こんにちわ、ゲストさん

ログイン

自社の商号が他社に商標登録された場合の対応について

中国ビジネスレポート 知的財産
王 倩

王 倩

無料

2011年11月24日

Q:当社は数年前福建省に現地法人を設立した際、自社製品の商標を中国で商標登録しました。しかし、自社生産の各商品の商標と比べ、むしろ会社の商号の方が、中国においては認知度が高いように思われたので、今年に入り、中国市場向けの商品の包装に、「○○(会社の商号)製品」の文字も印刷して、大々的に宣伝・販売しはじめました。最近、会社の商号の文字も中国で商標出願しようと商標代理人に依頼しましたが、予備サーチの結果、去年、当社の商号と類似した漢字とローマ字表記両方の商標がすでに中国で商標出願されていたことが分かりました。このままでは、将来、商標権者から商標侵害として訴えられるのではないかと心配です。どのような対応策が考えられますか?。

A:
1.商号は他社との区別を促す標識であり、非常に重要な知的財産権ですので、基本的にそれと同一文字を使用した類似商品の商標権も自社に帰属させることが望ましいといえます。

2.すでに他社に抜け駆け出願されている場合、出願公告がまだなされていない段階なら、商標法の手続き上、何も対抗手段が取れないので、出願公告を待つしかありません。この段階で、自社として考えられる商標異議申し立て理由と証拠を検討しておき、商標出願が公告され次第、3ヶ月以内に、商標異議申し立てと関連証拠を提出するようにします。そうすることで商標局は速やかに商標異議申し立ての審査に入ることができます。因みに、御社の場合は、既存権利との抵触、代理人または代表人名義での無断出願などの異議申し立て理由が考えられます。
商標異議申し立てに理由があると商標局が認めてくれれば、商標権付与の決定を取り消してもらえます。仮に、その商標異議申し立てに理由がない旨の決定が下された場合でも、その決定に対して審判請求ができます。また、審判決定に不服がある場合は、行政訴訟を提起できます。裁定または判決が確定されない限り、商標登録公告はできません。商標の権利者は、登録公告がなされていない期間中の行為に対して商標侵害として追及することができません。

3.上記の手続きの進行中、場合によっては、商標出願人と交渉をすることも考えられます。

4.どうしても、相手の商標登録を阻止できなかった場合、相手の商標登録後、慎重に自社の商品包装の「○○(会社の商号)製品」という標識を変更しなければ、商号を商標として使用されたとして、商標権侵害と判断される恐れがあります。解決策としては、「○○(会社の商号)」の後ろに、「有限公司」、「集団」など、商標としてではなく、会社名として使用していることを表す用語を使用することをお勧めします。「○○(商号)」のところだけを強調するような文字の大きさ、色、デザインの変化は避けたほうがよいでしょう。

5.商標権侵害以外にも、相手から不正競争として訴えられることも考えられます。ただし、御社の商号は、もともと相手の商標登録よりも先に企業名称として登録されているため、不正競争の主張は成立しないものと思われます。

6.相手の商標が登録後三年間続けて使用されていない場合は、これを理由に、商標局に登録の取り消しを請求することができます。

7.また、ちょっと別の視点ですが、御社の商号は大切な知的財産権ですので、商号の商標出願はもちろん非常に重要ですが、もし、御社が「福建省企業知名商号認定と保護弁法」(中国語:福建省企?知名字号?定和保??法)の条件に適合しているのなら、来年度、知名商号の認定を申請することもお勧めします。認定を受けた場合、福建省内の各地域において、同じ商号の企業名称登録を阻止することができます。

ユーザー登録がお済みの方

Username or E-mail:
パスワード:
パスワードを忘れた方はコチラ

ユーザー登録がお済みでない方

有料記事閲覧および中国重要規定データベースのご利用は、ユーザー登録後にお手続きいただけます。
詳細は下の「ユーザー登録のご案内」をクリックして下さい。

ユーザー登録のご案内

最近のレポート

ページトップへ