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ログイン2024年4月1日
はじめに
人々の健康への関心が高まるにつれ、様々な種類の栄養補助食品が登場している。これらの一見似たような製品の一部は、一般食品の性質を持つものもあれば、タンパク質含有粉藥やビタミン含有キャンディなど、保健食品の性質を持つものもある。一般食品と保健食品が直面する規制の性質は全く異なる。本稿の目的は、中国における保健食品の主な規制法規を紹介し、関連企業の経営戦略の参考とすることである。
本文
Q1:食品はどのように分類されるのか?
A1:「中華人民共和国食品安全法」によると、広義の食品には、一般食品のほか、特別食品、すなわち保健食品、特殊医学用途調整食品と乳児用調整食品が含まれる。
さらに、比較的に特別で、伝統に基づいて食品としても漢方薬としても使用されている物質(以下「食薬物質」という)がある。食薬物質とは、伝統に基づいて食品として、「中華人民共和国薬典」に収載されている物質を指し、その目録は国家衛生健康委員会が市場監督管理総局と共同で制定・公布している。食薬物質には、高麗人参、アキョウ(阿膠、ロバやウシの皮を煮て作ったにかわ)、アーモンド、蜂蜜などが含まれる。これらの食薬物質は、高麗人参[1]などの保健食品の原料となることもある。
Q2:保健食品とは何か?
A2:「食品安全国家基準――保健食品」(GB16740-2014)により、保健食品とは、特定の保健効能を有すると表示し、またはビタミンやミネラルの補給を目的とする食品である。つまり、特定の人々が摂取し、体を調整する機能を持ち、疾病の治療を目的とせず、人体にいかなる急性、亜急性または慢性的な危害を与えない食品である。
保健食品は中国において厳格な規制体制があり、関連当局での登録または届出を経て、対応する登録・届出番号を取得しなければ市場販売できない。保健食品の製品パッケージには、一般に「青い帽子(中国語:藍帽子)」と呼ばれるロゴが表示されている。
Q3:保健食品はその保健効能を随意に表示することができるのか?
A3:いいえ、栄養補充剤と非栄養補充剤類の保健食品は、効能表示の制限がある。
国家食品薬品監督管理総局、国家衛生と計画生育委員会、国家中医薬管理局の2016年第205号公告により、栄養補充剤保健食品が表示できる保健効能は、ビタミンやミネラル補充である。カルシウム、マグネシウム、カリウム、マンガン、鉄、亜鉛、セレン、銅、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン(ニコチン酸)、葉酸、ビオチン、コリン、ビタミンC、ビタミンK、パントテン酸、ビタミンE補充が含まれる。
市場監督管理総局、国家衛生健康委員会が最新に発表した国家中医薬局の2023年第38号公告により、非栄養補充剤保健食品が表示できる保健効能は計14項目で、免疫力増強、抗酸化、記憶能力改善、眼精疲労の緩和、のど清涼、睡眠改善、体の疲労緩和、酸素不足耐性増強、体脂肪のコントロール、骨密度の増強、鉄不足の貧血改善、?瘡改善、肝斑改善、皮膚の水分改善が含まれる。
上記の目録は網羅的な列挙であり、企業が登録・届出をする保健食品の効能は、原則として目録の範囲に収まるものとする。但し、目録は不定期に更新される可能性があり、また企業は、国家市場監督管理総局の2023年第37号公告「保健食品の新機能および製品技術評価実施細則(試行)」に規定された経路と方法に従って、新たな保健効能を申告することもできる。
Q4:保健食品の登録・届出の要件とは?
A4:
登録・届出要件 |
製品種類 |
国務院食品安全監督管理部門で登録を行うこと |
保健食品原料目録に掲載されている原料以外の原料を使用した保健食品 |
初回輸入の保健食品(但し、ビタミンやミネラルなどの栄養物質の補充に属さない) |
|
国務院食品安全監督管理部門で届出を行うこと |
初回輸入の保健食品のうち、ビタミンやミネラルなどの栄養物質の補充に属するもの |
省・自治区・直轄市人民政府食品安全監督管理部門で届出を行うこと |
その他の保健食品 |
このうち、輸入保健食品は、輸出国(地域)の主管部門が市場販売を承認した製品でなければならない。初回輸入の保健食品とは、同一国家、同一企業、同一調剤ではない、中国国内での市場販売を申請される保健食品のことを指す。
Q5:保健食品になるための製品登録・届出は手続き時間が長く、難易度も高いので、ほかに代替できる方法はあるのか?
A5:国産食品は、保健食品として登録・届出されない場合、一般食品の経路を通じて研究開発、生産と販売することもできる。ただし、一般食品が使用できる原料の範囲が狭く、治療や保健効能などを表示してはならない。
国外で製造される保健食品が登録・届出を経て保健食品となって、輸入通関を通じて中国市場に参入する方法のほか、越境ECなどの方法を通じて中国国内で販売することも考えられる。実際、多くの外国産保健食品ブランドがこの道を選んでいる。但し注意しなければならないのは、中国国内で保健食品として登録・届出されていない製品は、依然として保健効能を表示してはならない。
終わりに
中国における保健食品市場には巨大な潜在力を秘めているが、同時に複雑な規制上の課題にも直面している。関連法律法規をよく理解して遵守することは、企業が市場での足場を固め、成功するための礎となる。
(作者:北京市中倫(上海)法律事務所邱靖弁護士)
[1]国家市場監督管理総局、国家衛生健康委員会、国家中医薬管理局の2023年第57号公告により、「健康食品原料目録高麗人参」は2024年5月1日より施行される。
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