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ログイン2007年6月29日
最近発表された、法律情報・実務情報・新規情報のほかに、天津関連の情報もお伝えします。
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法律情報
1.「労働契約法」(第3稿)審議中
2.「外商投資産業指導目録」改訂予定
3.「外資企業出資管理規定」制定中
4.「企業の実習生へ支払う報酬の税金控除管理弁法」頒布
5. 「外国為替管理条例」改訂中
6.「浦東新区総合業務改革試験の促進・保障に関する決定」採択
7.商務部・「投資誘致過程において国家土地利用政策の厳格実行に関する通知」頒布
8.商務部・「加工貿易の管理強化に関する問題についての通知」を頒布
実務情報
1.中国政府・国家レベルの開発区の外資企業の経営状況を調査
2.国家税務総局・新企業所得税法の頒布に伴い、年内に一部の税務規定を整理
3.上海・外資による土地の購入制限が緩和
4.企業所得税の属地税金先払い政策を頒布予定
5.上海・社会保険納付状況を調査
6.上海・新たな労働紛争仲裁管轄規定を実施
天津の情報
国家外貨管理局天津市支局・「外貨年度検査に二年連続不参加の企業に関する通知」
新規情報
1. 「パートナーシップ企業登記管理弁法」(国務院2007/5/9頒布、2007/6/1実施)
2. 「商業特別許可の経営情報披露/備考管理弁法」(商務部2007/4/30頒布、2007/5/1実施)
3. 「個人住宅公共積立金の貯蓄・貸付利率を調整することに関する通知」(建設部2007/5/18頒布、2007/5/19実施)
4. 「洗濯・染色業の管理弁法」(商務部等2007/5/11頒布、2007/7/1実施)
法律情報
1.「労働契約法」(第3稿)審議中
F第3稿は、第2稿に比べて以下の通り主に8ヵ所の改定がある。
概 要 | 会社に対する規制 | 備考 | |
1 | 労働契約関係は雇用を開始した日から成立 | 緩和 | 実質上雇用しながら、労働契約を結ばない内資企業の規制を目的。ブルーカラー層の労働者の保護を図る。 |
2 | 契約期限の3ヶ月以下或いは一定の仕事を完成することを目標としての契約書は試用期間がない。 | 強化 | 雇用期限の短い従業員の権利を保護、労働関係の安定性を図る。 |
3 | 試用期間の給料は当地の最低給料標準以下は不可。 | 強化 | 社会の安定性に着眼し、ブルーカラー層の保護を強化。 |
4 | 社員のために育成訓練費用を提供することにより、服務期間(労働者による一方的な解約ができない期間)を約束させることができる。 | 緩和 | 企業が安心して従業員を教育訓練させる。労働者全体の技能の向上を図る。
研修協議のとき、育成訓練費等の費用条項を明記し、且つ証拠として財務諸表を保管するが必要。 |
5 | 生産品目の(重大)変更、技術革新、経営方式の調整でも人員削減することができる。 | 緩和 | 整理解雇の要件を緩和することにより、企業の負担の軽減を図る。 |
6 | 高所得者に対する経済補助金の上限を限定する。 | 緩和 | 低所得者の生計が経済補償金に頼っていることに対して、高所得者が経済補償金への依頼度が高くない実情から、企業の負担を軽減。 |
7 | 労働組合の集団労働契約(労働協約)制定過程における地位を強化。業種別、地域別の集団契約の締結を推奨。女子従業員の権益保護などを目的とする特定集団契約を推奨。 | 強化 | 高まる労働者及び労働組合からの権利強化の要求にこたえる。
今後労働組合の役割がますます重要化。 なお、集団契約に関する専門規定が制定中とのこと。 |
8 | 派遣労働者が契約更新する場合、派遣先と直接労働契約を締結しなければならない条項を削除。 | 緩和 | 派遣会社に対する規制が緩和される。 |
【コメント】
「労働契約法」の今後の施行を視野に入れ、労働契約、就業規則その他諸規定の見直しも必要となると思われます。また、大きな改正が行われるだけに、安易にこれまで蓄積してきた労務人事の経験をそのまま適用することに気をつける必要があります。
2.「外商投資産業指導目録」改訂予定
F幾つかの業界を統一分類し、条目が減少する可能性あり。
F奨励項目中のエネルギー消費量が多く、環境に影響のある項目は整理される見込み。
【コメント】
u今回の調整は、国務院により行われている国民経済の業種分類の見直し、環境保護問題に対する中国政府並びに一般国民の高まる関心を背景にあります。環境に影響がある外資企業は、許認可並びに運営におけるリスク、コストが高騰する一方、環境産業にとって好機であろう。
u第三次産業(サービス業)の進出許可に対する影響はさほどないと思われる。
3.「外資企業出資管理規定」制定中
F国家工商総局は新「会社法」の規定により、外資企業の出資期限、増資の際の規定等の統一を目的。
【コメント】
u一部の外資企業における資本金払い込み延期(「出資遅延」)の状況が深刻化し、工商局が今まで大量の出資延期の申請を受けたことにより、商務部、国家工商局が対応策を打ち出した。
u当該規定は投資者による「出資遅延」行為を処罰するため、行政処罰の相関内容を増加する可能性がある。
⇒ 当所の経験では、出資延期を申請する場合、管轄行政は、今まで合理的な理由があれば、認可しているのだが、今後外資企業新設又は増資する場合、十分に実行可能性を検証した上、認可されるとおりに資本金を払い込むことに要注意。
4.「企業の実習生へ支払う報酬の税金控除管理弁法」頒布
F実習協議の期限を規定。
F貨幣性報酬を銀行振替とする。
【コメント】
u企業が実習生を採用するよう奨励し、就業率を高めるための政府の奨励政策である。
uただ、一般的な財務原則に基づき、一定の金額の育成訓練費は控除できるが、当該規定でこれを明確していないため、各管轄税務署の裁量権の範囲になる。
5.「外国為替管理条例」改訂中
F検査・管理、為替決済、外債等が中心。
【コメント】
u 為替決済のために必要とする手続及び資料に対する要求が高まる。
u 外債の規模をコントロールし、外国為替管理局に検査・管理部門を増設。
u 輸入・輸出業務に係わる銀行申告単証の内容と形式も修正される可能性あり。
6.「浦東新区総合業務改革試験の促進・保障に関する決定」採択
F上海市及び浦東新区政府に対して各種立法権を更に付与。
F幾つかの行政許可事項に対する審査手続の簡略化。
【コメント】
u 天津が浦東の投資環境に一定の圧力を与えているので、浦東の優勢を維持するため、当該決定は浦東に対して、政策優先制定権を与える。
市場経済の経験があまりないが、中央からの強い支持がある天津に対して、上海市も積極的に動いている。
7.商務部・「投資誘致過程において国家土地利用政策の厳格実行に関する通知」頒布
F外資企業に対して低価での土地譲渡を厳禁。
F外資企業に対する手当ての支払いなどの優遇措置を制限。
【コメント】
u 今後、各地の外資委は外資項目を審査するとき、土地関連(例えば、土地(使用権)購入契約書の金額等)の審査も行う。
u 各地政府はこれを踏まえ標準工場建物レンタル指導価格を制定し、外資企業が直接政府出資・建築した工場建物をレンタルするよう奨励する動きがある。
8.商務部・「加工貿易の管理強化に関する問題についての通知」を頒布
F加工企業の経営状況は、地方の外資委員会を通じて、商務部に届け出る。
F環境保護、労務人事制度の合法性(合法的に従業員を雇用しているかどうか)などが、加工貿易の資格審査の重要な考量事項となる。
F保税輸入の原材料の国内販売の際の審査許可権は、下級機関に移譲。
【コメント】
u 新設の生産型企業に対して重大な影響がある。審査条件等の特に具体的な内容まで踏み込んでいないが各地外資委及び税関は実際の審査において上述の要点を重点的に審査・確認するであろう。
実務情報
1.中国政府・国家レベルの開発区の外資企業の経営状況を調査
F「内外税統一」後、非開発区のハイテク企業も15%の低税率を享受することができるため、開発区のメリットが弱まる。
F中国政府は外資企業を開発区に誘致するため、低税率と異なる他の優待措置を検討中。
2.国家税務総局・新企業所得税法の頒布に伴い、年内に一部の税務規定を整理
F関係する国家税務総局の主な規定は、以下の通りである。
「外資企業の合併・分割・持分再編・資産譲渡等の再編業務の所得税処理の暫定規定」
「外資企業の国産設備購入時の税金還付管理試行弁法」
「輸出貨物の免税・税金還付管理弁法」
3.上海・外資による土地の購入制限が緩和
F外資が直接購入者として土地を購入できる。(国内企業名義での購入を必要としない)。
F保証金は外貨による直接支払が可能。
4.企業所得税の属地税金先払い政策を頒布予定
F分公司の所得税は、その所在地で納付することになる。
F保税区の区外分公司の所得税の納付先は、保税区なのか、所在地なのかは、まだ不明。
【コメント】
u これまでの政策では、分公司の所得は、本社の所在地の税務局にまとめて納付しているため、分公司所在地の税金収入が増えないことで、地方税務局の不満が募る。これを背景に、国家税務総局は、近々この政策を打ち出す予定である。
u (保税区における税収優遇を区外分公司でも享受できることにより)外商投資を維持又は誘致するため、区外経営性分公司の所得税は、保税区内納付の可能性は高いという見方は強い。
5.上海・社会保険納付状況を調査
F50人以上の会社が調査の重点対象となる。
F会計士事務所が調査対象に対して監査を行う。
【コメント】
u 社会保険センターは、重点対象をコンピューターでランダムに抽出する方法により検査対象を特定している。
u 一定の証拠があっての告発に対して、社会保険センターは依然として、直ちに調査に乗り出す。
6.上海・新たな労働紛争仲裁管轄規定を実施
F社会保険に関する紛争は労働仲裁での解決が可能になる。
F外国籍人員に関わる労働紛争は上海労働論争仲裁委員会の管轄にすると明確化。
天津情報
国家外貨管理局天津市支局・「外貨年度検査に二年連続不参加の企業に関する通知」
F定期的に行われる外貨年度検査に二年連続不参加である企業に対して、外貨取り扱い銀行が、外貨管理部門の許可を経ずに、外貨収支業務を取り扱ってはならない。
【コメント】
u外資企業に対する外貨年間定期検査制度を実行して以来、なお規定に基づく年間定期検査に参加していない一部の企業がある。
u国家外貨管理局は2004年に公布した『国家外貨管理局の外資企業の外貨年間定期検査業務改善関連事項に関する通知』匯発〔2004〕7号、以下は「通知」と称す)は、外資企業の外貨年間定期検査に参加しない行為に対して、以下の通り、明確に規定されている:
一. 外資企業が二年連続連合年間検査に参加しない場合は、その外貨登記証は効力を失い、証書発行外貨管理部門はその外貨登記を抹消し、その外資企業の外貨登記証を返上させることを通知する。
二.外貨管理部門は当地の一部の主要な新聞を選び、その新聞において「外貨登記抹消企業名簿」を公示することができる。
三.外貨管理部門は「外貨登記抹消企業名簿」の写しを所在地の外貨指定銀行に送付し、外貨指定銀行に外貨管理部門の許可を経ずに、外貨収支業務を取り扱いを禁止する。
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以上の内容は、当事務所の正式法律意見ではなく、参考に供するもののみである点、ご了承下さい。(2007年6月記 4,431字)
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