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ログイン2025年1月9日
はじめに
2024年8月26日、国家薬品監督管理局総合司は、「中華人民共和国医療機器管理法(草案意見募集稿)」(以下「草案」という)を発表し、一般者向けに意見募集を行った。現在、中国の医療機器分野の主な規制は、2021年に改正された「医療機器監督管理条例」(以下「現行条例」)である。
現行の規定に比べ、草案は全体構成および内容の大部分において一貫性を保持しているが、医療機器登録証の譲渡の承認、輸入製品の国内責任者制度の追加、越境ECの輸入要件の明確化、反腐敗条項の追加、および企業管理者の個人責任の強化など、多くの革新措置を導入している。草案における多くの制度の改善は、現行の「薬品管理法」を補完するものである。 本稿では、草案における重要なポイントを紹介する。
本文
1. 医療機器登録証の譲渡の承認を明確化
現行の規定では、医療機器登録証の譲渡が承認されていないが、実務上、企業は一般的に会社の株式の取得、会社の合併/分立などの間接的な手段によって、登録証譲渡の目的を達成することができる。草案では初めて、医療機器登録者による医療機器登録証の譲渡が認められることを明確にした。また、草案では、医療機器登録証の譲受先が適切な品質管理およびリスク防止管理などの能力を備え、医療機器登録者の義務を履行する必要があり、譲渡は薬品監督管理部門の承認を受ける必要があるとしている。現時点では、登録証の譲渡に関する具体的な要件やプロセスについて、草案においてはまだ詳細に規定されず、今後、関連細則が打ち出される見込みである。
これは医療機器規制の分野における大きな変化を意味し、業界リソースの統合を促進し、取引コストを削減することにつながる。
2. 輸入製品の国内責任者制度の追加
輸入医療機器の場合、現行条例では、指定された国内企業法人による登録/届出資料および関連証明書類の提出のみ求められ、脇役に徹するとともに、国外登録者・届出者が関連義務を履行することを協力する。これに対し、草案では、医療機器の国内責任者の法的役割が導入され、その負わなければならない義務と責任を詳細に規定されている。
登録/届出資料の提出に加え、国内責任者は、市販後のリスク管理の実施、有害事象のモニタリングと報告の引き受け、リコールの実施など、一連の義務を負わなければならない。最も重要なことは、草案では、輸入医療機器の国内責任者は、輸入医療機器の登録者・届出者と連帯責任を負うことが明確に規定されている。つまり、国内責任者は登録者・届出者と類似の法的責任を負うことになる。
したがって、中国に医療機器を輸出しようとするブランドにとって、法的義務を果たす資格と能力を有する中国国内のビジネスパートナーを慎重に選び、緊密な協力関係を確立するために、ビジネスパートナーに対する全面的なデューデリジェンスを実施しなければならない。
3. 越境ECの輸入要件を明確化
関連法規により、越境ECルートで小売輸入が法的に認められている外国製品の規制プロセスは比較的簡単であり、越境ECで小売輸入の医療機器は登録または届出を行う必要がない。 中国市場のニーズと実務と照らし合わせ、草案は越境ECで輸入の医療機器の要件をさらに強調している。
草案において、越境ECで小売輸入の医療機器は、中国国内の企業法人を国内サービス提供者として指定しなければ、通関ができないことを明確 にしている。さらに、草案では、ECで輸入が許可される製品の種類は目次の規定を制定し、ECプラットフォームなどは、国内で登録または届出されていない目次外の医療機器のために、情報表示、リンクなどのサービスを提供してはならないと強調している。現在、越境ECの分野において、小売輸入が許可される関連商品リストは既にあり、企業は参照して実行することができる。
新規定は、越境ECで輸入される医療機器の規制がより明確になることを意味し、製品の品質と消費者の安全を保証することに役立ち、また越境EC企業に明確な運営ガイドラインを提供することもできる。
4. 腐敗防止条項の追加
医療分野における腐敗防止規制の圧力が引き続き高いことを背景に、草案では、第134条の腐敗防止条項も追加され、すなわち、医療機器の仕入れと販売において、リベートまたはその他の不当利益を与えることや受け取ることは禁止され、医療機器関連企業がいかなる名義でその医療機器を使用される医療機関の関係者に財物またはその他の不当利益を与えることは禁止され、医療機関の関係者がいかなる名義で医療機器の企業から与えられる財物またはその他の不当利益を受け取ることは禁止される。また、草案では第171条と第172条において、それらに係る法的責任も定め、これらの責任は「不正競争防止法」の規定よりも厳しいものとなっている。
当該腐敗防止条項は現行の「薬品管理法」と類似し、医療機器分野における腐敗防止法執行のための新たな法的根拠を追加し、監督をさらに強化するものである。
5. 企業管理者の責任強化
草案において、登録者、届出者、生産企業、使用者の法定代表者および主要責任者は、医療機器の品質、生産活動、経営活動などに対して全面的な責任を負わなければならないと明確している。それに伴い、草案では、医療機器問題に対する企業人員の個人責任を強化し、特に初めて違法企業の関連責任者に対し、「公安機関による5日以上15日以下の拘留」という身柄拘束の行政処分を処する可能性があることを創設した。
草案により、異なる種類の医療機器関連の違法行為について、違法企業の法定代表者、主要責任者、直接担当の主管人員およびその他の責任者が負われる可能性がある個人法的責任には、違法行為の発生期間中に本企業から得た収入を没収すること、得た収入の30%以上数倍以下の罰金を課せられること、特定期間内に、ひいては終身に医療機器の生産経営活動に従事してはならないこと、5日以上15日以下の拘留を処することが含まれる。
終わりに
本稿においては、草案の一部のポイントについて紹介し、それらとは別に、草案はまた医療機器警戒制度を打ち出し、個人情報への保護を強調し、多施設臨床試験を奨励し、および医療機器のイノベーションを支援していることなど。これらの内容は、医療機器業界に対する規制の深化を反映しているだけでなく、公衆の健康と安全を非常に重視していることもはっきり示され、医療機器業界に対する規制がより厳しく、透明で効率的なものになることを示している。
(作者:北京市中倫(上海)法律事務所 邱靖弁護士)
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