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最新法律情報(3・4月合併号)

中国ビジネスレポート 法務
王 穏

王 穏

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2007年4月23日

記事概要

「企業所得税法」、「サービス業発展の加速化に関する若干意見」、「外商投資建設工事のサービス企業管理規定」、「ネット取引に関する指導意見(暫定)」などについてです。

法律情報

1.「企業所得税法」頒布

F  国内企業、外商投資企業は、統一税率25%が適用され、外商投資企業が今まで享受してきた多くの優遇措置を受けられなくなる一方、優遇税制適用外の外商投資企業にとって朗報である一面もある。

F  税法の整備、税率の統一に伴い、今後税収管理の強化が予想され、関連取引、移転価格などの税法対策が重要となる。

2.「サービス業発展の加速化に関する若干意見」頒布

F  外資企業の関心が高い教育トレーニング、IT、財務コンサルティング、ビジネスコンサルティングなどの分野において、大きな促進剤。

3.「外商投資建設工事のサービス企業管理規定」頒布

F 完全に内資企業同様とまで言えないが、工事監理、入札代理、建築価格諮詢などの分野は、正式に外資に開放。

4.「ネット取引に関する指導意見(暫定)」頒布

F これに基づき制定・頒布される予定の「ネット取引条例」は、外資によるネット販売を規制する法律として注目される。

 

実務情報

1.工商局: 新設外商投資企業の定款についての審査を強化。

F 許認可行政は、外資投資企業法に明確な規定がない場合、新「会社法」の規定にそって、厳格に合弁契約、定款を審査する傾向にある。

2. 一部の許認可行政は、独資企業が持分譲渡によって合弁企業になった場合の企業名称変更を指導。

F 一部の許認可行政は、外商投資企業の管理強化という発想より、名称変更まで拘るようになった。

3.国内販売権取得の保税区貿易企業による貿易のための外貨兌換及び税関制限は緩和。

F 人民元取引量の拡大に伴い、外貨兌換の規制緩和。

F 保税区企業による各地税関での通関は可能。

4.北京市: 店舗・会社登録用地として、住居用でも可能。

F 「物権法」の頒布・施行予定を受け、北京市では今まで店舗・会社登録用の経営場所として、その用途が「商用」でなければならない規定を撤廃し、用途を問わず、いずれも登録可能となる。

 

天津投資サポート

天津市におけるハイテク企業認定についての関係規定

 

新規情報

1.「税関輸出入貨物・商品分類管理弁法」

(税関総署 2007/3/2頒布、2007/5/1実施)

2.「税関臨時出入国貨物管理弁法」

(税関総署 2007/3/2頒布、2007/5/1実施)

3.「物権法」

(2007/3/16頒布、2007/10/1実施)

4.「製品油経営企業ガイドライン」

(商務部2007/3/22頒布)

5.「原油経営企業ガイドライン」

(商務部2007/3/22頒布)

 


  

法律情報

 

1.「企業所得税法」頒布

注目される内外企業税統一は、2007年3月16日での「企業所得税」が頒布され、2008年1月1日から施行が確定される。

これにより、国内企業、外商投資企業は、統一税率25%が適用され、外商投資企業が今まで享受してきた多くの優遇措置を受けられなくなる一方、優遇税制適用外の外商投資企業にとって朗報である一面もある。

 

F  外商投資生産型企業にとって実質上の税率アップ

u  2007年3月16日(公布日)前に設立される外商投資生産型企業には、国務院制定中の法規をまって、それに基づき過渡期の優遇措置が受けられる。一方、公布日後に設立される生産型企業は、そのまま25%の税率が適用を受ける。

 

【コメント】

u  外商投資の生産型企業は、今回の法改正により、さらに大きな影響を受ける。

公布日前に設立される生産型企業やまだ税収上の優遇措置を受け始めていない(利益が出ていないなど)生産型企業は、どのように猶予の優遇措置を受けられるかについて、まだ国務院の制定中の法規待ちである。

u  なお、外商誘致のため、各地で財政補助金などの形で更に所得税負担を軽減するのではないかという見方も強いが、税収管理強化・税率制定権について地方分権を牽制し、中央集権が図られている背景では、どのような形で「上に政策あり、下に対策あり」となるか、まだ未知数である。

 

F  外商投資貿易型企業、コンサル企業にとっての税率ダウン

 

特定の地域以外で一般的に33%の税率を受ける外商投資貿易型企業、コンサル企業その他今まで所得税の優遇措置が受けられない外商投資企業にとっては、税率が33%から25%まで9%のダウンとなり、大きな負担減となる。

 

【コメント】

非生産型企業にとっては朗報であろう。

ただ、税務当局にすれば、今まではそれぞれ適用する税率がばらばらであったので、ある面税務査定もお粗末にしていたが、今後税率が統一化されるので、税務査定にますます力を入れるものと考えられる。

今後関連取引や移転価格などについては、企業運営管理面においてますます比重を占めるのであろう。

 

F  外国投資者の再投資における税収還付の優遇措置が撤廃される見込み

今まで外国投資者がその得られる利益で再投資する場合などにおいて、税収還付の優遇措置が受けられていたが、これも外商投資に関連する優遇措置を撤廃するという「企業所得税法」の主旨により、撤廃される見込みである。

 

【コメント】

今まで再投資の優遇措置が受けられるよう、わざわざ本社の収益にして、中国国内で再投資を行い、中国における子会社を並列させてきたが、今後この優遇措置の撤廃を受け、投資性会社(傘型企業)をはじめ、中国における投資の再構築、子会社間の統廃合が盛んになるのであろう。

中国における投資先企業の統括、管理機能を子会社の1社に集中させ、投資性会社か地域本部の認可を取得し、グループ内の融資、教育訓練、サービス外注、リースなどを可能にするか、投資性会社又は地域本部の認可まで行かなくても、中国における子会社企業の管理の円滑化を図る動きが活発になるのではないかという見方が強い。

 

           【コメント】

u  特定業種やハイテク企業は、依然税収上の優遇措置を受けられる。ただ税収上の法整備とも言える今回の内外税統一は、法律の明文化に伴い、適用の厳格化も図られるであろう。例えば、ハイテク企業の認定も今後厳しくなる見込みである。

u  技術移転の所得が今まで10%の優遇税率(一部では営業税5%、実質上14.5%かかる場合もある)を適用され、0課税の前提条件とされる科学委員会の先端技術の認定をなかなか取得できなかったのだが、今後中国政府が更に先端技術の導入奨励を強化するため、0課税が受けられる技術移転の範囲は、更に拡大されるであろう。

u  「企業所得税法実施細則」は、現在制定中にあるが、既存の外商投資企業の優遇税率の整理、関係法律法規の廃止・改正、統一税率への移行・経過措置などの詳細を決めるものであるだけに、「企業所得税法」よりも大きく注目される。

 

2.「サービス業発展の加速化に関する若干意見」頒布

      サービス業の発展を促進する方針を打ち出し、特にサービス外注業務の発展の奨励を明確にした。

 

【コメント】

u 外商投資傘型企業は、経営範囲を拡大する前提で、サービス外注の業務に従事できる。ただ、傘型企業設立のハードルが高いため、一般の実力のある中小企業にとっては、なかなかサービス外注を取得できなかった。

u 外資企業の関心の高い教育トレーニング、IT、財務コンサルティング、ビジネスコンサルティングなどの分野において、大きな促進剤となると考える。

 

3.「外商投資建設工事のサービス企業管理規定」頒布

F 工事監理、入札代理、建築価格諮詢などの分野を、正式に外資に開放。

u 外資建築業企業は、中国の内資建築業企業との提携により、形式上の業務委託、実質上そのライセンスを借りることによって、業務展開する必要性がなくなりつつある。

u 今後外国籍の技術者も、中国の監理師資格を取得できるようになる。

 

【コメント】

u 外資に開放したとは言え、管轄行政の建設委員会から専門資格(専門技術者の資格、企業の資格)の認定を受けて、その資格に応じる経営活動しかできない業種の規制が存在しているため、なかなか専門技術者を揃えることができず、さらに企業の専門資格の取得まで年数などが足りない外資企業にとっては、まだ多少障碍が残っている。

 

 4.「ネット取引に関する指導意見(暫定)」頒布

F 原則規定にとどまる内容であるが、今後の「ネット取引条例」の布石となる。

F これに基づき制定・頒布される予定の「ネット取引条例」は、外資によるネット販売を規制する法律として注目される。

【コメント】

u 商務部が、現在ネット取引の規則、強行規定などについて決める「ネット取引条例」を制定しているそうである。

u 外資によるネット販売の展開は、商務部による新設・参入認可(規制)とネット販売における業種認可(規制)両方の条件を満たすことになるが、逆に基準を明確化にすることになり、基準を満たせば、従事可能というプラス的な要素と見なすべきと考える。

 

実務情報

 

1. 工商局: 新設外商投資企業の定款についての審査を強化。

 

F 工商局は、新「会社法」の関連規定によって、外商投資企業の合弁契約・定款を審査。

外商投資企業の組織構成(例えば株主の関連規定)、株主・董事の権限、出資期限などは、合弁・合作企業法、外資企業法に明確な規定がない場合、許認可行政は、新「会社法」の規定にそって、厳格に合弁契約、定款を審査する傾向にある。

F 合弁契約、定款その他の法的書類の書式など形式上の審査も厳しくなる。

実務上、工商局は、用紙の一致(細かい行政指導がある場合、差し替えでクリアーするケースも少なくなかったため)などについても、厳格に要求するようになった。

          

           【コメント】

u 経営範囲拡大、増資・減資、法定代表者・住所など会社登記事項の変更、支店の開設などに伴い、定款を修正する場合、一部の許認可行政から新「会社法」に合致するよう、その他の関連条項の修正も求められるようになった。

u また、新「会社法」の関連規定を硬直に理解し、必要以上に細かい指導をする行政担当者もいるため、外商投資企業の新設や関連事項の変更手続きにおいて、予定のスケジュールより時間がかかってしまうケースが増えている。実務上、直轄の開発区の監理委員会と許認可権限を有する地域の管轄行政との間での意見の対立さえ出ているため、その調整に苦労するケースもある。

u 対応策としては、何らかの許認可・変更を申請する場合、予め管轄の窓口と確認することは望ましい。

 

2. 一部の許認可行政は、独資企業が持分譲渡によって合弁企業になった場合の企業名称変更を指導。

 

F 中国における投資再構築により、独資子会社の株の一部を別の子会社に譲渡し、この独資子会社を合弁企業にするケースが増えている。この中に、一部の許認可行政は、「○○(商号)+○○(地域名)有限公司」を継続使用できないとし、「○○(地域名)+○○(商号)+有限公司」への変更を要求している。

 

【コメント】

u 法的には、このような独資企業から合弁企業への企業性質の変更により、その名称(羅列の順番)まで変更しなければならない規定は存在しないが、一部の許認可行政は、外商投資企業の管理の強化という発想により、名称変更まで拘るようになった。

u 経験則上、江蘇省の規定は、往々にして他の地域よりも厳格である。

 

3. 国内販売権取得の保税区貿易企業による貿易のための外貨兌換及び税関制限は、緩和。

 

F 人民元取引量の拡大に伴う、外貨兌換の規制緩和。

u 国内販売権に基づく国内取引により、完全に合法的に人民元で保税区外で取引を行えるようになる。

u 外貨兌換については、外貨管理局への届出を経て、保税区外税関経由での貨物輸入でも、直接銀行で外貨兌換し、海外送金することができる。

【コメント】

但し、貿易、配当金のための外貨兌換は可能であるが、資本項目のための外貨兌換は、依然「保税区外貨条例」の規定により、できない。

 

F 保税区企業による各地税関での通関は可能。

u 保税区企業は、国内販売権を取得し、国内取引を行うための必要性から、所在の保税区税関に別地域通関届出の手続きを完了すれば、中国全土の各地の税関で自らの名義で通関することが可能となった。これにより、商品を外国から最寄の税関で通関させ、直ちに、国内市場で販売することが可能となった。

 

【コメント】

     保税区企業は、1)国内販売権を取得、2)別地域通関届出手続きを終了してから、①保税業務を展開できる区内企業という資格が加わり、②国内販売権を有する輸出入業者という資格も取得し、完全な意味での「商社」になる。

 

4. 北京市: 店舗・会社登録用地として、住居用でも可能。

 

F 「物権法」の頒布・施行予定を受け、北京市では今まで店舗・会社登録用の経営場所は、その用途が「商用」でなければならない規定を撤廃し、用途を問わず、いずれも登録可能となる。

 

【コメント】

u 建物の用途は、「商用」と「住居用」とがあるが、今まで「住居用」用途の建物は、一切店舗又は会社登録用として使用できないとされている。そのため、特に料理店の場合、立地のよい住宅ビルの1階を借りて店舗を開設しているが、法的にはそこを登録地として使用できないため、あえてその他の登録可能なところを経営場所として登録しておき、必ずしも合法とはいえない折衷案を採っているところが少なくない。

u その他の許認可事項においても、不必要な規制を緩和、撤廃することを期待している。

 

天津投資サポート:

 

1.天津市におけるハイテク企業認定についての関係規定

 

認定部門:天津市科学技術委員会

 

ハイテクの確定範囲

     電子及び情報技術、生物プロセス及び新医学技術、新材料及び応用技術、先端製造技術、新エネルギー及び高効率省エネルギー技術、環境保全革新技術、現代農業技術、海洋プロセス技術、航空技術、核応用技術、現代物流技術及びハイテクサービス技術、その他伝統的な産業改造に応用する新工芸、新技術。

 

ハイテク技術企業の認定条件

1)       一種或いは多種のハイテク及びその製品の研究開発、生産及び技術サービスに従事する。

2)       企業法人資格を持つ。

3)       短大以上の学歴を有する技術者が企業職員総数の30%以上を占め、そのうち、ハイテク製品の研究開発の技術者が企業職員総数の10%以上を占める。ハイテク製品の生産或いはサービスを主とする労働集約型ハイテク企業では、短大以上の学歴を持つ技術者が企業職員総数の20%以上を占める。

4)       企業の毎年ハイテク及びその製品の研究開発に用いられる経費が本企業当期の総売上額の5%以上を占める。

5)       ハイテク企業の技術的収入とハイテク製品の売上額の総額が本企業当期総収入の60%以上を占める。

6)       企業の責任者が本企業の製品の研究、開発、生産及び経営に詳しく、かつ技術革新を目指す企業専門職員を重視する。

【コメント】

ハイテク技術企業の認定を通じて、中国の税収優遇政策を受ける。その中で、ハイテク産業園区におけるハイテク企業は、中国のハイテク産業開発区の税収政策が適用される。WTO加盟後の中国では、今後、外資系企業に対する優遇政策が次第に減少している中、天津開発区だけが中央政府から与えられた特権でもって、今後も引続き税制面や設立登記などにおける優遇が受けられる見込みである。弊所は長年、外資系企業のハイテク技術企業の認定に携わってきたので、現在、天津も視野に入れておりますので、天津に関心をお持ちの場合は問合せ下さい。(2007年4月記 6,187字)

 

 

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以上の内容は、当事務所の正式法律意見ではなく、参考に供するもののみである点、ご了承下さい。

 

 

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