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ログイン2011年7月13日
今回は、正規の窓口の前で堂々と安売りチケットを売る中国のダフ屋やその関係者に関する現場体験記です。
中国で生活をしていると、イベント会場や映画館などの正規のチケット売り場の前で、ダフ屋が堂々とチケットを売っている場面に多々出くわします。しかも、ダフ屋が正規のチケットを売場の係員と仲良くしている(毎日隣で売っているから、顔見知りで、既に友達?)場面にも出くわします。そこで、今回は、中国での入場チケットに関する現場体験記です。
1.上海万博(上海世界博覧会、中国語では世博会shibohui)
(1)いざ上海万博へ
上海万博開催時、筆者は北京に住んでいたのですが、話題の一環として上海万博に行ってみたいと考えていました。ただ、何時間も並ばないといけない列や、5月下旬の上海の気候を考えると、わざわざ上海万博を見るためだけに北京から行く決心もつかずにいました。
ところが、幸い土日を挟んで上海に滞在しなければならない用事ができたため、上司からもらった上海万博会場内の食事券を片手に、早速上海万博に行ってみる事にしました。
まず、ホテルからのタクシーで、上海万博に対する中国当局・上海市当局の意気込みを感じることになりました。というのは、これまでは、上海のような大都市でも、タクシーは小汚いものが多かったのですが、上海万博開催に合わせて、新車で広々としたワゴン車が当局により大量導入されていたのです。タクシーの運転手も、小奇麗なシャツにジャケットといういでたちで、今までとは大違いでした。
(2)チケット購入、でもどこで?
会場に到着した筆者がチケット売り場を探していると、首から身分証明書を下げた中国人女性が話しかけてきたのです。
「私は中国の旅行会社の人間です。会社で団体用チケットを買ったのですが、たくさん余ってしまい困っています。もしよろしければ、買ってくれませんか?」
値段を聞いてみたところ、窓口で買うよりも安価であったため、筆者はこの旅行会社の女性から入場チケットを買うことにしました。ただし、筆者は、お人よしの日本人ではないため、リスクヘッジとして、
「ゲートまで一緒に行き、ゲートの自動改札機を無事通過できたら、お金を払う」という条件付で購入を同意しました。
このように、どっちに転ぼうが損はない状況を作っておき、上海万博係官の目の前で自動改札機に入場チケットを入れたところ、無事に入場できました。そこではじめて、チケット代を女性に払ったのでした。
実は同様のダフ屋が、上海万博のいくつもある会場のそれぞれの入場口にいたようです。いったい、窓口で買う正規のチケットとは何だったのでしょうか。また、上海在住の日本人に聞くと、外国人を含めた上海市の住民には、無料の入場チケットが大量に配られていたようです。これは入場者数を増やすための政策のひとつと思いますが、ますます、正規の額で入場チケットを買う必要性が分からなくなりました。
2.中国の映画館
他にも、正規の窓口の隣で堂々と安いチケットを売っている場所があります。それは映画館です。
中国の映画館では、上海でも北京でも正規のチケット売り場の前で、ダフ屋が何種類ものチケットを、窓口よりも安く売っていました。この時も試しにダフ屋からチケットを購入したのですが、もちろん、何の問題もなく入場できるのを確認してから、チケット代を支払った筆者です。また、中国国際展覧センターといった場所でも、たくさんのダフ屋を見かけました。
3.正規のチケットはどこに?
このように、中国では至るところで安価なチケットや無料チケットが手に入ります。いわゆる、偽物のチケットというわけではなく、あくまで正規の物が、堂々と係官の前で販売されているのです。
また、筆者が利用していた近所の中国銀行では、ヤミ両替屋が平然と為替データを映した銀行内のパソコン前に陣取り、仲良く銀行マンと話している場面もありました(中国では土日も銀行は営業していますが、外貨を人民元に両替してもらえる許容額が、平日よりも土日の方が低かったため、しばしば外国人などを狙ってヤミ両替商が話しかけてくるのです)。ちなみに、警棒を持ったガードマンとも友達付き合いという雰囲気で世間話をしているのですから、ここまで行くと、「ヤミ」とは言えないかも知れません・・・。
このような混沌とした状態をも楽しめれば中国はおもしろい国ですが、そうでなければ、あっという間に中国のことが嫌いになってしまいます。ここら辺りで、中国を総括するのではなく、様々な地域や民族に触れると、楽しさも苦しさも倍増し、中国に対する興味が増していくと思います。
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