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組織老化の錆を落とす…錆の落とし方 続⑥

中国ビジネスレポート コラム
小島 庄司

小島 庄司

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2021年2月18日

中国で私が「共通四課題」と言いはじめた2010年前後、組織老化の錆は企業内部の課題でした。錆を落として活力を取り戻せば、また成長・発展できることを前提としていました。

しかし現在、事業環境は大きく変わり、業界や人材市場は中国の優れた企業がリードするようになりました。錆を落として本来の力を取り戻しても、過去の競争力を取り戻すことはできないような時代に入っています。

逆に言えば、活力あるチームをつくり、本気で挑んではじめて生存・発展を許される時代。組織老化で腐食しているような状態では、持続的発展など話にもなりません。老化が進行している自覚のある企業・経営者の皆さんは、「これから検討します」などと悠長なことを言わず、社外に出て風圧を感じ、今期の施策として錆落としに着手しましょう。

今回は、組織老化の錆の落とし方、進行度合い①の場合です。

アジア現法の共通四課題(人と組織)
□経営の一貫性の谷:短任期で継承できず
□誤った現地化の闇:ブラックボックス化
□組織老化の錆:守旧化し挑戦や活力を喪失
□意思疎通の壁:相互理解を妨げる三要因

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●組織老化の進行度合い
①まだほとんど錆がない
②錆びているが落とせば大丈夫
③一部腐食が進行している
④全面的に腐食が進行している
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前回まで、組織老化の進行度合い④から②に応じた錆の落とし方を見てきました。ちょっと復習しておきましょう。

進行度④は、錆を落とすより全部取り替える(法人を清算して新たに設立しなおしたり、移転によって組織をリセットしたりする)方が早くて確実な段階。組織の上から下まで不正や私利優先や怠惰が蔓延し、心ある社員は会社を離れ、赤字を垂れ流しているような状態。どうしても現法人を存続させるのであれば、潰すよりも大変な覚悟で戦わないと再生できません。

進行度③は、腐食がひどい一部を切除したり取り替えたりしなければならない段階。一部の社員が看過できない不正や規律破壊を行っており、組織全体に深刻な負の影響を与えている状態。「一罰百戒」を行わないと改革が進まないため、看過できない問題社員には辞めてもらい、残りの社員には規律の再徹底を行うことになります。

進行度②は、まだ磨き直せば元に戻せる段階。解雇するほどの大きな問題はないものの、規律違反や指示不徹底が散在している状態。相手が根負けし、ルール遵守が新たな習慣として定着するまで規律徹底の活動を続ける必要があります。

■①に戻せたら一安心せずメンテナンスを

進行度合い④~②の問題を解決すると、①「まだほとんど錆がない」に戻ります。組織老化の課題を解決する上では、①の状態を維持し続けるのが最も賢明であり、経営上の費用対効果も最も高いです。

これまでにも書いた通り、残念ながら錆が深刻化して経営に影響を与えない限り、解決策が取られないのが実態ですが、一度、②~④を経験して①に戻した会社であれば、①の段階を維持することの重要性は理解できると思います。

①の段階でポイントとなるのは、こまめに磨いたり、防腐剤を塗布したりすることです。こまめに磨くとは、懲戒処分しなくても済む段階で、各自に注意喚起を行うことです。朝礼で注意する、管理者ミーティングで提起する、個別に呼んで面談する、評価面談時に要改善項目として(模範となる人には、評価項目として)フィードバックする……などの方法を通じて、経営者がルール遵守やチーム優先の姿勢を重視していることを示します。

ここで重要なのは、立場や社歴が上の人、成果や能力が高い人ほど、早い段階から厳しめに指導して、模範として振る舞うように求めることです。意識してこれを行わないと、通常は逆の状態に陥ります。ベテランほど自分に甘い、結果を出している人には規律面の要求が緩くなる(本人が反発する、反発されても強く指導できない)、管理者が部下をアゴで使って自分は手を抜く……など。「エリートは批判に鈍感」、「上司は部下を理解するのに三年かかるが、部下は上司を三日で理解する」などと言いますが、本人たちの自律に任せるのは危険です。まさしく「鉄は熱いうちに打て」。優秀な人ほど自分に厳しい企業風土をつくりあげられるかどうかは、非常に重要です。

「そんなことを強く言って、相手が反発したり、言うことを聞かなかったりしたらどうするのか」。この心配への答えは二つあります。一つは、「考え方や態度で模範となれない管理者やエースは、業務に影響が出ようと辞めてもらうべき」。二つ目は、「早い段階から指導・育成していたら、そんなことにはならない」

続きは、次回、組織老化の錆の総括編として。

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