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組織老化の錆を落とす…錆の落とし方

中国ビジネスレポート コラム
小島 庄司

小島 庄司

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2020年6月5日

組織老化について書いた自分の文章を読み返してみたら、2016年の夏に「弊社にとってこの下半期は、中国と日本の二拠点体制をスタートさせる(ちょっと大げさですが)歴史的転換点です」と書いていました。実際、2017年に日本法人を設立することになります。その後の事業の広がり方やチームレベルの変化を考えると、歴史的転換点というのは大げさではありませんでした。

そしてこれを書いているのが2020年の初夏。コロナ禍に迫られてセミナーや講座などを一気にオンライン化、書籍(「中国駐在ハック」日経BP社)も出しました。これもまた弊社史的には歴史的な転換点です。

新しい挑戦を続けることは、私たちのチームの「老化防止策」でもありますので、これからも様々な変化や課題に直面するたび、新たな刺激や挑戦を積極的に楽しみたいと思います。

アジア現法の共通四課題(人と組織)
□経営の一貫性の谷:短任期で継承できず
□誤った現地化の闇:ブラックボックス化
□組織老化の錆:守旧化し挑戦や活力を喪失
□意思疎通の壁:相互理解を妨げる三要因

前回まで、現地法人が立ち上げから10年を越えると、どんな組織老化の問題が起きるか見てみました。組織老化の問題は、放っておくと最終的には法人清算しか手がなくなります(事業継続する場合は、旧法人を清算して新法人を設立したり、社員が継続勤務できない遠方へ移転したりすることになります)。

そして、気をつけなければならないのは、通常、組織老化への対応は早期対処ができず、かなり後手に回ること。組織の老化はゆっくり確実に進み、深刻化するまで誰も大きな問題だとは気づきません。そして、問題が表面化して驚いたときには、すでに組織の根や幹は相当傷んでいます。

例えるなら、水道管の腐食が静かに進んでいき、ある日突然、水が噴き出す。あわてて噴き出した場所をふさいだものの、他の場所からも次々と水が噴き出し始め、どうして突然こんなことになったのか途方に暮れる……という感じでしょうか。

厄介なことに、これに『経営一貫性の谷』(=駐在経営者が短任期で交代し、経営の経験や知恵が組織に蓄積できない)が追い打ちをかけます。

組織老化の問題が表出しはじめた時点の赴任者から見れば、突然、問題があちこちから噴き出したように感じるでしょう。前任者たちから聞いていた話と違うし、困惑もすればプレッシャーもある。一方、元赴任者たちや本社側から見れば「いままで順調にやってきたのに、お前の代になってから問題が噴出しているやないか。何をやっとるんだ!」というのが本音でしょう。

お分かりの通り、これは課題の本質を見誤った危険な状態です。

経営体制が2~4年程度で替わることにより、組織老化という「線の問題」が「点」でしか捉えられなくなっているのです(と書きましたが、実は長期体制でやってきた場合も別の問題があります。これまで組織を構築し運営してきた本人が、自分の過去を否定するような改革に着手することは困難です。多くの場合、問題が深刻化してどうしようもなくなり、長期政権に終止符を打たない限り改革に着手できません)。

手をつけるのが遅れれば遅れるほど、錆は深く広がり、組織を腐食していきます。進行すると、錆を落とすのが大変どころか、すべて廃棄するかゼロから全面再構築するしかない、という事態に陥ります。

もちろん、経営の合理性を考えれば、法人リセットというのも有力な手段であり、情況によっては私も推奨することがあります。しかし、旧法人を閉める労力と費用、新たな法人を設立して軌道に載せる労力と時間は、多大なものがあります。現地での雇用責任、地域社会への貢献という面を加味しても、できるだけ組織の活力を維持して長く経営する方が、幸せが多いのは間違いありません。

■錆の進行具合によって対応方法は変わる

では、厄介な組織老化の課題をどう解決していくか、考えてみましょう。このコラムでは「OKY(お前が、来て、やってみろ)に対応できることしか書かない」ことをポリシーにしていますので、理屈ではなく、自分が改革責任者として招聘されたらどうするか、をイメージしながら書いてみます。

まず、解決に取り組もうと決断した時点での「腐食の進行度合い」によって、対応策は異なります

●組織老化の進行度合い
①まだほとんど錆がない
②錆びているが落とせば大丈夫
③一部腐食が進行している
④全面的に腐食が進行している

これまで見てきたように、残念ながら①②の段階で自覚症状を持ったり、来たるべき将来を予測して対策を打ったりすることは大変困難。でも、このコラムでリスクを認識していただけたら……と思いつつ書いていきます。

次回に続きます。

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