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ログイン2013年8月16日
みなさんこんにちは、中国・上海駐在員の田中勇と申します。
本日は、世界視点で中国を見ている成功企業をご紹介します。
まず、中国で実績を上げている企業は少ないのが実態です。かつて、軽工業(主に1985~1987年頃)、電気や機械・製造メーカ(主に1991~95年頃)が中国に進出しました。これらの企業の主な進出目的は原価低減でした(下図の右上)。
しかしながら、現在、その多くの企業は一定の利益を確保できず、事業縮小・撤退する企業が増えています(洋服の青山の繊維製造業、高島屋、大林組、王子製紙等)。理由としては、毎年約10%上昇し続ける人件費、土地の値上がり、元高等です。労働集約型の繊維工場については、多くの中国企業がエチオピア等の賃金の安い地域に移動しているなか、日系企業の動きは遅い傾向にあります。2001年の中国のWTO加盟を契機に外資規制が緩和された後、販売拠点を構える企業が増えました。これらの企業の主な目的は、中国マーケット市場の制覇です(図の右下)。
しかしながら、現在、その多くの企業も縮小あるいは撤退に追い込まれているのが現状です(ヤマダ電機、NEC・京セラの携帯電話部門等)。主な原因として、マーケット調査不足等が挙げられます。
それでは、実績を上げている企業は、どのような企業なのでしょうか。それは、中国一国だけを見ているのではなく、世界視点で中国を見ている企業なのです(図の右上)。例えば、AOスミス、ハンスグローエ、ハネウェル、GM等です。AOスミスは、日本では聞きなれない企業ですが、アメリカにおける代表的な給油器メーカーです。中国における給油メーカーとしても、ハイアールに次ぐ2位の地位を築いています。この会社は中国で製造した給油器を中国だけでなく、インド等の新興国に販売しています。さらに、中国向けに作り販売した給油機を「新製品」としてアメリカ市場等の先進国にも販売しているのです。また、シャワーヘッド世界シェア率NO.1のハンスグローエも、中国で製造した製品を中国のみではなく、世界中に輸出しています(一部の資本集約型の高級製品はドイツで製造)。ハネウェルも同様であり、中国に開発部門を設置し、世界に商品を販売しています。またGMは国際部門の本部を中国(上海)に設置し、中国を国際事業の中心地としてとらえています。
これらのグローバル企業の特徴は、中国を、世界中で売れる製品やサービスを開発・販売するためのプラットホームととらえていることです。多くの企業が、既製製品の内、中国のハイエンドに合う商品のみを販売するという戦略で失敗に終わっています。そうではなく、上記の成功企業のように、ローエンドからミドル市場に合った商品を中国で開発・販売することにより、すべての商品が世界中で販売できるという戦略が重要なのです。
以上
東京コンサルティンググループ
上海有限公司 田中 勇
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