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ログイン2014年3月7日
ポタラ宮の参観では、時間指定や厳格な時間制限の他に、厳しい所持品制限が行われていました。チベットの他の仏教寺院、ノルブリンカ、セラ寺、ジョカン、ガンデン・ゴンパなどでも、ライターを中心とした火気検査は行われていましたが、ポタラ宮での管理体制はそれ以上に厳重なものでした。ポタラ宮以外では、(空港などにあるのと同様な)安全検査器を通しさえすれば、リュックごと持ち込めたのにもかかわらず、ポタラ宮では、携帯できる品が、財布、携帯電話、パスポート等の貴重品のみに制限されました。
1.外国人に対する厳しい監視
高山病のためがんがんする頭で、息切れをしながら、ポタラ宮の300段の階段を上りました。中国人にとって最大の聖山である泰山を下から6時間かけて登ったときよりも、ポタラ宮での300段の階段の方が体にこたえました。ようやくの思いで、ポタラ宮に入ると、先代のダライ・ラマの写真はあったものの、当代のダライ・ラマ14世の写真はやはり飾られていませんでした。語ることさえためられるどころか、許されていない状況でした。
チベットではどの寺院に行っても、どの部屋でも、監視カメラと録音機が作動していました。このことは、チベットに行く前、漢族の知人からも話を聞いていましたが、実際に作動する機械を見て、納得しました。
知人:「チベットではあまり中国語は話さない方が良いよ。特に、当代であるダライ・ラマ14世の話はしない方が良い。チベットでは、すべての場所で録画・録音されていると思った方が良い。何か変なことをしたり、言ったりすると、すぐに警察が飛んで来るよ。インターネット、電話もすべて監視、盗聴されているから」
日本への国際電話は監視どころか、つながりさえしないようになっていました。もし日本に電話連絡したい場合には、チベットに対する監視区域外の場所(たとえば、北京・上海・広州)にいる人に伝言を頼むしかない状況でした(当時の状況)。
2.別世界のポタラ宮とチベット仏教寺院の床
筆者は、今まで各地でチベット仏教寺院に参観し、チベット族と話をしてきました。雲南省シャングリラ、青海省西寧、河北省承徳、内モンゴル呼和浩特などです。チベット族以外にも、モンゴル族、満州族、土族などの民族には、チベット仏教信者が多くいました。首都北京にも雍和宮というチベット仏教寺院があり、何度も足を運びました。チベット仏教信者である満州族の友人と訪問した際には、友人は非常に熱心に祈りを捧げ、さらに熱心な信者だった亡き祖母の思い出話をしていたことを覚えています。
筆者は、シャングリラの旅を終え、次にどこに行くかを検討した際、チベットは後回しと考えました。シャングリラもチベット族やリス族というチベット仏教の地域であり、標高も同様のラサは、環境も大差ないだろうと考えたからです。しかし、実際にチベットに行ってみて、全く違うことに気付きました。チベット仏教に対する真摯さも違いました。チベット仏教寺院も違いました。ポタラ宮などはとても地上の建物には思えませんでした。
チベット人ガイド:「チベット仏教では、宇宙のことは何でも分かる。ポタラは天空の建物だ」
ポタラ宮でも、他のチベット仏教寺院でも、床はつるつると光っていました。
チベット人ガイド:「この床は何か分かるか?」
筆者:「う~ん?石かな?」
友人:「大理石かな?」
チベット人ガイド:「土だ。ずっと昔に作ったとき、土を固めるのに水は一切使わず、自分の唾を使い、何度も何度も叩いて作ったものだ。今のやり方で水を使って一気に作ると、必ず割れる。でも、何年も何年もかかって、唾を付けながら叩き固めた床はこんなにきれいなのに強い。割れない」
辛抱強い、気の長い話でした。熱烈なチベット仏教信者であるチベット人の話を聞いていると、漢族のことをとやかくいうわけではないにしても、あまりに考え方に違いがあることを痛感するのでした。
以 上
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