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【コラム】中国現場体験記(37) 中国の飛行機事情その2~中国国内線はワンダーランド~

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2012年1月26日

(4)搭乗口通過後
搭乗口通過後もまだ油断できません。中国では国内線に乗るとき、バスに乗って駐機場まで向かうことが多くあります。地方では徒歩のこともありますが、このようにして飛行機に到着した瞬間、搭乗客同士が争うようにタラップを駆け昇り始めます。なぜなら、荷物棚を確保するためです。

中国人(特に漢族)は、親族などへの土産物として、果物を持ち帰ることを好みます。桃(日本の桃とは違い、硬いままリンゴのように食べる)や杏やその地域特産の果物などです。それを箱ごと大量に持って帰るのです。ダンボールを何箱も持っている中国人もいます。その人たちが、我先にと上の棚にダンボールを詰め込むのです。中国人は大きな荷物でも、預けることを好まず、どうしても手荷物で持ち込みたがる傾向があるようです。これも、他人をあまり信用しないという中国人の性質に起因するように思われます。

2.機内にて
(1)通路側
筆者は、飛行機では通路側に座ることを好みます。通路側はトイレの際などは便利なのですが、上述の通り、中国人の乗客は多くの荷物を抱えて乗り込んで来る人が多いうえ、周りを気にせずに歩くため、通路側に普通に座っていたのでは、荷物をボンボンとぶつけられてしまいます。やはり油断大敵です。

(2)離陸前の機内
筆者の経験上、離陸前から着陸後まで、中国における飛行機の中では様々な事象が発生します。ところが、客室乗務員はそれらにほとんど注意を向ける様子がありません。日本人の感覚だと異様に思えることでも放ったらかしです。

① 携帯電話
離陸前の機内では多くの中国人が、携帯電話に向かって大声で話しています。日本の飛行機内で同じことをするとすぐに客室乗務員に注意されそうですが、中国の飛行機内では誰も注意はしません。中国の飛行機に慣れると、日本に帰国した際に、自身が中国化していくることに気付く瞬間があります。着陸と同時に携帯の電源を入れ始めてしまう瞬間です。日本では要注意です。

② 誰が登場するのか?
夏にクーラーを効かせているとき、手荷物置き場の裏側から、もくもくとドライアイスのような煙が噴出してくることが度々ありました。どこかの歌謡ショーで誰かが登場して来るかの如くです。クーラーの冷気が白い煙として出てきたのには驚かされました。

(3)離陸後の機内
① いきなり前の座席が
いきなり前の座席が倒されることもあります。筆者がたまたま下を向いているときに、頭をぶつけたこともありました。北京人ナイズされていた筆者は、すぐさま、前の座席を叩き、注意したところ、何と振り返って来た人は、いかつい顔と体つきの男性でした。心の中では大いにひるんだものの、ここで引き下がってはいけないと思った筆者は、中国語でまくし立てました。すると、「不好意思(=ごめんね、の意味。謝罪しない中国人からしたら、よくぞ言ったという反省の言葉)」。内心はほっとしたものでした。

② 空を飛ぶ
仲間内で物を投げあうこともあります。たとえば、大きな袋にパンがいくつか入っているとすると、通路を挟んで座っている仲間にそれを投げ渡したりするのです。中学生の修学旅行ではなく、大の大人が物を投げ合っています。

他にも、なぜか飛行機が飛んでいる最中、通路に立っている人を多く見かけます。座っている仲間の横で、おしゃべりを楽しむのです。

③ カップラーメン
驚いた事はまだまだあります。中国人(特に漢族)の多くは、「康師傅(台湾発祥の企業、インスタントラーメン等の食品メーカー)」の「紅焼牛肉麺」というカップラーメンが、心の底から好きなのですが、このカップラーメンを空飛ぶ飛行機の中に持ち込んでいた中国人がいました。その乗客が、おもむろにビニール袋を空け、蓋をめくったのを目撃した時には、それはいくらなんでもないだろ、と見守っていると、なんと、客室乗務員に湯を入れて持ってくるように頼んだのでした。また、客室乗務員もあっさりと湯を入れて持って帰ってきたのです。しかもご丁寧なことに、蓋がめくれないようにフォークを刺すという中国式のやり方で。

この中国人乗客が臭いを飛行機中に漂わせながら、満足気にカップラーメンを平らげたことは言うまでもありません。


※世界遺産/湖南省張家界でゆるく働く係員

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