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組織老化の錆を落とす…錆の落とし方 続④

中国ビジネスレポート 組織・経営
小島 庄司

小島 庄司

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2020年12月15日

本文では「錆の落とし方」を中心に書いていますが、根本の趣旨は「錆を落とせるなら落として活力を取り戻す。難しければ/保持する価値を失ったら、健全な撤退を図る」です。

新型コロナの世界的流行を経て、中国の拠点を維持するべきか、同じ規模で運営するべきか、前提の変わってきた企業も存在するはず。経営の外部環境・前提条件が大きく変わった状況下では、経営体力の温存や経営資源の選択と集中の観点から、「見切り千両、損切り万両」の観点もあって然るべきだと思います。

本題は、「組織老化の錆」。もう、会社を潰してゼロからやり直した方がいい、という深刻な段階から軽い段階へとさかのぼってきて、「②錆びているが落とせば大丈夫」の課題を共有したところでした。

なぜ④から逆に見てきたかといえば、通常、本当に対応を余儀なくされるのは④の段階。リーダーが決断してリスクを取って戦うことができれば③で対処。残念ながら、②や①で何かのアクションが取られることは、非常に稀。そこで、④や③での対応の大変さを先に感じていただき、できれば②までで手を打ってくださいね、という狙いからです。

アジア現法の共通四課題(人と組織)
□経営の一貫性の谷:短任期で継承できず
□誤った現地化の闇:ブラックボックス化
□組織老化の錆:守旧化し挑戦や活力を喪失
□意思疎通の壁:相互理解を妨げる三要因

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●組織老化の進行度合い
①まだほとんど錆がない
②錆びているが落とせば大丈夫
③一部腐食が進行している
④全面的に腐食が進行している
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段階②の難しさは、前回書いた通り、「組織に実際生じている悪影響と、日常業務の維持を天秤にかけた場合、取りあえず日常業務を優先したいという誘惑に駆られてしまう。だから対策が取られない」点にあります。

それを乗り越えて対策を打つ場合、ポイントは二点。「やっても、やらなくても一緒、からの脱却」と、「人ではなく行為に焦点を当てる」ことです。

■ルール遵守はマナーではなく合理性の問題

解雇を検討するほど深刻ではないけれど、規律やルールがなかなか遵守できない状態(=進行度②)にある組織、実はかなり多いと思います。「気になっているし、改善を求めているんだけれど、なかなか撲滅できなくてねぇ……」という声は、よく聞きます。「タバコのポイ捨てを根絶しようと教育指導してもう10年になるが、無くならない。これは土地柄の違いで、しょうがないんじゃないかと思い始めた」なんて諦めムードも漂います。

意識さえすれば簡単なはずのことが、なぜ10年も徹底できないのか。その原因は「やっても、やらなくても一緒」です。

日本人から見ると、何度言っても基本的なルールを遵守しないのは、マナーや公衆道徳の問題だと映るかもしれませんが、中国では(中国だけじゃなくてアジアの多くの国でも)、合理性の問題と考えた方が、対策が取りやすいと思います。

合理性の問題とは、ルールを守ることの面倒くささと、ルールを破った場合の損失(痛み)を天秤にかけて、面倒くささの方が強ければ、守らない。ルールを破った場合の損失の方が大きければ、守るということです。ルールを守った場合に得られる利益と、面倒くささの天秤の場合もあります。ある意味、とても分かりやすいと思いませんか。

日本人の常識ではなく、彼らの行動原理に沿って考えれば、解決策は難しくありません。彼らが「ルールを守った方が得だ」と思うような施策を徹底するだけです。例えば、ちょこちょこ遅刻(10分程度までのちょっとした遅刻が常態化、オフィス勤務の会社に多い)を撲滅したい場合。私が管理責任者であれば、以下のような手を打ちます。

(1)まず遅刻撲滅を社内で宣言
(2)始業時間に朝礼を始める(不在者は遅刻としてカウント)
(3)遅刻時間分は給与不支給。また、評価・賞与・昇格・役職任免に反映
(4)部下の遅刻情況を月次で上司と共有。上司の評価・賞与などにも反映。

一方、遅刻皆無の社員たちは、評価や賞与で加点要素とします。なお、遅刻や代理打刻の問題は、定時に朝礼や点呼をきっちり行うだけでも劇的に改善することが多いです。

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