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自由貿易区内外での外商投資企業新設手順および政府手続きの主な違い

中国ビジネスレポート 法務
邱 奇峰

邱 奇峰

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2014年3月26日

昨今、筆者は少なからぬ企業から中国(上海)自由貿易試験区(以下「自由貿易区」という)内での企業新設、享受できる優遇政策、また、自由貿易区外での企業設立と比較して主にどのような違いがあるかについて問い合わせを受けている。自由貿易区内外での外商投資企業新設の手順と政府手続きに関する違いについて、筆者は以下の通り簡潔にまとめた。

1.自由貿易区外での外商投資企業新設の通常の手順

以下の手順では、外商投資プロジェクト審査許可を必要とする外商投資企業(例えば、生産型企業)の設立を例としている(貿易企業など非生産型企業の設立において、プロジェクト審査許可を必要としない場合、設立手順は下記手順をより簡略化したものとなる)。
① プロジェクト審査許可部門(通常は発展改革委員会部門)でのプロジェクト立上げ申請
② 計画部門での計画の審査許可/土地部門での用地の審査許可/環境保護部門での環境影響評価審査許可など
③ 工商部門での企業名称仮認可
④ プロジェクト審査許可部門(通常は発展改革委員会部門)でのプロジェクト認可
⑤ 商務部門での設立審査許可(契約、定款の審査許可)
⑥ 工商登記
⑦ 税務、外貨、税関など複数の部門での登記
※手続き手順は実際の状況に応じて変わる場合もある。

2.自由貿易区内での外商投資企業新設の通常の手順

以下の手順においては、外商投資プロジェクトが「中国(上海)自由貿易試験区外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)」(以下「ネガティブリスト」という)の分野以外で、且つ「政府認可の投資プロジェクト目録」の対象外である外商投資企業の設立を例としている。
① 工商部門の企業名称仮認可
② オンライン申請表への申請情報の記入申告
③ ワンストップ受理窓口(即ち、工商部門)への資料提出
関係部門で内部審査を行い、プロジェクトの届出/企業設立の届出/品質監督登記/税務登記などの手続きを完了する。
④ ワンストップ受理窓口にてプロジェクト届出意見および営業許可証、組織機構コード証、税務登記証などを受領
⑤ プロジェクト届出意見に基づいた計画、用地、環境影響評価、建設などの手続き

ただし、外商投資プロジェクトが「ネガティブリスト」の分野に該当し、または「政府認可の投資プロジェクト目録」の対象である場合は、その申請手順が複雑になり、通常は以下の通りである。
・外商投資プロジェクトが「ネガティブリスト」分野に該当するである場合、プロジェクト認可および設立審査許可の手続きが必要となる。(審査許可部門は通常では自由貿易試験区管理委員会であり、それは発展改革員会と商務部門の関連職能を網羅しているが、プロジェクトの内容と規模により異なる場合がある。以下同じ。)
・外商投資プロジェクトは「ネガティブリスト」分野に該当しないが、「政府認可の投資プロジェクト目録」の対象である場合、プロジェクト認可手続きが必要となるが、設立審査許可の手続きは設立の届出に替わる。

留意点として、上記二つの状況に該当する場合につき、実務において現時点では依然として以下の問題が完全には明確にされておらず、引き続き注目する必要がある。
・先行して企業を設立(営業許可証取得)した後にプロジェクト認可手続きを行なってもよいか。―自由貿易区関連法規では明確にされていないが、筆者は、先行して企業を設立(営業許可証取得)することができると考える。ただし、プロジェクトが未だ認可を受けていないことのリスクを負うことになる。
・計画、用地、環境影響評価、建設などの審査許可手続きは具体的にはどの段階で行うのか。―先行して企業を設立(営業許可証取得)するのか、それともプロジェクト認可手続きを行うのかによって決まる。

3.自由貿易区内外での外商投資企業新設手順の主な違い

手順 区外 区内
立案 立案法律法規に基づき、企業の設立前に先行してプロジェクトの認可が必要な場合、プロジェクト審査許可部門(通常は発展改革委員会部門)でプロジェクト立上げの届出を行わなければならない。 プロジェクト立上げの手順は不要である。
プロジェクト認可 法律法規に基づき、企業の設立前に先行してプロジェクトの認可が必要な場合、計画、用地、環境影響評価などの審査許可手続きを完了した後に、プロジェクト審査許可部門(通常は発展改革委員会部門)がプロジェクトの審査認可を行う。 ・プロジェクトが「ネガティブリスト」分野に該当する場合、依然としてプロジェクト認可が必要である。
・プロジェクトは「ネガティブリスト」分野に該当しないが、「政府認可の投資プロジェクト目録」の対象である場合、依然としてプロジェクト認可が必要である。
・プロジェクトが「ネガティブリスト」分野に該当せず、且つ「政府認可の投資プロジェクト目録」の対象外である場合、プロジェクト認可は不要であり、設立届出に替わる。
契約定款審査許可 契約定款の審査許可を行わなければならない。 ・プロジェクトが「ネガティブリスト」分野に該当するで場合、依然として契約定款審査許可が必要である。
・プロジェクトが「ネガティブリスト」分野に該当しない場合、契約定款審査許可は不要であり、届出に替わる。

4.自由貿易区内外での外商投資企業新設に関する政府手続きの主な違い

新設手順における違いの他、政府手続きなどにおいても、自由貿易区内外では違いがあり、主に以下のものが含まれる。

プロジェクト 区外 区内
登記受理部門および時間 ・各政府主管部門は個別に申請資料を受理し、個別に文書または証書を発行する。
・各政府手続きの所要時間は長い。
・ワンストップ受理窓口(即ち、工商部門)が、工商部門、管理委員会、品質監督部門および税務部門の申請資料を一括で受理し、その後ワンストップ受理窓口から各種文書または証書をまとめて発行する。
・ワンストップ受理により所要時間が大幅に短縮される。
経営活動への従事 経営活動への従事「許可取得後の営業許可証取得」
・経営範囲に一般経営範囲およびその他の許可が必要な経営項目が含まれる場合、許可が必要な経営項目の許可証または許可文書を取得してはじめて営業許可証を取得することができ、その上で一般経営事業およびその他の許可経営事業を開始する。
「営業許可証取得後の許可取得」
・経営範囲に一般経営範囲およびその他の許可経営項目が含まれる場合、先行して営業許可証を取得することができる。
・一般経営項目については、営業許可証を取得した後、直ちに従事することができる。
・その他の許可が必要な経営項目については、許可証または許可文書を取得した後に、従事することができる。
登録資本 ・法律、行政法規、国務院の決定で特定業界の登録資本に関する最低限度額が定められている場合、関連規定に基づき実施する。
・特定規定がある場合を除き、通常の登録資本登記条件は以下の通りである。

1)有限責任会社の最低登録資本は3万元。
2)一人有限責任会社の最低登録資本は10万元。
3)株式会社の最低登録資本は500万元。
4)会社設立時の全株主(発起人)の初回出資額は登録資本の20%を下回ってはならず、法定の登録資本最低限度額を下回ってはならない。
5)会社全株主(発起人)の現金出資額は登録資本の30%を占める。
6)会社株主(発起人)の全額出資期限は2年であり、投資会社であれば5年以内でよい。

・法律、行政法規、国務院の決定で特定業界の登録資本に関する最低限度額が定められている場合、関連規定に基づき実施する。

・左記の区外における通常の登録資本登記条件に関する規制を取り消す。登録資本は引受登記制を実施する(会社株主または発起人は自己の出資引受額、出資方式、出資期限などについて自主的に取り決めた上で会社定款に記載しなければならない)。

企業年度検査 企業年度検査
・毎年所定の期限内に、政府主管部門は共同で企業の関連登記事項に対し定期検査を行う。
・期限を過ぎ、または虚偽があった場合、営業許可証を取り上げられるおそれがある。企業年度報告公示
企業年度報告公示
・毎年所定の期限内に、情報公開システムを通じて年度報告を送付した上で、社会に対し公表する。
・企業は年度報告の真実性、適法性について責任を負う。期限内に年度報告を公表しなかった場合、経営異常名簿に記載される。

以上の通り、自由貿易区関連政策は多くの国際的に通用している方法を参考にしており、自由貿易区外に比べ、自由貿易内での外商投資企業の新設は一連の優遇、便宜的措置を享受することができる。なお、自由貿易区は設立されたばかりであるため、関連付帯制度または措置が続々と公布されており、今後も更に注目していく必要がある。

(里兆法律事務所が2013年12月20日付で作成)

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