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従業員の入社時における会社の人事管理の五つの注意点

中国ビジネスレポート 労務・人材
王 倩

王 倩

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2014年7月11日


1.労働契約書に先に署名してもらう
労働契約法の規定としては、労働契約書の締結は従業員の入社後一ヶ月以内に済ませておけばOKですが、やはりなるべく入社前までに従業員と事前に労働契約書の内容を協議し、書面の契約書を締結しておくことをお勧めします。この場合、労働契約書の期間は実際の入社時期に合わせてください。
なぜならば、もし入社後の協議とした場合、労働契約書の一部の内容に異議を唱えられる等により、労働契約書締結の法定期間を過ぎてしまう恐れが出てきます。また、会社の管理上の隙をみて、労働契約書の署名をわざと先に延ばし、後から労働仲裁を起こして会社に二倍の賃金支払い要求をする人も、最近目立ってきています。

2.署名は必ずその場でしてもらうこと
労働契約書締結の際、従業員は必ず人事担当者の前で署名してもらうように徹底してください。
家へ帰ってじっくり読みたいからといって、労働契約書を自宅へ持ち帰り、翌日署名してあるものを人事担当者に渡す例がよく見られます。もしこの際、本人のサインではない場合(家族の誰かがサインする場合等)、後日会社とトラブルとなった場合、会社は自分と労働契約書を締結していないと主張する人がいます。

3.人事資料も署名してもらう
労働契約書に限らず、従業員が応募時と入社時に提出した履歴書、身分証明書のコピー、各種学歴証明書のコピー、資格証明書のコピー、記入された用紙など、すべての人事資料に、従業員本人が人事担当者の目の前でサインをする必要があります。会社の人事ファイルに保管されているコピーは、労働紛争の場合、本当に従業員本人によって提出されたものだと証明する必要があるからです。
昔、某会社は従業員から提出された学歴証明書が偽造されたものだとわかり、これを理由に、この従業員を内部規則に違反したとして解雇しました。しかしその従業員は、当該学歴証明書を提出していないと反論して、逆に、会社のほうが敗訴を喫したという事例があります。

4.資料を従業員に渡した証拠を保存する
労働契約書は、従業員に一式一部交付しなければならないことになっているので、後々の「渡した」、「もらっていない」などの水掛け論を防ぐ為、労働契約書を従業員に渡す際、関係用紙に署名をしてもらい、証拠を残すことをお勧めします。賃金明細などの資料を渡す際も、同様に署名をもらい、証拠を残したほうがよいでしょう。

5.ミドル層以上の従業員の人事資料は二重管理に
ミドル層以上の従業員の労働契約書などの関係人事資料は、できれば一式三部にし、一部は従業員自身が保管、二部は会社の二つの部署によって、べつべつに保管することをお勧めします。実際、人事部の担当者、或いは財務部の担当者が、自分の職務上の立場を利用して、自身の労働契約書を会社保管の人事ファイルから抜き取った事例があります。これは、会社の人事管理に大変な法的リスクを負わせることになりますので、細心の注意が必要です。

以上

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