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ログイン2014年5月9日
前日の夜、重慶から出稼ぎに来た漢族の医者から高山病の処置を受けた筆者は、すっかり元気を取り戻し、朝を迎えました。朝食をとるため、ホテル内にあるレストランへ行くと、同じく高山病の処置を受けた友人がビュッフェの朝食を物色中でした。筆者よりも重度の高山病にかかり、全身真っ青になっていた友人も元気をとり戻りしたようでした。この日は、海抜3,800m超のガンデン・ゴンパ(甘丹寺)とチベット人の民家を訪問することになっていました。
1.写真撮影禁止の寺内と仏像
ラサから約2時間の時間かけ、ガンデン・ゴンパに到着しました。右に左にくるくる回りながら、ランドクルーザーは山道を登って行きました。道沿い近くの小高い山は、1900年代初頭イギリスがヒマラヤを越えて、インドからチベットへと侵略をしかけてきたときに激しい戦いが行われた場所、ということでした。
チベット人ガイド:「このランドクルーザーは、日本から輸入した本物だから、偽物とはわけが違う。最高だ!」
体調が回復した我々も、快調に道を進みました。
ガンデン・ゴンパに到着すると、お香として燃やすための木を売りに多くのチベット人が近づいてきました。目の前には、壮観なガンデン・ゴンパの景色、眼下にはチベットの大地が広がっていました。
駐車場からガンデン・ゴンパまで歩いて行きました。
チベット人ガイド:「ここまでは写真を撮っても良いけど、ここから先は駄目だからね」
チベットだけでなく、青海省でも、チベット仏教寺院では、写真撮影が外部からしか許されていませんでした。プロが許可を得て撮影するものとは違い、我々一般人がインターネットにチベット仏教寺院内の仏像などをアップする=規則違反ということを意味していました。中に入ると、漢族の観光客と思われる人々が、チベット人僧侶を無視しながら写真撮影をしていました。彼らのガイドは漢族でした。
チベット人ガイド:「広東語だね。彼らのガイドも注意すべきだけれどね」
彼らグループの一人の男性が、ガンデン・ゴンパ内に置かれていた僧侶が被る帽子を勝手に手に取り被っていました。横にいて、我々のチベット人ガイドの表情が険しくなるのが分かりました。
チベット人ガイド:「ああいうことをするのは、ものすごく失礼なこと。神聖なものに対する敬意がない。悲しい」
その横では、広東人女性が写真撮影に熱中していました。チベット仏教に対する侮辱のように感じたので、さすがに注意しました。
筆者・友人:「(中国語で)ここは写真撮影禁止の場所だよ!」
チベット人ガイドが写真撮影のことで説明をしてくれました。
チベット人ガイド:「チベット仏教で、仏像の写真を撮ることは許されない。ところどころに「写真撮影をしたら20人民元」などと書いてあるでしょ?あれはお金を払えば写真撮影をしてもよい、ということではない。チベット人は写真撮影をしないでくださいとは言えないから、しょうがなく書いているに過ぎない。チベット仏教寺院からすれば、お金を取るつもりなのではなく、写真は撮らないでください、という意味だよ」
2.チベット人の小学校進学率
ガンデン・ゴンパ周辺の山に登り、眼下のガンデン・ゴンパを写真撮影した筆者たちは、その後下山し、チベット人の民家へと向かいました。民家の中で昼食を取ることになっていたのです。外国人が行ける民家は、「民家」とは言っても、真にチベットの市井の人の「民家」ではないだろうと考えていました。
到着すると果たして、チベット人の中では富裕層の人たちが住む民家だということが一目で分かる建物でした。そもそも、実際に居住しているのかどうかさえ定かではない、生活臭の無い「民家」でした。民家の入口では、小学生のチベット人の男の子が我々を迎えてくれました。
筆者:「今日は、小学校は休みかな?そう言えば、チベット人も、学校で中国語を勉強するの?普段はみんな、チベット語で話すのでしょ?」
チベット人ガイド:「今日はこの子は小学校が休みだからお手伝いだね。私は中学校から中国語を勉強したけれど、今の子は、小学校から勉強しているよ。でも、全員が小学校に行っているわけではない」
筆者:「どれくらいの比率の子供たちが、小学校に行っているの?」
チベット人ガイド:「40%ぐらいかな。あとの60%はチベット流の勉強を家庭でしているよ」
奥さんが小学校の教師だという、我々のガイドは、子供の教育問題にも興味を持っているようで、チベットの子供の行く末が心配な様子でした。話を聞いていて、チベット人のオリジナリティについて想起せずにはいられないのでした。
以 上
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