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「プラットフォーム経済分野に関する独占禁止ガイドライン」の公表について

中国ビジネスレポート 法務
金杜法律事務所

金杜法律事務所

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2021年4月9日

1.はじめに

近年、中国でのインターネット業界の急激な変化に伴い、プラットフォーム企業による「二者択一」(独占販売)やMFN条項(最恵国待遇条項)に関する事象が注目されるようになった。

2020年12月の中央経済業務会議では、独占禁止の強化と資本の無秩序な拡張の防止が2021年の経済業務重点の1つとされ、データ規則及びプラットフォーム企業の独占認定に関する法的規則の整備が求められ、2021年3月に開催された全国人民代表大会及び中国人民政治協商会議(いわゆる「両会」)においても、食事宅配サービス利用料の引上げや「二者択一」等のインターネットプラットフォームに対する独占禁止規制が大きな議題となったほか、李克強首相が発表した政府活動報告書でも、中央経済業務会議と同様に、独占禁止の強化と資本の無秩序な拡張の防止が論じられた。

国家市場監督管理局の統計によると、2020年における独禁法違反の摘発件数は前年の2倍超にまで増加したが、これにはネット関連の事件が多く含まれ、インターネット業界への取締り強化が顕著となっている。特にインターネット業界における違法な事業者結合への処罰については、2020年末に3件の処罰事件が公表された後、今年3月12日には10件もの公表がなされた。

このような背景の下、「プラットフォーム経済分野に関する独占禁止ガイドライン」(以下、「本ガイドライン」という)が国務院独占禁止委員会により2021年2月7日に公表され、即日施行された。本ガイドラインの正式な公表は、その意見募集稿(以下、「意見募集稿」という)の公表からわずか3か月後のことであり、その迅速さからは、プラットフォーム経済分野において独占禁止を強化する当局の決意が窺われる。

本ガイドラインは全六章から成り、プラットフォーム経済分野における独禁法運用の特別な分析方法、考慮すべき要素等を広く整理するとともに、関連する重大な問題に対する当局の見解を示している。本ガイドラインに強制的な執行力はないものの、その内容は企業のコンプライアンス整備にとって多大な参考的価値を有することから、本稿ではその要点について説明するものとしたい。

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