越龍山20年物花彫酒」でした。

中国アルコール飲料のうち主に消費されているのは、白酒、ビール、黄酒、ワインの4種類です。2014年中国アルコール飲料(酒類)の年間生産量は前年比0.1%減の6,543 万9,900 キロリットル、また14年時点で年間売上2,000万元(約3億8千万円)以上のアルコール飲料メーカーは2,602 社あり、それらの14年の売上総額は前年比5.9%増の8,778 億500 万元(約16 兆6,783 億円)、利益総額は前年比7.4%減の976 億1,700万元(約1兆8,547 億円)となっています。

近年中国でも若い人がお酒を飲まなくなったので、ビール市場が低迷し、白酒市場の成長も鈍化し続けています。2014年のビールの年間生産量は前年比1.0%減の4,922万キロリットル(日本は548万キロリットルなので約9倍)であり、白酒の同年の年間生産量は前年比2.5%増の1,257万1,300 キロリットルとなっています。また、消費者の所得水準の上昇、消費需要の変化などにより、ワイン市場は12年まで高成長を続けていましたが、輸入品などの影響を受け成長が鈍化傾向で、14 年のワインの年間生産量は前年比2.1%増の116万1,000キロリットルに留まりました。中国のアルコール飲料産業も他の過剰生産産業同様、多角経営化、業界再編などの構造改革が求められています。

最後にご紹介したいのは、筆者が40年中国のお酒を飲み続けて「これはうまい!」と思ったお酒は、吉林省通化産の葡萄酒です。ぜひ一度お試し下さい。
それではよいお年を。

以上

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