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ログイン2014年11月19日
2014年5月17日、中国国家発展改革委員会は「外商投資プロジェクト認可および届出管理弁法」(国家発展改革委員会令第12号、以下「認可および届出弁法」という)を公布し、2014年6月17日から施行している。また、国家発展改革委員会が2004年10月9日に公布した「外商投資プロジェクト認可暫定管理弁法」(国家発展改革委員会令第22号、以下「旧「認可弁法」という)は廃止された。旧「認可弁法」と比べ、「認可および届出弁法」の適用範囲、管理方式、管理内容、監督方式などいくつかの点で大きな変更があるため、下表に整理し解読を行う。
一、適用範囲の拡大
旧「認可弁法」 | 「認可および届出弁法」 |
第二条 本弁法は中外合弁、中外合作、外商独資、外国投資者による国内企業の買収、外商投資企業の増資などの各種外商投資プロジェクトの認可に適用する。 | 第二条 本弁法は中外合弁、中外合作、外商独資、外商投資パートナーシップ、外国投資者による国内企業の買収、外商投資企業の増値及び再投資プロジェクトなどの各種外商投資プロジェクトに適用する。 |
第三十五条二項 外国投資者が人民元を用いて国内で投資を行うプロジェクトは、本弁法に従って実施する。 | |
筆者による解読 | |
【改正のポイント】 1.「認可および届出弁法」は、外商投資パートナーシップと外商投資企業再投資プロジェクトを適用範囲に加えた。 2.「認可および届出弁法」は、外国投資者が人民元を用いて国内で投資を行うプロジェクトは当該弁法に照らして実施すると定めた。 【改正背景】 |
二、プロジェクト管理方式を全面的な認可制から一部を認可制とするが基本的に届出制とする複合方式へ変更
プロジェクトの範囲 | 管理方式 | 管理部門(権限) |
「外商投資産業指導目録」: ・中国側支配(相対支配を含む)の要求がある総投資(増資を含む)3億米ドル以上の奨励類プロジェクト ・総投資(増資を含む)5000万米ドルおよびそれ以上の制限類プロジェクト(不動産は含まない) |
認可制 | 国家発展改革委員会 |
「外商投資産業指導目録」: ・制限類における不動産プロジェクト ・総投資(増資を含む)5000万米ドル以下のその他の制限類プロジェクト |
認可制 | 省級政府(認可権を委譲してはならない) |
「外商投資産業指導目録」: ・中国側支配(相対支配を含む)の要求がある総投資(増資を含む)3億米ドル以下の奨励類プロジェクト |
認可制 | 地方政府(省級政府が現地の実際の状況に基づいて 地方各級政府の認可権限を具体的に区分する) |
上述のプロジェクト以外の「政府認可の投資プロジェクト目録(2013年版)」第一から十一項に記載された外商投資プロジェクト (農業水利、エネルギー、交通運輸、情報産業、原材料、機械製造、軽工業、ハイテク技術、都市建設、社会事業、金融を含む) |
認可制 または 届出制 |
第一から十一項の規定に照らす認可制を実施する以外の 外商投資プロジェクト届出制地方政府投資主管部門 |
筆者による解読 | ||
【改正のポイント】 1.外商投資プロジェクトの管理方式は認可制の統一的実施から投資プロジェクトの分類および規模に応じて認可制または届出制の二つに分けて実施する方式に変更された。具体的には上表の通りである。旧「認可弁法」と比べ、認可を必要とする外商投資プロジェクトの範囲が大幅に減少し、同時に国家発展改革委員会の認可を必要とする外商投資プロジェクトの認可のハードルが上がり、地方政府により高い認可権限が与えられた。 2.「外商投資産業指導目録」において中国側支配(相対支配を含む)の要求がある奨励類プロジェクトおよび制限類プロジェクトを除き、残りの外商投資プロジェクトの管理方式は内資プロジェクトと同じである。 【改正背景】 【概要】 |
三、外商投資プロジェクト管理内容の最適化
旧「認可弁法」 | 「認可および届出弁法」 |
第五条国家発展改革委員会に申告するプロジェクト申請報告書には以下の内容が含まれる。 (一)プロジェクト名称、経営期間、投資者基本状況。 (二)プロジェクト建設規模、主要建設内容および製品、採用する主要技術とプロセス、製品の対象市場、予定雇用人数。 (三)プロジェクト建設地、土地、水、エネルギーなどの資源に対する要求、及び主要原材料の消費量。 (四)環境影響評価。 (五)公共の製品またはサービスに関する価格。 (六)プロジェクト総投資、登録資本および各当事者の出資額、出資方式と融資方案、必要な輸入設備および金額。 |
第八条 認可申請を行う外商投資プロジェクトについては、国の関連要求に基づいてプロジェクト申請報告書を作成しなければならない。プロジェクト申請報告書には以下の内容が含まれる。 (一)プロジェクトおよび投資者の状況。 (二)資源利用と生態環境影響の分析。 (三)経済および社会への影響の分析。外国投資者の国内企業買収プロジェクト申請報告書には、買収側の状況、買収手順、融資方案および被買収側の状況、被買収後の経営方式、範囲および持分構造、所得収入の利用計画などが含まれる。 |
第九条国家発展改革委員会は実際の必要に応じて、プロジェクト申請報告書共通ひな形、主な業種のプロジェクト申請報告書見本、プロジェクト認可文書の様式文書を作成、公布する。 国家発展改革委員会の認可または審査を受けた上で国務院に報告し認可を受けなければならないプロジェクトについては、国家発展改革委員会は「サービスガイドライン」を制定、公布し、プロジェクト認可に関する申請資料および必要添付書類、受理方法、手続きの流れ、手続所要時間などの内容を明記して、プロジェクト申請企業のために指導およびサービスを提供する。 |
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第十八条 届出申請を行う外商投資プロジェクトについては、プロジェクト申請企業がプロジェクトおよび投資者の基本状況等の情報を提出し、中外投資各当事者の企業登録証明資料、投資意向書および増資、買収プロジェクト対象会社董事会決議などのその他の関連資料を添付しなければならない。 第十九条 外商投資プロジェクトの届出は、国の関連法令、発展計画、産業政策および参入基準に合致し、「外商投資産業指導目録」、「中西部地区外商投資優勢産業目録」に合致しなければならない。 |
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筆者による解読 | |
【改正のポイント】 1.「認可および届出弁法」は外商投資プロジェクトの認可条件を最適化し、国家発展改革委員会がプロジェクト申請報告見本および「サービスガイドライン」を制定、発布することを明確に定めた。 2.「認可および届出弁法」は届出管理について原則的な規定を設けており、それには届出に必要な資料、届出条件などが含まれる。 【改正背景】 【概要】 |
(里兆法律事務所が2014年9月12日付で作成)
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