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【コラム】中国現場体験記(45) 吉林省図們で乗る北朝鮮見学のいかだ

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2012年4月23日

(4)吉林省図們
ⅰ.橋を渡れない
延吉空港から向かった図們では、橋を渡ったすぐそこに北朝鮮の山々や畑が広がっていました。吉林省各地では、遼寧省丹東の時よりも間近に北朝鮮の人たちの生活が見て取れました。例えば、北朝鮮の土地は中国側の土地と比べても明らかにやせ細っていました。中国側はとうもろこし畑になっているのですが、北朝鮮側には畑も植物も不足していることが一目瞭然でした。

図們でも北朝鮮側(北朝鮮の南陽市)との間に橋が掛かっていました。北京の旅行会社の担当者からは、橋の真ん中までが中国なので、国境線も橋の真ん中になるが、そのぎりぎりまでは歩いて行ける、と聞いていました。早速、渡ってみようと橋に近づいたところ、チケットを買わないと橋を渡れないことが分かりました。

筆者:「チケット買わないといけないの?」
売り場のおばさん:「そうよ」
筆者:「じゃ、チケットいくら?」
売り場のおばさん:「ところであなた、どこの国の人?」

どこの国の人間か聞かれた瞬間、もしかして日本人と分かったらチケットを売ってくれないのでは?でも、ここで中国人のふりをしても、日本人であることがばれてしまうと更にやっかいか・・・、ものの数秒の間に逡巡しました。場所柄もあり、この雰囲気の中で嘘を付くのは危ないな、と判断した私は、しぶしぶ小さな声で、「日本人」と言ったのです。すると、おばさんは大きな声で、「日本人は駄目!渡れない!」と言い出しました。うかつでした。朝鮮族の運転手にチケットを買いに行ってもらうべきでした。旅行会社に電話して、おばさんを説得してもらいましたが、結果は変わりませんでした。

このやり取りの一部始終を見ていた運転手が、がっかりしている筆者に同情してくれたのか、彼が知る秘密の場所に行かないかと誘ってくれました。

ⅱ.北朝鮮見学のいかだ
秘密の場所に行く前に、近くにある川で手漕ぎのいかだに乗ることにしました。地元民が竹竿を持ってゆらゆらと操作をするいかだは、中国と北朝鮮国境の小さな川を回ります。周りには韓国人観光客がいましたが、彼らからしても北朝鮮は近くて遠い国に変わりなく、やはりこうして中国側から望み見るしかないのでしょう。

いかだはのんびり進みます。目の前は北朝鮮の草むらです。先を行く韓国人の年配女性たちを乗せたいかだは、北朝鮮の土地ぎりぎりを進んでいました。彼女たちの大きな歓声を聞いていると、突然、いかだ漕ぎが操作を止めました。すると、惰性でいかだの穂先が北朝鮮に上陸してしまいました。後ろを振り返ると、いかだ漕ぎはあさっての方向を向いています。少しぐらい上陸してみろ、という意図と受け取れました。しかし、捕まりでもすれば一大事に違いありません。中国の地元政府が運営しているいかだの乗客を捕まえるようなことはないだろうとは思ったものの、恐る恐る足先を北朝鮮の土地にくっつけるだけに留めたのでした。

いかだを降りると、運転手が笑顔で迎えてくれました。
筆者:「遼寧省の丹東とは比べ物にならないほど北朝鮮が目近だし、雰囲気ものんびりした印象だね。北朝鮮の人はこの辺りにいないの?」
運転手:「以前は、北朝鮮の物乞いが、観光客からお金などをせびるために大勢やって来たけど、今は現れなくなったよ」
筆者:「どうしてだろう?」
運転手:「中国に対する面子もあることから、北朝鮮政府がそのような物乞い行為を厳禁としたらしいよ。何でも北朝鮮の国境警備隊はそのような人たちを発見したら、殺しても良いという指示が出たらしいよ」
筆者:「・・・・」


※いかだの上から見る北朝鮮 左側の草むらは北朝鮮
周りにいた観光客は韓国人ばかり

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