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2008年の前後における経済補償金の分割計算問題に関する「ツール」

中国ビジネスレポート 法務
邱 奇峰

邱 奇峰

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2013年9月30日

従業員の離職に際し、企業はしばしば経済補償金の支払いの要否、経済補償金の計算方法、分割計算の有無、上限付き計算の有無などの問題に直面する。経済補償金問題にかかわる規定は多くて複雑であるため、筆者は「労働契約法」、「労働紛争案件の審理に適用する法律の若干問題についての最高人民法院による解釈(四)」、「労働契約の違反および解除に関する経済補償弁法」、「上海市労働契約条例」、「『労働契約法』適用の若干問題に関する上海市高級人民法院の意見」などの規定に基づき、上海地区を例に、離職管理における経済補償金計算の参考「ツール」として、経済補償金支払いの法定事由と計算方法を以下の表にまとめた。

「労働契約法」実施(2008年1月1日)の前後では、経済補償金を分割計算した上で合算する必要がある。

離職状況(原因) 支払いの必要の有無 上限規定
2008年
1月1日後
2008年
1月1日前
2008年
1月1日後
2008年
1月1日前
労働契約解除 労働者側都合の協議解除 × ×
使用者側都合の協議解除 ○1 ○2
使用者側過失2を理由とした労働者からの解除
労働者側過失3を理由とした使用者からの解除 × × × ×
労働者が業務に堪えないことを理由とした使用者からの解除 ○1 ○2
労働者の医療期間満了を理由とした使用者からの解除 ○1 ○2
客観状況の重大な変化を理由とした使用者からの解除 ×
経済的リストラ
労働契約終了 労働契約の契約期間満了、使用者側不更新による終了 ×
使用者破産、営業許可証の取消し、閉鎖命令、抹消、繰り上げ解散の決定による終了
使用者の経営期間が満了し、経営を継続しない場合 ×
労働者の定年退職、年金受給開始、死亡による終了 × ×

備考:
■表中の符号の意味は以下の通りである。
→「×」は、支払いの不要または上限付き計算の不要を示す。
→「○」は、支払いが必要であることを示す。
→「○1」は、2008年1月1日後の規定に基づき上限を設ける必要があることを示す。即ち、労働契約の解除または終了前12ヶ月の労働者の平均賃金が上海市の公布する前年度従業員月平均賃金の3倍(2012年の上海市の従業員平均賃金は月4,692元であり、3倍は14,076元となる)を超える場合、3倍を基数として計算し、且つ計算年数が12年を超えてはならない。
→「○2」は、2008年1月1日前の規定に基づき上限を設ける必要があることを示す。即ち、経済補償金の計算年数が12年を超えてはならないが、基数の上限に関する制限は受けない。

経済補償金の計算公式は基数×月数である
→基数は「労働契約の解除または終了前12ヶ月の労働者の平均賃金」であり、労働者が得るべき賃金に基づき計算する。これには時間給または出来高給と賞与、手当および補助金などの貨幣収入が含まれ、また上海市の最低賃金基準(2013年4月1日から、上海市の最低賃金基準は月1,620元に調整されている)を下回ってはならない。
→月数は勤務年数が1年を満たす毎に1ヶ月分の賃金を支払う。6ヶ月以上1年未満の部分については1ヶ月分を支払い、6ヶ月に満たない部分については半月分を支払う(2008年1月1日前では、6ヶ月に満たない部分について、上海市では支払わないと規定されている)。

以上はいずれも法定状況であり、使用者と労働者の双方は経済補償金の支払いについて、別途に法に則り、合理的に取り決めることも可能であり、法律上はこれを禁じていない。

(里兆法律事務所が2013年4月28日付で作成)

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