こんにちわ、ゲストさん

ログイン

中国人の個人情報感覚と名刺とWeChat(微信)

中国ビジネスレポート コラム
奥北 秀嗣

奥北 秀嗣

無料

2020年10月6日

中国人の個人情報感覚は日本人とは異なります。以前から中国人はビジネスの場でも名刺を重視しませんでしたが、それとは異なる意味で、最近の中国人もビジネスにおいても名刺交換を重視しません。WeChat(微信、中国におけるLINEのようなもの)のQRコードをスキャンして友達になれば良いと考えるのが主流となっています。初対面でもWeChat交換をします。

今回は、中国人の個人情報感覚と名刺とWeChatに関する筆者の中国駐在や中国国内出張時の体験談を紹介します。

1.ビジネスの初対面でも名刺ではなく、WeChat交換

ある時、筆者は、経済開発区政府書記や幹部たちと経済開発区政府企業との座談会に招かれ企業側として発表をしました。その後、会食(政府役人との会食は政府の建物内で食堂のコックが調理し、飲料もスーパーで買える安価なものばかりという気の使いようが昨今の状況。誰が見ても贅沢ではない普通の会食内容)の際、筆者は初めて出会う中国企業や外資企業(アメリカ企業、スイス企業、韓国企業、香港企業、台湾企業等)の総経理等との挨拶のために名刺を差し出しました。

在中国のアメリカ企業の工場長:「いやー、名刺は持って来なくて。最近はWeChat交換が通常だから」

それから周囲の総経理等とのWeChat交換となりました。またこれが昨今の中国人相手のビジネススタイルでもあります。筆者の勤務する中国人営業部員も客先ですぐにWeChat交換を行い、その後はWeChat連絡をしあっています。筆者が2013年に湖北省武漢市に駐在していた時にはQQ交換が通常でしたが、それとWeChat交換は同じような発想だと言えます。

日本人の感覚には初対面の人に個人的なWeChatアドレス(LINEアドレス)を教えることは個人情報の観点なのか抵抗感があり得ますが、中国人にはそういった抵抗感は一般的にはないように見受けられます。

2.居酒屋で隣り合わせただけでもWeChat交換

最近、筆者が安徽省合肥市に出張した時の話です。客先訪問後、筆者以外は客先も筆者の会社従業員も全員が中国人にもかかわらず、筆者が日本人であるためか、日本居酒屋での会食となりました。客先の中国人の方は二人とも日本語も出来たため、日本語と中国語のちゃんぽんでの会話となっていました。そうすると、突然全員に頼んでもいなかった焼酎が1杯ずつ運び込まれて来ました。

店の従業員:「隣のお客様からの差し入れです」

突然隣の部屋から声がかかり、襖が開きました。

たまたま隣合わせた中国人客(誰の知り合いでもない):「隣から日本語が聞こえてきたので、うれしくなって。新型コロナウイルス発生前に日本旅行に行ったことがあったので」

すぐに全員での会話が始まりました。また、初対面にもかかわらず当然のようにWeChtat交換が始まりました。筆者の会社の営業の女性も参加していたのですが、女性含め何も気にする様子もなくWeChat交換となりました。全く知らない人、たまたま居酒屋で横の席になっただけの人相手にでもこういう状況です。湖北省武漢市の企業に勤務していた時にも同様のことがありました。

たまたま隣り合わせた中国人客:「日本人を初めて見た。日本人の知り合いがいないからQQ交換しよう」

個人情報感覚や警戒心のポイントが日本人と中国人とでは異なるようです。慎重になるポイントとフットワーク感が日本人と中国人とは違うと感じる一例です。

以 上

ユーザー登録がお済みの方

Username or E-mail:
パスワード:
パスワードを忘れた方はコチラ

ユーザー登録がお済みでない方

有料記事閲覧および中国重要規定データベースのご利用は、ユーザー登録後にお手続きいただけます。
詳細は下の「ユーザー登録のご案内」をクリックして下さい。

ユーザー登録のご案内

最近のレポート

ページトップへ