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F1仕様でダカールラリー

中国ビジネスレポート コラム
小島 庄司

小島 庄司

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2019年6月24日

今回と次回は、やや辛口な内容です。とくに、日本本社側に聞いていただきたい内容です。
正直なところ、日系企業は中国の組織づくり、労務管理でかなり苦戦しています。
日系だけが、ということではありませんが、本社首脳やオーナーが聞いたら愕然、呆然、怒髪天。しまいにゃ悶絶しそうな話には事欠きません。
少なくとも、強みである「チームワーク」や「継続的・自発的改善」を活かすためのスタートラインにまだつけていないのが実態と言えるでしょう。
では、どうして上手くいかないのか。
私は、F1仕様の意識と装備でダカールラリーに参戦しているからだと思います。

F1はモータースポーツの最高峰。世界の最先端企業とドライバーが集い、世界最速の領域で火花を散らして戦う舞台。
最先端ゆえに規定も細かく定められていて、エンジン、車型からタイヤに至るまでルールを厳格に適用してレースが行われます。
最高速ゆえにサーキットも厳格な事前承認を経なければならず、路面の仕上がりから排水機能、観客席の安全性までチェックされます。
一方、ダカールラリーと言えば、そもそも道がない、砂漠のど真ん中、壊れても修理しながら走るなどの過酷さが有名で、カーレースというよりも総合格闘技のようなレースです。
ルールはあるものの、レース途中での故障やストップは当たり前。想定もしないようなトラブルに日々見舞われる中、臨機応変に、忍耐強く日々をやり過ごさないと、完走さえできません。
・・・この話、どこかで見たような気がしませんか?

●ビジネスの舞台で見ると

欧米や日本でのビジネスは、言ってみればF1。
法律政策により市場競争のルールが整備され、厳格にルール適用される中でしのぎを削ります。
職務や業界によって給与の相場感があり、労使間の問題はあるものの、整備された枠組みの中で解決を図ります。
契約を締結すれば、履行するのが当たり前ですし、もし不履行が生じれば、公的な紛争解決機関を通じて、概ねバランスのとれた妥当な解決が図られます。
一方、中国においてのビジネスは、法律法規はあるものの、当局の実務自体がルールと異なる場合もしばしば。明文化されないルールだって多々あります。
法律同士の矛盾や空白地帯があることもあれば、紛争解決機関において「人道的見地からの判断」と称して、法律法規を曲げた裁決が行われることさえあります。
すっ転んで「こんなのおかしい!」と声を上げたところで、ライバルは知恵と技を駆使してこれらの障害を乗り越え先に進んでいきます。
まさに中国ビジネスはダカールラリーの世界なのです。

●挑戦者の姿勢を取り戻せ

最先端のF1で実績があろうと、同じ意識と準備でダカールラリーを戦うことは不可能です。
砂丘に車の頭を突っ込んで「なぜ道路がないんだ?F1では考えられない!」と叫んでも、相手にする人はいません。
ラリーを戦う以上は、F1のチャンピオンといえども、謙虚にラリーの世界のルールを知り、戦い方を知り、相応の準備をしない限り、完走さえ無理でしょう。
中国ビジネスも同じです。
米国で初の拠点をつくる際、社長自ら空港まで駆けつけ、万歳三唱で見送ったあの頃。
欧州への初赴任に際して、ビジネスマナーだけでなく、食事のエチケットやオフのもてなし方まで学んだあの時代。
そもそも、遣唐使の時代は、中国に向かってだって、同様の緊張感と挑戦者としての気概を持って臨んでいたのです。
いま、世界でも最も過酷な中国ビジネスに挑戦する者として、同様の緊張感と準備をしていますか。挑戦者としての謙虚さはありますか?
地方に一支店を出すぐらいの感覚で商売していませんか。
だとしたら、砂丘に体を半分突っ込んで、砂を噛み締めることになっても、不思議ではありませんよ。

以上

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