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ログイン2025年3月11日
はじめに
近年、ライブコマース業界は急成長を遂げ、多くの業者が「中国版TikTok抖音(Douyin/ドウイン)、「淘宝(Taobao/タオバオ)」、「快手(クゥアィシォウ)」、「小紅書(RED)」、「Wechatのチャンネル(微信視頻号)」、「京東商城(JD.com)」、「拼多多(Pinduoduo/ピンドゥオドゥオ)」などを通じてライブマーケティングを行い、新タイプのネットビジネスモデルに属している。これを背景のもとに、医薬品・医療機器・健康食品・特殊医学用途調整食品(以下「三品一械」と総称する)が広告分野においては厳しい審査規定とコンプライアンス要件があるが、三品一械のライブマーケティングの行為に対してはまだ有効な規制対象としてならないため、さまざまな「三品一械」ライブ配信の虚偽宣伝、違法広告推奨などの問題が時々発生する。本稿は、関連法律法規および実務上の規制の動向にめぐり、三品一械のライブマーケティングにおけるコンプライアンス要点を紹介し、医療企業および従事者が三品一械のライブマーケティングをコンプライアンスに則って実施できるよう支援することを目的とする。
本文
Q1: 三品一械をライブマーケティングを通じて販売できるか?
A1: はい、特定の三品一械製品を除き、既存の法律法規はライブマーケティングによる三品一械の販売を禁止していない。また、国家、地方、業界協会などが発表した関連文書から、三品一械のライブマーケティングに対する姿勢が反映されている。
国家レベルからは、14部委が共同発表した「2024年の医薬品購入販売分野と医療サービスにおける不正を是正するための作業要点」において、「医薬品に係るライブマーケティング、情報内容、宣伝の秩序などの規制の程度を大きくすること」について言及している。違法で別の形で医療・医薬品・医療機器などの広告掲載の取り締まりや、医療にまつわる風説の流布などの違法行為の取り締まりに重点を置いている。
地方レベルでは、「北京市ライブコマースに係るコンプライアンスガイドライン」は、「医薬品・医療機器・健康食品・特殊医学用途調整食品の広告を掲載する場合、「広告法」の関連規定を遵守しなければならず、健康や摂生知識などの形で紹介してはならず、医療・医薬品・医療機器・健康食品・特殊医学用途調整食品の広告を別の形で掲載してはならない。また、「上海市ライブマーケティング活動に係るコンプライアンスガイドライン」において、「医療・医薬品・医療機器・農薬・動物用医薬品・健康食品・特殊医学用途調整食品などの法律や行政法規の規定により、広告掲載の事前審査の対象となる商品やサービス」のライブマーケティングに対する態度について、「ネット配信の形でのマーケティングには適さない」という表現を採用し、「ネット配信の形で販売してはならない」というネガティブリストにおけるものとは異なる。
業界協会のレベルでは、中国広告協会が発表した「ライブマーケティング行動規範」においては、「事業者が医薬品・医療機器・健康食品・特殊医学用途調整食品などの特別な商品を販売する際に、法に基づいて適切な資格または行政許可を取得しなければならない」との表現であり、三品一械については、ライブマーケティングの形で販売できることも示されている。
ただし、処方薬などマスメディアでの広告掲載が禁止されている商品や、特殊医学用途調整食品における特定全栄養調整食品などインターネット上での取引が禁止されている商品については、ライブマーケティングによる販売が認められていない点に注意を払う必要がある。
Q2: 三品一械のライブマーケティングは、三品一械の広告に該当するか?
A2: 現在の法律法規において明確な結論はないが、また、ライブマーケティングの形で、事前に広範な審査を行うことは通常困難であるため、法執行の実務上では、三品一械ライブマーケティングに対してはより慎重な態度をとっている。ライブマーケティングが必ずしも広告であるとは考えていないが、具体的な状況においては、広告法の規定に従って具体的に特定する。
Q3: 三品一械のライブマーケティングはどの法律法規に規制されているか?
A3: 三品一械のライブマーケティングは多くの規定を遵守しなければならず、以下のものを含むがこれらに限らない。
● 「インターネットライブマーケティング行動規範」、「インターネットライブマーケティング管理弁法(試行)」、「インターネット取引監督管理弁法」、「インターネットライブショーと電子商取引ライブ配信の管理強化に関する国家ラジオテレビ総局の通知」、「インターネットライブマーケティング活動の監督管理強化に関する市場監督管理総局の指導意見」など、インターネットライブマーケティングに関する法律法規および規定
● 「北京市ライブコマースに係るコンプライアンスガイドライン」、「上海市ライブマーケティング活動に係るコンプライアンスガイドライン」など、ライブマーケティングに係る地方規定
● 「広告法」、「不正競争防止法」、「広告管理条例」、「インターネット広告管理弁法」など広告宣伝分野の基本規範
● 「薬品管理法」、「医療機器管理法(草案募集稿)」(未発効)、「医薬品・医療機器・健康食品・特殊医学用途調整食品の広告審査管理暫定弁法」など、医薬業界の基本法律法規における広告規制要件
Q4: 三品一械ライブマーケティングの実務上における一般的なコンプライアンス上の問題とは何か?
A4::北京陽光消費ビッグデータ研究院、北京市食品医薬品安全法治研究会と消費者ネット(www.bjxf315.com)が共同に実施した「三品一械」ライブコマース消費調査、および事案資料の収集やまとめから形成した報告書により、「三品一械」ライブコマースに関する主な問題は、ライブ宣伝、ライブ販売、製品品質、アフターサービスの4つの問題であり、具体的には、虚偽宣伝、違法宣伝、販売資格、販売ミスリード、商品資質、商品品質、サービスコミュニケーション、返品交換という8つのカテゴリーに細分化されている。そのうち、ライブマーケティングの問題が最も著しく、以下を含む:
● 虚偽宣伝の問題:効能効果の誇張、言葉を濁すこと、宣伝の誇張、宣伝のミスリード、実際の役割に一致しない宣伝、虚偽宣伝など
● 違法広告の問題:違法広告の推奨、広告違反、別の形の広告掲載
Q5: 三品一械ライブマーケティングのコンプライアンスポイントとは?
A5::前述のように、広告関連法律法規の要件以外、三品一械のライブマーケティングは、次のようなコンプライアンスポイントに適合しなければならない。
● ライブマーケティングやビデオマーケティングにおける口頭内容は、客観性と真実性を確保し、商品詳細ページや商品マニュアルなどと一致しなければならない。ライブマーケティングやビデオマーケティングにおいて、キャスターの口頭内容は客観性と真実性を確保し、客観的な情報(商品価格、商品名、原産地、生産者情報、性能、重要パラメーター、仕様、グレード、生産日、賞味期限などを含むがこれらに限らない)に係る場合は、商品登録証明書、届出証明書、商品添付文書の内容に準じ、商品詳細ページに記載されている図表や文章などと一致しなければならない。
● ライブやビデオ映像において、重要製品の情報、注意事項、リスク提示を大きく表示するか、または提示しなければならない。例えば、「商品添付文書を精読するか、または医療従事者の指導のもとで購入と使用してください」、「禁忌の内容または注意事項の詳細説明書」などを大きく表示する。
● 優待、特典、割引などの販促条件を明確すること:販促活動を行う際、付加条件または期限がある場合は、その条件または期限を明確に公示しなければならない。販促活動の回数に制限がある場合は、具体的な販促品の数量を明らかにし、販促品が売り切れた後は、直ちに明示しなければならない。また、その他の制限事項がある場合は、消費者の誤解を避けるため、明確に公示しなければならない。
● 消費者の個人情報の保護:ライブ配信において、消費者の個人情報を収集する必要がある場合、関連法律法規を遵守し、法に基づいて消費者の同意を得なければならない。消費者の同意の範囲を超え、またはサービスシナリオと無関係な消費者の個人情報の取扱活動を行ってはならない。
● ライブ映像、商品リンク、インタラクション記録などを将来の調査に備えて少なくとも3年間は完全に保存しておかなければならない。
終わりに
ライブコマース経済がますます過熱する中、「三品一機」のオンラインマーケティングは、規制と市場発展という二重の試練に直面している。現在、業界は「法律レッドライン+プラットフォームガバナンス+企業自主規律」の立体的なコンプライアンスシステムを構築する必要がある。一方、企業は率先して法律法規に基づき、ライブスクリプトの事前審査メカニズムやリスク警告リストを構築する必要があるほか、各地方の市場監督部門の法執行動向にも注意を払う必要がある。コンプライアンスという概念をライブマーケティングの全過程に組み込んでこそ、消費者の健康権益を保障しつつ、商業的価値と社会的責任の好循環を実現できる。
(作者:北京市中倫(上海)法律事務所 邱靖弁護士)
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