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ログイン2024年8月1日
はじめに
近年、中国では美容医療産業が急速に台頭し、世間の注目を集めている。美容医療は、美容整形手術だけでなく、医薬品や医療機器などを使用した美容治療も含まれる。そのため、当該業界の特殊性から、医療を受ける者の健康と安全を確保するために厳しい規制が必要とされている。本稿では、中国の美容医療業界における参入基準、医薬品や医療機器の使用に関する規制政策について解読し、美容医療業界の従事者に法規ガイダンスや運用基準を提供することを目的とする。
本文
Q1: 美容医療とは何か?
A1: 「美容医療サービス管理弁法」などの関連法律法規により、美容医療とは、手術、薬物、医療機器、その他の外傷性または侵襲性のある医療技術方法を用いて人の容姿や各部位の形状を回復および改造することを指す。
Q2: 美容医療機構を設立するには、どのような手続きが必要なのか?
A2: 「美容医療サービス管理弁法」により、美容医療機関の設立を申請する企業または個人は、「医療機関管理条例」および「医療機関管理条例実施細則」の関連規定に基づいて、設立認可および登記・登録の手続きを行わなければならない。衛生行政部門は、合格した申請書類を受理した日から30日以内に認可または不認可の決定を下し、申請者に書面で回答する。衛生行政部門での登記・登録を取得し、「医療機関執務許可証」を得てから、診断・治療活動を行うことはできない。
Q3: 美容医療機関はどのような美容医療項目を行うことができるか?
A3: 衛生部弁公庁が公表した「美容医療項目分級管理目録」により、美容医療機関が実施できる美容医療項目は主に、美容外科項目、美容歯科項目、美容皮膚科項目、美容中医科項目の4つに分類される。
Q4: 美容医療機関が医薬品を購入する際の注意点は?
A4: 「医薬品管理法」により、美容医療機関が購入する医薬品の供給会社については、医薬品製造業者は承認を経て「医薬品生産許可証」を取得し、医薬品卸売業者は承認を経て「医薬品経営許可証」を取得しなければならない。このほか、美容医療機関は、供給会社の「営業許可証」や販売される医薬品の承認証明文書などの関連資料を調べて確かめ、販売人員が所持する授権書原本および身分証明書原本を確認しなければならない。
医薬品を購入する美容医療機関は、入荷品の検査と検収のシステムを確立し、実施しなければならず、法律の規定に適合しない合格証明書やその他の表示のある医薬品を購入し、使用してはならない。医薬品の検収記録には一般的に、医薬品の通用名称、剤型、規格、ロット番号、製造日、有効期限、製造者、供給会社、購入数量、購入価格、購入日、検収結論などが含まれ、検収者が署名しなければならない。
Q5: 美容医療機関が独自に医薬品を研究開発・調製することはできるか?
A5: 臨床上に必要とされるが、市場にこれらの医薬品が供給される品種がない場合、美容医療機関が製剤を調製する必要がある場合には、「薬品管理法」に基づき、その所在地の省・自治区・市人民政府薬品監督管理部門の承認を受け、「医療機関調剤許可証」を取得しなければならない。また、美容医療機関が調製した製剤は、市場で販売してはならないことに注意を払う必要がある。
Q6: 美容医療機関が医療機器を購入する際に注意しなければならないことは?
A6: 「医療機器使用品質監督管理弁法」により、医療機器使用者は資質を有する医療機器生産経営企業から医療機器を購入し、供給者の資質や医療機器登録証明書または届出証書などの証明書類を請求し、確認しなければならない。購入した医療機器に対しては、製品合格証明書類をはっきり調べ、規定に従って検収を行なわなければならない。特別な貯蔵・運輸要件がある医療機器に対しては、貯蔵・運輸条件が製品仕様書やラベル表示の要件に適合しているか否かも確認しなければならない。
さらに、美容医療機関は、真実・完全・正確に入荷品検査状況を記録しなければならない。入荷品検査記録は、医療機器の指定使用期間満了後の2年間または使用終了後の2年間まで保存しなければならない。大型医療機器の入荷品検査記録は、医療機器の指定使用期間満了後の5年間または使用終了後の5年間まで保存し、インプラント型医療機器の入荷品検査記録は永久に保存しなければならない。
終わりに
本稿は、美容医療業界の参入要件と、医薬品や医療機器の使用に係る規制政策についてまとめたもので、しかし美容医療産業の規制範囲はこれをはるかに超え、中国関係部門の美容医療業界に対する規制姿勢はダイナミックな発展の過程にある。今後も、美容医療業界における規制の動向に焦点を当て、継続的な注意と分析を通じて、美容医療業界の従事者に実践的なアドバイスを提供したいと考えている。
(作者:北京市中倫(上海)法律事務所 邱靖弁護士)
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