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ログイン2021年6月15日
2020年12月、筆者はほぼライフワークとなっている中国の世界遺産巡りを兼ねて、江蘇省塩城市にある渤海湾沿岸の渡り鳥保護区を訪問しました(中国大陸の全省・自治区・直轄市は訪問済み。中国四大石窟、四大仏教名山、四大道教名山も訪問済み)。
江蘇省で長江の北の地域を指す江北にある塩城市で見た丹頂鶴の飛行と同地で見た上海ガニ販売所と養殖場について紹介します。
1. 江北に対する長三角地区出身の中国人の感情
筆者は浙江省に居住していますが、筆者が週末に江北に行きたいと言った際、周囲の中国人の多くに微妙な反応がありました。特に長三角地区と言われる江蘇省・浙江省等の従業員にその傾向が強くありました。曰く、江蘇省は長江の北である江北と南である江南ではっきり分かれており、山東省に近い江北の人は性格も荒く、貧乏な地区であり、行かない方が良いのではないかという反応でした。
じっくり聞くと、同じく江北に所在するはずの揚州などは良い場所だと言う人が多かったため、山東省近くの地域に対する毛嫌い感が強くあるのだと理解しました。筆者は浙江人である運転手の車に乗り、一路、江蘇省塩城市を目指しました。
運転手:「江北は怖い人が多いから苦手だ。経済的に恵まれていないから、他の地域では許されないような環境に悪い物質を扱う企業も多くある」
塩城市に到着早々、昼食の場所を探すことにしました。大衆店評というアプリで見ていると近くに一軒の中華料理屋がありました。運転手と一緒に店の中に入りました。中が見える冷蔵庫や外の食材が置いてあり、それを調理する店でした。変な色の水に変な物質が浮かんでいました。
運転手:「清潔ではない・・・。近くの蘭州ラーメン(甘粛省蘭州産であるも、中国では各地にあり、安くておいしいイメージ)の方が良いのでは・・・」
即座に同意しました。
運転手:「この店は河南省から出てきた回族の人が開いている店みたいだけど、こちらの方は清潔だし、おいしいし良かったよね。回族の人は良い人が多いね!」
確かにいつも安心の味でした。ただ、全てのテーブルには生ニンニクがおいてあり、それをかじっているスタイルが通常の蘭州ラーメンの店ではなく、山東省に近い江北を感じさせるものでした。
2. 渡り鳥保護区で見た丹頂鶴
世界遺産である渡り鳥保護区に到着しました。55か所ある中国の世界遺産の内、筆者にとって52か所目の中国の世界遺産でした(その後、2021年5月17日現在、54個所まで訪問済み。2021年6月の端午節には最後の世界遺産を訪問予定)。
中国各地に渡って来た丹頂鶴の紹介がまずは入り口の博物館でありました。中にはチベットまで飛行した丹頂鶴もいたようでした。博物館を出て保護区に入りました。広大な土地でレンタサイクルを借り、自転車をこいで周囲を飛んだり、羽を休めている野鳥を眺めました。
同行した友人:「日本ではこんな場所を自転車でこいで回れないかも」
丹頂鶴が保護されている場所に行きました。動物園のような柵の中には、各種各様の鶴が保護されていました。丹頂鶴もいました。さすがに野生の丹頂鶴が飛んできたのは見れないのかと思いました。
ショーが始まる時間になりました。柵の中から大量の丹頂鶴が出て来ました。丹頂鶴が歩いているのを見るだけかと思いました。すると飼育員が合図をしました。丹頂鶴が一斉に空に飛び立ちました。唖然としながら見ていると、向こうの空に飛んで行った丹頂鶴群がこちらの方向に戻ってきました。我々の頭上近くを飛び越えて後ろに飛んでいきました。また戻ってきました。中国人観光客はやんやの歓声、我々もすごいすごいと言いながらびっくりしていました。その後、こちらに再度戻って来た丹頂鶴はやはり我々の頭上近くを飛び越し、元居た場所に皆で降り立ちました。
筆者達:「中国恐るべし。丹頂鶴まで飼いならし、こんな芸をさせるとは・・・」
3. 上海ガニの出身地
丹頂鶴鑑賞に満足し、翌日地元に戻る車から外を見ていると大量の養殖池がありました。
筆者:「何を養殖しているのだろう?」
運転手:「上海ガニだよ」
そういえば、外には上海ガニの販売所が大量に連なっていました。
運転手:「ここで養殖した上海ガニを江蘇省の上海ガニの産地として有名な陽澄湖に1回漬けたら、あらびっくり陽澄湖産の上海ガニとなって店売りで5倍以上の価値に化ける。レストランに行けば、10倍以上になる。我々レベルが食べる上海ガニは99%、塩城市出身。本当の陽澄湖産などほとんどなく、高級レストランの一部でもなければ食べられない」
日本でもどこかで聞いたことがあるような話でした。
筆者:「それならここら辺りには上海ガニ御殿がいっぱいあっても良さそうなものだが」
運転手:「江蘇省蘇州市や上海市のバイヤーのいいように買い叩かれているのでは?ここの養殖池や販売権などを抑えられているのだろう」
友人:「だから貧困を抜け出せず、性格も荒んだりするからまた周囲から嫌われるという悪循環なのかな?」
中国の凄さと裏側の一端を伺った旅の一コマでした。
以上
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