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ログイン2014年12月24日
夜行列車の中で行われた偽札・ニセ携帯の見分け方講座
※前回の記事はこちら
偽札の見分け方の講義を一通り終えた車掌は、次に携帯電話を取り出しました。
車掌:「いいかみんな!このライトの凄いところは偽札を判別できるだけではない!携帯電話の本物・偽物も見分ける事ができるのだ。携帯電話の電池を取り出すと、本体にシールが貼ってある。この本物には、人民元札と同じように、特殊な光に反応するマークが刻印されている。この刻印が偽物にはないのだ!」
車掌が携帯電話の電池を取り出して光をあてると、マークがくっきりと浮かび上がりました。
車掌:「どうだ!これは本物だ!偽物にはこのマークが出てこない!」
2010年当時、スマートフォンは現在ほどには普及しておらず、従来型の携帯電話が主力でした。
そうしていると、友人の後ろの席で先ほどまでポーカーに興じていた20代の男性が言いました。
「俺の携帯を調べてくれるかい?」
車掌:「いいよ。ほらマークが出てきた!これは本物だ!安心しろ!」
20代男性客「すごい!謝謝!」
また別の農民工らしき30代の男性も声を掛けました。
「オラのも調べてみてくれ!」
車掌:「いいよ。おっ!?これはマークが出てこない!残念だが偽物だな・・・」
30代男性客「えっ~!これ2000元もしたのに偽物だなんて・・・(絶句)」
(しかし周りは大笑い)
車掌:「どうだ!このライトは凄いだろう!そこで、このライトを本日は特別に10人民元(日本円で200円相当)で販売しよう!」
このテレビ通販のような展開を見たとき、友人は、車掌が商売を始めることに驚くのと同時に、こんな物売れるのかな?と疑問に思いました。
ところが・・・・。予想に反してお客が次から次へと車掌の元に争うようにやって来ては、10人民元札を車掌に渡し、ライトを買っていきます。農民工のおじいさんも、皺くちゃの10人民元札を握り締めて、必死に買い求めています。
こんなの買っても役に立つのかなと友人は思いながら、この光景を見つめていました。しかし、このおじいさんをはじめ、ライトを手に入れた客は一様に満足そうな表情を浮かべていました。
筆者も、偽札・ニセ携帯の見分け方講座ではありませんが、北京からウルムチに向かう海南航空の機内で、突然、客室乗務員vs.乗客のじゃんけん大会が始まり、あぜんとした経験があります。飛行機内や列車内で思いもかけないことが突然始まることは承知していたものの、この夜行列車の話は筆者にはない経験でした。
3.中国で最も高額な紙幣がいまだに100人民元である理由は?
2014年12月現在、中国で最も高額な紙幣は100人民元(約2000 円)札です。たとえば、アメリカドル紙幣の最高額面は100ドルですが、これは中国の620人民元に相当します。また、日本円紙幣の最高額面の1万円も、アメリカの100 ドルとほぼ匹敵する価値です。
このため中国で少し大きな金額を使う場合、最高紙幣が低く設定されていると確かに不便です。筆者の経験で言えば、中国国内旅行は中国地場の旅行会社に依頼することが多くありますが、中国の地場旅行会社は支払に自社のバイク便を多く利用しています。そうすると、偽札検知の機械がないため、1枚1枚手作業での確認となります。支払の際には、同行者の分まで含めて支払うと大量の人民元を渡す必要があります。たとえば、新疆ウイグル自治区1周旅行が一人10,000人民元とすると、3人分の支払は30,000人民元となります。これは100人民元300枚です。この300枚をその場で1枚1枚、偽札が混じっていないかどうかを確認することになるのです。
また、銀行をも信用していないからか、筆者も経験がありますが、意外と着金確認に時間がかかるためか、中国人の中には、どんなに多額でも振込み嫌う人も見受けます。そうすると、中国で多額の支払が発生するときには、大量の100人民元札を運ぶという、それこそ危険な行為に出ざるを得ません。
中国では偽札が頻繁に用いられていることも、日常取引において100人民元よりも額面の大きい紙幣を用いることには抵抗感があるのかも知れません。やむをえない面はありますが、偽札を自己責任で見分ける手間暇はまだまだ省くことはできないようです。
以 上
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