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ログイン2017年2月22日
2001年に中国が世界貿易機関(WTO)に加盟して以来、世界諸国との貿易関係が日増しに緊密化し、益々多くの外国人が中国での就業を選択しており、これにより、中国に在留し就労する外国人の管理問題について、中国政府及び社会各界から関心の目が注がれることになった。2016年9月、国務院行政審査許可制度改革作業指導チーム弁公室は、「外国人入国就業許可」と「外国専門家中国在留就労許可」を「外国人中国在留就労許可」に一本化する決定を行った。その後、国家外国専家局は上述の決定をさらに遂行するため、2016年9月27日に「外国人の中国在留就労許可制度試行実施方案の印刷・配布に関する通知」【外専発[2016]151号】(以下「新方案」という)を発布し、2016年10月から2017年3月までの期間において、北京、天津、河北、上海、安徽、山東、広東、四川、云南、寧夏で外国人の中国在留就労許可制度を試行し、外国専門家就業管理制度と外国人就業管理制度を一本化し、尚且つ2017年4月1日から全国範囲で新方案を本格的に実施することを決定した。本稿では、新方案について以下の通り簡潔に分析し紹介する。
一、二証一本化
新方案では、「外国人の中国在留就労制度」を統一して実施する。つまり、「外国専門家中国在留就労許可証」と「外国人就業許可証書」を「外国人就労許可通知」に、旧「外国専門家証」と「外国人就業証」を「外国人就労許可証」に一本化し、1人に1つの番号を与え、この番号は生涯変わらない。外国人の中国在留就労における管理、サービス、信用記録などの状況を動態管理し、記録する。新方案の実施は2つの段階に分かれている。
試行段階 | |
期間 | 2016年10月から2017年3月まで |
実施対象地域 | 北京、天津、河北、上海、安徽、山東、広東、四川、云南、寧夏 |
主要任務 | ●試行地域:試行を実施し、宣伝の強化と各部門との調整、問題のまとめ、付帯政策の整備を行う。試行期間において、有効期間内の旧証書は引き続き有効である。 ●非試行地域:ひとまず旧規定を実施し、本地域における「二証一本化」方案を制定し、全面的な実施のための準備をする。 |
全面的な実施段階 | |
期間 | 2017年4月1日から |
実施対象地域 | 全国 |
主要任務 | ●「二証一本化」を全面的に実施し、外国専門家中国在留就労許可と「外国専門家証」、外国人入国就業許可と「外国人就業証」は発行されずに、「外国人就労許可通知」及び「外国人就労許可証」だけが発行される。 ●有効期間内において旧証書は有効であり、外国人は任意で新証書に切り替えることができる。 |
二、分類管理
新方案では、中国に在留し就労する外国人は、満18歳以上、身体が健康であること、無犯罪記録、適法な就業先を有することなどの基本条件を具備しなければならないと規定している。このほか、「高度人材の受入れを奨励し、一般レベル人材の受入れを抑制し、低レベル人材の受入れを制限する」という原則に従い、外国人各自のスキル及び能力に応じて、中国に在留し就労する外国人を外国高度人材(A 類)、外国専門人材(B 類)、外国一般人材(C 類)3つに分類し、管理する。
外国高度人材(A類) | |
基本的な定義 | 「高度な能力やスキルを有し、不足している人材」及び市場ニーズに適合し、中国経済・社会の発展に必要な科学家、科学技術分野の先駆者となる人材、国際企業家、特別な専門人材、並びにポイント制における外国高度人材基準に適合する人員を指す。 |
主要対象者 | ●国内人材導入計画において選ばれた者。 ●専門分野で取得した実績に関する国際公認の認定基準に合致する者。 ●市場の方向性に適合する奨励類職位に求められる外国人材。 ●イノベーション・起業人材。 ●有能な青年人材。 ●ポイントを合算し85点以上を取得している人材。 |
職務経歴の要求 | 要求なし。 |
学位の要求 | 要求なし。 |
年齢制限 | 制限なし。 |
数量制限 | 制限なし。 |
審査許可の手順及び手続き | 「優先窓口」、「一部申請書類が不足しても受理する」というサービスを実施する。※1 |
外国高度人材(B類)※2 | |
基本的な定義 | 外国人中国在留就労指導目録及びポジションニーズに適合し、ポイント制における外国専門人材基準に合致する人員を指す。 |
主要対象者 | ●学士以上の学位及び2年以上の関係する職務経歴を有する外国専門人材、以下の項目の何れか1つを満たす者。 ・教育、科学研究、ニュース、出版、文化、芸術、衛生、体育などの特別な分野において科学研究、教育、管理などに従事し、就業する管理職又は専門技術者。 ・中外両政府間協定、国際組織間協定、中外経済貿易契約及び工程技術契約を実行する者。 ・国際組織の中国常駐代表機構の職員及び境外専門家組織の中国常駐機構の代表者。 ・多国籍会社が派遣する中間層以上の職員、外国企業の中国常駐代表機構の首席代表者及び代表者。 ・各種類の企業、事業組織、社会組織などで雇用される外国管理職又は専門技術者。 ●中国国内の大学で修士以上の学位を取得している有能な卒業生。 ●国(境)外のランキング上位100校以内の大学で修士以上の学位を取得している卒業生。 ●外国語教員。 ●ポイントを合算し60点以上を取得している専門人材。 |
職務経歴の要求 | 一部の者に対し、2年以上の関連職務経歴を要求する。 |
学位の要求 | 一部の者に対し、学士の学歴又は修士の取得を要求する。 |
年齢制限 | 満60歳未満でなければならない。 |
数量制限 | 市場ニーズに応じて制限する。 |
審査許可の手順及び手続き | 新方案の一般的手続き上の規定に従い審査許可を行う。 |
外国高度人材(C類) | |
基本的な定義 | 中国国内の労働力市場のニーズに満たし、国の政策規定に合致する臨時的、季節的、非技術的業務、又はサービス提供の業務に従事する人員を指す。 |
主要対象者 | ●国務院の関連行政主管部門による許可(授権)を得た上で雇用し、又は中外政府間協定に従い雇用する外国人。 ●政府間協定に基づき、中国に在留し実習、研修する外国人青年。 ●外国高度人材に随行し中国に在留し家政サービスに従事する外国人。 ●遠洋漁業など特別な分野で就労する外国人。 ●季節的業務に従事する外国人。 ●その他職位割当管理の実施対象者となる外国人。 |
職務経歴の要求 | 言及していない。 |
学位の要求 | 言及していない。 |
年齢制限 | 言及していない。 |
数量制限 | 国の関連規定に則り実施する 。※3 |
審査許可の手順及び手続き | 国はニーズに応じて、割当管理を実施する。 |
上記の中国在留就労外国人の分類紹介から、新方案ではA類高度人材に対しては、相対的に緩い管理制度を実施し、奨励政策を設ける一方で、B類専門人材及びC類一般人材に対する管理がやや厳しいことがはっきりと見て取れる。
紙面に限りがあることから、まずは以上の内容を紹介する。次回では、「三、ポイント制」、「四、申請手続き及び取扱手順の簡素化」、「五、新方案による幾つかの影響」について引き続き検討する。
(里兆法律事務所が2017年1月7日付で作成)
※1具体的に以下の方面にて体現される。(1)A類外国高度人材が申請を提出した後、受理機関のオンライン事前審査を通過すれば、直接に受理される。申請者が入境前に、紙の書類で提出し確認検査を受ける必要がない。(2)A類外国高度人材が「外国人就労許可通知」、「外国人中国在留就労許可」、就労許可の延期・抹消などの事項を申請する場合、決定機関は5業務日以内に審査し、且つ決定を行わなければならない。審査許可期間は比較的に短く、効率も高い。(3)A類外国高度人材の無犯罪歴証明について、承諾制を採用し、入境前に紙の書類を提出し確認検査を受ける必要がない。(4)国内の係る人材計画に入選したA類外国高度人材の場合、職務経歴証明、専門技術又は学歴証明などについて、承諾制を採用する。(5)A類外国高度人材の申請資料はオンラインで提出することができ、全過程のオンライン取扱を行い、紙での書類提出は不要である。(6)その他ビザ又は有効な居留証書を所持しており、すでに入境しているA類外国高度人材は、直接に中国境内で外国人中国在留就労許可の手続を行うことができる。
※2確かに必要である場合、年齢、学位、又は職務経歴などの制限を適度に緩和することができる。
※3詳細は、外国人中国在留就労管理サービスシステムから照会することができる。
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