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ログイン2013年9月18日
翌朝、ゴルムド駅到着は7時30分の予定でしたが、予約していた食堂車での朝食時間も同じく7時30分となっていました。牽引車(機関車)切り替えのための停車時間は、20分しかありませんので、早めに朝食を済ませ、記念撮影をすることにしました。
1.ゴルムド駅とトイレと食堂車
ゴルムド駅が近づいたところで、友人の様子がおかしいことに気づきました。高山病(高原反応)の影響か、お腹の調子がおかしくなったようです。ところが、友人がトイレに向かうと、列車がゴルムド駅に近づいていたため、すでに車内のトイレ全てに鍵がかけられていました。
筆者:「山西省五台山から北京に帰る寝台列車でも、○○さんがトイレに行こうとしたら、鍵がかかっていて、北京駅到着準備中だから利用不可と冷たく言われたことがあった。下車後に構内でもトイレが見当たらず、駅近くの店に駆け込んだことがあったよ」
友人:「高山病の影響か我慢ができない・・・」
高山病の影響の一つである、頻尿・頻便が始まっていました。
友人は、車掌との交渉に再度向かいましたが、間もなく、苦悶の表情で戻ってきました。
友人:「子供なら良いけど、大人は駄目、と言われた。見張っていてもらって結構だから行かせて、と言ったけど、冷たく断られた。ゴルムド駅の何番線に到着するかで、トイレが近いか遠いかは分からないけど、停車時間も短いし、到着ホームによっては間に合わないかもね、と冷たくあしらわれた」
大変そうでした。幸いゴルムド駅には予定時間に到着しました。車両ドアが開くと同時に、友人は駆け出して行きました。筆者と別の友人は、食堂車へと急ぎました。1テーブル4人席に座りながら、チベット鉄道車内にある食堂車での初めての食事を楽しみました。筆者は中国の他の地域でも寝台車の食堂を利用してきましたが、中には口に全く合わないこともありました。しかしながら、チベット鉄道の食堂車の食事は、チベット料理でも何でもない漢族料理ではありましたが、小皿料理が8種類、ゆで卵、スープ、饅頭という組み合わせの美味しい料理でした。
友人:「日本からの旅行者の口に合うかどうかは分からないけど、結構おいしいね」
一通り、食事をした後、牽引車(機関車)の写真撮影をしに外へ出ました。標高4,100mの雲南省シャングリラでも高山病にならなかった友人は、標高2,829mという高地にいることも気にせず、カメラを構えながら走って行きました。筆者は、シャングリラで高山病になり苦しんだ経験があったことから、自重し走ることはしませんでした。しばらくすると、他の乗客は次々と車内に戻り始めましたが、友人はその状況には全く気付かず、さらに遠くへ走って行ってしまいました。
車掌:「あなたたち!出発よ!早く戻って来なさい」
筆者は目の前の車両に飛び乗りました。全速で戻ってきた友人も近くの車両に飛び乗りました。筆者と友人が飛び乗ったのは硬座の車両でした。我々が飛び乗ると同時に、ドアは閉まりました。危うく捨て置かれるところでした。
2.チベット鉄道の硬座のチベット人
硬座の車両を通り、軟臥の車両へと向かいました。筆者が利用していた軟臥にいる乗客は、筆者たち以外は皆、漢族のようでした。それに対して、硬座には多くのチベット族の乗客がいました。硬座はベッドではなく、通常の硬い座席です。高地を長時間かけて走るチベット鉄道の硬座に座りながらラサを目指すのは、過酷な旅です。日差しの強いチベットで日焼けした顔が並んでいました。値段の高い座席である軟臥と値段の安い硬座には、乗客にも違いが見られました。
硬座の車両にいる乗客は、食堂車を利用しませんし、できません。車内販売の弁当を購入して食べている人も少数です。多くの人は、値段の安いカップラーメンを食べています。お湯は無料でもらえます。床は、ヒマワリの種などが散乱しており、通路や車両間では人が辺りかまわずに寝ています。
硬座の車両と軟臥の車両の間は鍵が掛かっていましたので、車掌が来て開けてくれるのを待つしかありませんでした。車掌に鍵を開けてもらい、座席に戻ろうとしたとき、軟臥の(乗車後、チケットと交換で渡される)座席カードの確認を求められました。軟臥の座席カードを持っていない人は、たとえトイレの利用であっても、軟臥の車両に入ることは拒否されていました。
以 上
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