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【中国深読みコラム】第28回~国有企業と民営企業~

中国ビジネスレポート コラム
松本 健三

松本 健三

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2016年3月4日

毎回身近な商品から中国の経済活動をご理解いただくよう各産業の事情をご紹介しておりますが、今回は中休みとして、それらの製品を生産・供給している中国の会社の全体像をつかんでみたいと思います。
中国や香港に行くと街の看板に「有限公司」という文字をよく見かけますが、これは株式会社の意味です。昔の上海などの写真を見ますと「○○洋行」という会社の看板がたくさん出てきますが、これは今でいう外資企業のことです。NHK朝の連続ドラマ「あさが来た」の銀行は、当時の銀本位制の「銀」と洋行の「行」をとって渋沢栄一(徳川幕臣でパリ留学、帰国後大蔵省)が「銀行」という訳語を作り、その後中国にも伝わりました。
さて現在中国には1,528万社の企業がありますが、民営の中小企業が1,513万社あり全体の99%を占めます。残り1%の15万社が中央や地方政府、及び大手の民営企業です。

15万社のうち約3,000社の国有や民営企業は上海と深センの株式市場に上場しており、株を公開して市場より運営資金を調達しています。尚、皆さんご存知のチャイナモバイル(国有)やアリババ(民営)などのハイテク企業はニューヨークでも上場しています。

上海と深センに上場されている大手企業の国有VS民営の比率は企業数では43%:57%で民営の方が多いのですが、売上高合計の構成比では国有が約80%を占め民営を圧倒します。
最大企業は国有の中国石油化工集団で、年間売上高は37兆円ありトヨタ自動車の27兆円を超える規模です。民営企業の最大手は華為技術の5兆5千億円となっています。

それでは中国での国有及び民営の売上・利益トップ10を見てみましょう。

<国有企業>集団(有限)公司は省略
1位:中国石油化工(中石化)
2位:中国中鉄(鉄道)
3位:中国石油天然気(中石油)
4位:中国建築工程(エンジニアリング)
5位:中国鉛業(アルミニウム)
6位:中国中煤能源(石炭エネルギー)
7位:中国工商銀行
8位:中国聯合通信(チャイナユニコム)
9位:宝山鋼鉄
10位:中国銀行

<民営企業>売上3兆円以上
1:華為技術
2:聯想(レノボ)
3:蘇寧電器
4:山東魏橋創業(紡績業)
5:正威国際(精錬圧延加工・広東)
6:江蘇沙鋼
7:大連万達(不動産)
8:中国華信能源(商社・上海)
9:恒力集団(化学原料製品製造・江蘇)
10:浙江吉利汽車(自動車)

(出所:2015年度版中華全国工業連合会統計)

国有企業は巨大で安定感があり若者に人気の就職先ですが、過去3年間の売上成長率を見ますと国有40%に対して民営は60%伸びており、また自己資本比率は民営企業の方が良好です。若者には名声や現在の待遇のみにとらわれず、将来性とやりがいのある会社を選択してほしいものです。

以上

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