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ストライキ問題特集No.5:従業員の賃金待遇に関する要求事例

中国ビジネスレポート 労務・人材
王 穏

王 穏

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2010年11月22日

記事概要

今もなお、中国ビジネスの現場で発生し、日系企業の頭を悩まし続けているのが労働ストライキである。このシリーズでは、日系企業がどのように労働ストに対応していけばよいのか、分析・解説していく。

No5:従業員の賃金待遇に関する要求事例

背景その他
大連地区において工会がストライキを行い以下要求した事例を参考までにご紹介します。同事例では、労働者は「ストライキ」を交渉手段として強硬な態度で会社に抗議しており、中国では「ストライキを行う権利」が合法とされるかが焦点となる。

1.会社全体の給料問題の改定
従業員給料につき1名当たり500元アップすること。同業界の中で当社現行給料の標準は低く、開発区他企業は既にアップしており、当社給料が低いため技術ある熟練従業員が退職流失し、深刻な状況となっており、生産を阻害している。従って人員の安定性を図ることが重要であり、給料アップが必要である。

2.住宅積立金割合の改定
当社は以前から住宅積立金基数は最低賃金の標準の700元としているが、開発区の当社と取引している他の企業はほとんど賃金総額を基数の標準(養老保険の標準と)として納付している。当社住宅積立金納入基数が最低基準であるため、従業員の中で住宅購入者の大多数がローンを組んで住宅を購入する場合、毎月の返済金額が多額でありさらにローン借入額も低くなっている。ローン借入額は最大でも10数万元であり、大連地区の住宅購入金額が高額であることを考慮し、住宅積立金基数正常な賃金総額にすることを望む。

3.高温手当て問題
当社作業環境は比較的特殊であり、生産工程において従業員は危険な塗料を扱う苦労があり、夏季は高温作業に直面する。当社は高温作業に留意していないが、作業環境を考慮し、夏季(7、8、9月)3ヶ月について毎月一人当たり100元、3ヵ月300元を支給すべきである。

4.宿舎食事代と寮費問題
一般的に日系独資企業は従業員に福利施策として宿舎と食事を提供し、同寮費と食事代を賃金から差し引くが、当社の場合、現行の標準では月150元差し引かれるが、これは従業員の給料の9.0%程度を占め、従業員にとっては大きな支出である。従業員はこれらの無償提供を望んでいる。園区企業では寮費免除、食費のみ象徴的に数十元徴収しているところもある。

5.半年ボーナス、年末ボーナス問題
去年、会社は金融危機の影響を受け年末に年末賞与を支給しなかった。中国において企業はボーナスを支給することが習慣であると意識してしおり、毎年、企業が年末ボーナスを支給することは従業員の1年間の勤勉な努力へ感謝し気持ちを激励することであり企業業績が悪いからといって取り消すべきではない。周辺の企業が支給しているので、従業員は心の中で会社への不信感を持つことになる。従って年末ボーナスの復活と半期ボーナスを要求する。支給することで従業員は仕事の励みとなり、従業員は仕事に熱意を示し専念する良好な心理状態となり品質の良い製品作りに繋がるはずである。2010年上半期ボーナスを8月の給料の中に含めて支給することを望む。

付加条件:
1.上述の要求は労働組合が職員と労働者の代表大会を開き協議した結論であり、会社の早期回答を望む。
2.今回の職員と労働者代表の給料改定要求に対し、8/10前に回答することを望み、8/10までに具体的回答がない場合、再度ストライキを考える。
3.今回のストライキ参加者に対し会社は如何なる形式の処罰もしてはならない。

主執筆:王穏
執筆:毛奕、李飛鵬、呂玉崧、齋藤彰

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