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組織老化の錆を落とす…錆の落とし方 続②

中国ビジネスレポート コラム
小島 庄司

小島 庄司

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2020年8月6日

これを書いている2020年7月末は、東京オリンピックで日本中が沸き立っているはずでした。残念ながら新型コロナウイルスの世界的な感染拡大でオリンピックどころではなくなってしまいましたが、皆さん、前回のオリンピックがどんな感じだったか覚えていますか。

2016年のオリンピックはブラジルのリオデジャネイロで開催。金メダルを獲得した競技を挙げると、競泳・体操・レスリング・柔道・バドミントン。当時の記憶や感情が戻ってきたでしょうか。

私がこれを書きながら思い出したのは、東京出張で品川のホテルに泊まり、テレビで柔道を観戦したこと(一つ思い出すと芋づる式に出てきますね。通販で買った衣料品をホテルで受け取ったこと、アジアの旅行客でシティホテルが大盛況だったこと……)。当時は中国に住んでおり、翌年から生活拠点を神戸に移すこと、日本法人を立てることなどまだ想定していませんでした。

4年前を振り返ると、この間の変化に驚きを覚えます。自分の仕事や生活もそうですし、外部環境もそう。新型コロナによる変化がなかったとしても、やはり「遠くに来たなぁ」という感慨があったと思います。

現地法人の経営でも、4年というのは、情況が一変するのに十分な時間です。ビジョンと意思と実行があれば、お荷物組織を精鋭集団に鍛え上げることもできる。継続的向上の意思と努力が欠ければ、良好なチームが問題噴出集団に転落することもある。怖いのは、問題を放置しすぎると、もう元には戻せなくなること。前回の「④全面的に腐食が進行」してしまった状態です。こうなる前に手を打っていただくよう、本稿を書いています。

アジア現法の共通四課題(人と組織)
□経営の一貫性の谷:短任期で継承できず
□誤った現地化の闇:ブラックボックス化
□組織老化の錆:守旧化し挑戦や活力を喪失
□意思疎通の壁:相互理解を妨げる三要因

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●組織老化の進行度合い
①まだほとんど錆がない
②錆びているが落とせば大丈夫
③一部腐食が進行している
④全面的に腐食が進行している
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③一部腐食が進行している

一部腐食が進行している状態とは、その部分は取り替えたり錆を削って補強したりしなければならないけれど、それができれば全体としては機能を取り戻せる状態。シロアリに柱を数本やられたけれど、駆除して再発予防と補強を済ませた家、腐食で穴が空いたけれど、錆を削って修繕し防錆処置も施した船といったイメージです。

組織でいうと、不正、派閥づくり、面従腹背、無気力姿勢、無責任言動などで、社内に大きな悪影響を与えている幹部や管理者がいる。規律やチームを尊重せず、身勝手な言動を繰り返す問題社員がいる。半分以上はまじめな管理者たちなのに、声の大きい一部の問題管理者に押されて当たり前のことを当たり前に実行する風土がつくれない……。

こういう情況にある場合、解決策は「一罰百戒」です。問題社員が経営者(または前任者や日本の役員)のお気に入りの場合、「泣いて馬謖を斬る」覚悟も必要です。

ここで言う一罰百戒とは、組織への悪影響や行為の程度が一線を越えた一部の問題社員に辞めてもらうという意味です。私はセミナーやコラムで、よく「孫氏の兵法」の孫武の故事を紹介しますが、一罰百戒は、もう何千年もの間、中国で使われてきた管理手法です。重要なのは、百戒だけ(注意はするけれど、厳罰は行わない)では効果がなく、百罰(問題を起こした社員は全部クビだ!)では組織へのダメージが大きすぎて経営にマイナス、やはり一罰百戒にすることです。

ここで、「いま彼を辞めさせたら業務が回らない」とか「創業から貢献のあった古参社員だし」とか「初代総経理(現・日本の役員)と直接話もできるお気に入り社員だから」などと言っていては話になりません。中国には、個の情を組織への情より優先させて国を潰した例がいくらでもあります。彼らが一線を越える前に教育指導できなかったことを反省しつつ、一罰百戒を断行しなければなりません。

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