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【コラム】中国現場体験記(87) 日本人と付き合いのなかった中国人の日本人観

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

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2015年4月24日

(前稿はこちら

2.「母ちゃん!俺、“小日本”とタクシーに乗っている!」

友人が呉さんに聞きました。「どうする?」
呉さんは言いました。「宿に泊まるしかないな」

このとき、空港から駅に到着するまでの間に、タクシーの運転手に「北京までタクシーで行ったらどれくらいかかる?」と聞いたところ、「空港からだと1,000人民元(日本円で16,000円相当)、駅からだと1,500元(日本円で24,000円相当)が相場かな」と言われた事を思い出しました。

友人:「もしタクシーに乗って北京まで帰るなら、呉さんはいくらまでなら出せる?」
呉さん:「500元だったら考える」
友人:「分かった!呉さんは500元で良いからタクシーで帰ろう!残りは私が出す。その代わり、北京まで行ってくれるタクシーを探し出して、値段交渉してよ!俺、日本人だから足元見られても嫌だし」
呉さん「それでいいの?没問題!じゃあタクシーを探そう!」

二人が少し歩くと古ぼけたタクシーが止まっていました。早速、呉さんが値段交渉に入りました。

運転手の最初の提案は2,000人民元(日本円で32,000円相当)。しかし、呉さんは譲りません。「1000人民元!」の1点張りでごり押しした結果、北京市の六里橋という郊外(三環路の西南で、友人の家までさらにタクシーで1時間程度)までという条件で、運転手は1,000人民元という呉さんの提案を受け入れました。

ここから友人と呉さんとの北京市への3時間に渡る珍道中が始まりました。乗車した時には、すでに夜の10時近くになっていました。

呉さんは、中国のソフトエンジニア会社に勤務。ちょうどその日が誕生日で、せっかく家族が誕生日会を開いてくれるのに帰れなくなって困っているところでした。呉さんは、お母さんがつくった麺を食べることをものすごく楽しみにしていたため、何とか家に帰れるめどが立ったことを本当に喜んでいました。

呉さんはまず、奥さんに報告の電話を入れました。
「おお!今日帰れることになったよ!聞いてくれよ!今、隣に“小日本”が座っているんだぜ!面白いだろう!石家庄空港で“小日本”と知り合って一緒に駅まで行ったのだけど、列車のチケットが買えなかったんだ。この“小日本”とAA制(割り勘)で、タクシーで帰ることになったから。えっ?ああ!この“小日本”は、中国語は問題ないし、性格も問題ない。3時間ぐらいしたら着くと思うから心配するな!ハ、ハ、ハ!」

続く

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