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新社会保険法要点

中国ビジネスレポート 労務・人材
王 穏

王 穏

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2011年7月15日

2011年7月1日から新社会保険法実施されます。同法は中国としては初めての社会福利と社会保障専門の法律であり、中国内の企業と個人にとって重要な意義を持ちます。本稿にて、同法の要点を紹介します。

1.基本社会保険の種類
基本養老保険、基本医療保険、労災保険、失業保険、出産保険の計5種が基本社会保険である。
注意:いわゆる「四金」とは、上述の基本社会保険以外に住宅積立金も含むが、住宅積立金は労働争議の管轄外である。

2.社会保険情報を知る権利の強調
雇用者は毎月納付する社会保険料を従業員に告知する義務があり、従業員側も問い合わせることができる。
注意:『社会保険個人権益記録管理弁法』(草案)はすでに公布され、現在意見を募集している。今後中国の個人社会保険料の納付管理システムはより完備されていくであろう。

3.基本養老金受給の前提条件は納付年数が累計15年
定年退職時に基本養老金の納付年数が累計で15年に達していれば、基本養老金を受給できる。定年退職時に納付年数が15年に満たない場合は、15年に満たない部分を一括で追納することもできる。
注意:現在上海市で実施している『上海市城鎮従業員養老保険弁法』に基づくと、納付年数が15年に満たない場合、上海市養老保険事業管理センターに申請し、養老保険口座にある残高を全額本人に支給し、養老保険を終了することもできる。

4.養老、医療、失業保険の地区を越えた移転
同3種は中国内で地区を跨いで移転することができ、その納付年数も地区を跨いで累計して計算する。
注意:グループ企業内で他地域へ異動した従業員の社会保険加入問題については、通常解決方法が2つある。一つは、上述の地区を跨いだ移転の原則を参考にして、異動時に納付関係を移転させる。しかし、実務においては各地で実施細則が異なるため、地区によっては同方法は一定の障害がある場合もある。もう一つは、他地域で就業する従業員の保険料の納付を直接現地の人材派遣会社に依頼して、人事業務の一部を外部委託する形をとり、人材派遣会社が保険料を支払う。

5.基本医療費で負担しない医療費
以下医療費は基本医療保険では負担できない。
労災費用:当該費用は労災保険基金が負担する。従って、基本医療保険は「疾病又は労災によらない負傷に適用される。
第三者が負担する費用:当該医療費について第三者に法的な支払い義務がある場合、まずは当該第三者が支払う。海外で病院にかかった費用については、中国では現在中国内の病院のみ認めている。
注意:外国人が中国内で就業し、中国の医療保険を享受できる可能性が出てきたなか、外国人には一定の影響が出ることになる。

6.労災保険享受範囲を明確化
社保法では明確に規定したものの、『労災保険条例』の規定範囲に準じる。同様に、第三者の原因に帰す労災は、まず当該第三者が支払う。

7.失業保険の受給年数は累計納付年数に比例
納付年数は最低1年必要。失業保険受給年数は最長24ヶ月。

8.雇用者は失業者に適時労働契約の終了/解除の証明を発行し、15日内に現地社保局に通知すること
当該義務の履行が不適切であると、失業者が雇用者に損害賠償を請求してくる可能性もある。

9.雇用者が社会保険料を遅延なく満額納付しなかった場合、社保局が認めた場合、雇用者の口座から直接振り替えるように要求でき、裁判所に財産差押えを申請することもありえる
注意:上海では、社会保険料を遅延なく満額納付しなかった行為が累計3回に達した雇用者を重点的に処罰している(主に行政罰金)。

10.中国内で就業している外国人にとっては参考
現時点では、強制ではない。
注意:『中国内で就業している外国人の社会保険加入に関する暫定弁法』(草案)はすでに公布されており、現在意見を募集しており、同草案が通過すれば、外国人も中国の基準で中国内で社会保険料を納付する可能性が出てくる。

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