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「労働契約法」から見る在中国日系企業の今後の労務人事管理における問題点並びに対応策

中国ビジネスレポート 労務・人材
王 穏

王 穏

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2007年7月23日

記事概要

 今回の「労働契約法」改正は、特に日系企業にとって、1)雇用リスク及び遵法コストが共に増加する点、2)労働仲裁、訴訟においては労使間の「強弱逆転」になりうる点が、最も特徴的であると思われます。今回はその詳細をご紹介します。

新しいページ 1「労働契約法」から見る在中国日系企業の今後の労務人事管理における問題点並びに対応策

 

【前書き】

 

「労働契約法」は、2007年6月29日付、全人代常務委員会の審議を通過し、2008年1月1日より正式に施行することが公布された。

 

これに伴い、「労働契約実施細則」、各地の「○○省/市労働契約条例」の見直し作業も進められることになるので、中国進出の日系企業にとって、果たしてどのような影響があるか、そして、今後どのような問題点が生じうるか、更にこれらの問題に対してどのように対応策を打つことが望ましいかについて、当事務所から、下記の通り、【第一部:  「労働契約法」の特徴】、【第二部:   労働契約法の施行を目前にしての対応策】、【第三部:  労働契約法の重要条項並びに対応策の詳細】に別け情報としてご提供いたします。(なお、あまりお時間がない方は、【第一部:  「労働契約法」の特徴】、【第二部:   労働契約法の施行を目前にしての対応策】までお読みいたただければ幸甚です。

 

なお、当情報は、「労働契約法」の文面を厳格に解釈し、同時にこれまで、当事務所が手掛けた労務人事関連実例を参照し作成したものであり、今後の法制定、行政の運用指針、労務人事実務の具体的解釈によっては若干異なる点がありえると考えますが、その点をお含み置き下さい。

 


  

 

 

【第一部:  「労働契約法」の特徴】

 

今回の「労働契約法」改正は、(特に日系企業にとっては)1)雇用リスク及び遵法コストが共に増加する点、2)労働仲裁、訴訟においては労使間の「強弱逆転」になりうる点が、最も特徴的であろう。詳細は、以下の通りである。

 

 

1、 企業にとって次の2点が一部但し書きつきであるが有利となる。

 

n 第41条 ⇒ 企業が整理解雇事由を増加でき企業側に有利になる。但し、労務人事管理実務においては、整理解雇を行う場合、労働者側が騒ぎが起こしたとき、この企業側の権利条項も形骸化する可能性が高いといわざるを得ないので楽観できない。

n 第47条 ⇒ 高所得の労働者に対して経済補償金を支払う際、本人月給をそのままで計算するのではなく、同地域の労働者平均賃金の3倍という上限を設けている。

 

2、 企業の労務人事管理面においては、企業の雇用リスク及び遵法コストが共に増加する。

 

1)  従業員をいったん採用したら、簡単に解雇できない。

①    第21条 ⇒ 試用期間中の解雇でも、合理的な理由をもっての立証責任を負う。

②    正式雇用になった場合、厳しくその解雇事由の合理性並びに手続きの合法性が求められるが、労務紛争実務では、一見強い立場に立っている企業が、少しでも解雇事由又はその手続きに不備があれば、2倍の経済補償金を支払わされる。

2)  企業は、終身雇用の負担を強いられる一方、労働者は、それに伴う義務、責任があまりない。

第14条、第37条 ⇒ 期限の定めのない契約は、労働者にとっていつでも解約できるが、企業のみが終身雇用の負担を負うことになってしまうため、アンバランス

である。

3)  規則制度について、労働者も否決権を有する。

第4条 ⇒ 規則制度は、企業が一方的に制定できるものではなく、労働者がその否決権、異議申し立て権を有するため、企業による処罰、特に懲戒解雇が非常に困難となる。

4)  労働者に対する服務期間(研修を受けた労働者が、この期間内において労働契約を一方的に解約に対する制限)の拘束、競業避止義務による拘束、兼職制限は軽減。

①    第22条 ⇒ 服務期間の義務違反の場合、違約金は、研修費用のみに限定される。

②    第24条 ⇒ 競業避止義務の対象は、労働者自身に限定され、親戚縁者経由で競業経営の場合、処罰されない。

③    第39条(4) ⇒ 兼職が、会社の運営管理に重大な影響を及ぼした場合、又は会社からの是正要請を拒否した場合初めて懲戒解雇事由となる。

5)  無理やりに残業をさせられたという抗弁は、今後労務人事紛争実務では使用頻度が非常に高くなる。

第31条 ⇒ 形を変えて、労働者を残業させることが違法となるため、これにより生じる企業側のリスク負担が重くなる。従って労働者の気分により訴えるケースが増加する恐れがある。

6)  企業の経済補償金の負担、紛争処理負担は高騰する。

①    第46条 ⇒ 懲戒解雇の場合を除き、(一部の地域で既に施行してきた)合意解除、契約不更新などの場合でも経済補償金を負担。

②    第82条 ⇒ 期限の定めのない契約を結ぶべきケースで、これを結んでいない場合、2倍の給料支払義務。

③    第87条 ⇒ 企業による労働契約の解除又は終了の場合、瑕疵があれば、2倍の経済補償金強制。

 

3、 派遣できる業種が限定、派遣コストが高騰。

1)  第58条 ⇒ 派遣業者は、2年以上の契約を締結し、仕事がない場合、最低保証賃金を支給しなければならないので、派遣先企業は、そのコストのしわ寄せを受ける。

2)  第66条 ⇒ 派遣を受けられる業種としては臨時的、補助的又は代替可能な業種に限定される。

3)  第67条 ⇒ 派遣ライセンスを有しない企業による同グループ内の派遣は禁止される。

 

4、 労働組合が、企業に対抗する色彩が強くなる。

第6条、第43条 ⇒ 明確に労働者擁護の役割を規定し、今まで労使調和型の労働組合から企業対抗型へ変身する労働組合が増加する。

 

5、 行政による検査、摘発を受ける可能性が増加する恐れがある。

1)  第79条 ⇒ 労働法関連事項について、誰でも通報できること、そして、通報を奨励している。

2)  第74条 ⇒ 労働局は、常に検査、摘発権を発動できるため、行政による過干渉になる可能性が払拭しきれない。

 

6、 労使関係においては、一見労働者を保護しているが、実質上労使関係を険悪化させる恐れがある。

 

労働法の法律法規は、社会法的な性格を有し、労使関係上比較的弱い立場に立たされる労働者の利益擁護を強めながらも労使間のバランスを保つことが最も望ましいが、今回の「労働契約法」は、労働者の権利を過保護する点が散見されるため、企業側としては、今後実態を見極め「強弱逆転」の立場となるリスク回避策を講じなければならないであろう。

 

また、労務人事紛争で真面目な労働者に比べ働かない労働者は、逆に自己の権利保護のため「労働契約法」をフルに利用し、以下の行動をとりうる。

・ 就業規則の異議申し立て権 

⇒ 企業は、これに対応して、少なくとも手続き上その意見を検討しなければならない。 

・ 労働組合の支援、援助の申し込み

⇒ 労働組合も、これに応じて、少なくとも手続き上その支援、援助を検討しなければならない。 

・ 労働行政への(頻繁な)通報

⇒ 労働局は、これを受け検査、取調べを行うが、企業は仮に違法の事実がなくても、解決まで時間、労力、コストを強いられる。

・ 同情する労働者にサボタージュ、ストライキの呼びかけ

⇒ 騒ぎ得のケースが、多く見られるため、要注意である。

・ 労働仲裁を申し立てる

⇒ 嫌がらせを含め、結果より取敢えず申し立てる労働者に対して、企業は、仲裁、訴訟に伴う勝敗のリスク、そして敗訴した場合、2倍という懲罰的な処罰を受ける。


  

【第二部:   労働契約法の施行を目前にしての対応策】

 

1、 社内規則制度を2007年度内に見直し。

⇒ 2008年1月1日「労働契約法」施行後、労働者が否決権を有するため、制定、修正が難しくなる。

 

2、 直接雇用従業員と派遣労働者との仕分け

⇒ 中堅幹部、経営管理職などを直接雇用に切り替える。

 

3、 労働契約期間を調整

⇒ 3回目の更新時には、期限の定めのない労働契約に切り替えるため、1回目、2回目のそれぞれの契約年数を熟考する。

 

4、 強い対抗精神を有する従業員や不適切な従業員を思い切って契約更新しない。

 


  

【第三部:  労働契約法の重要条項並びに対応策の詳細】

 

※  訳文は、ジョイハンド法律事務所(以下「JH」)で仮訳したものである。

※  重要度に応じて、「最も重要:●、重要:◎、注意を要する:○」として表記する。

 

重要度 労働契約法概要 コメント 対応策
第1条

労働契約制度を完備し、労働契約の当事者双方の権利及び義務を明確にし、労働者の合法的権益を保護し、調和のとれた安定した労働関係を構築、発展させるために、本法を制定する。

「労働契約法」は労働関係の法律法規においては、「労働法」に次ぐ効力を有する法律となる。

各地でそれぞれ「労働契約条例」などが施行されているが、労働契約法の条項と矛盾する場合、上位規範である労働契約法が適用されることに要注意。

労働契約法草案施行後、労働契約、就業規則、賃金規則などの見直し作業を行い、整合性をとる。
第4条 第1項

雇用者は、法律に基づき、労働規則制度を構築・完備し、労働者の労働の権利の享受、労働義務の履行を保障しなければならない。

雇用者にとっては、労働規則、制度を構築、完備することが義務となるため、労務トラブルが発生し、これに適応する規則制度がない場合、他の類似条項を準用することもありえるが、逆に雇用者が労働規則・制度の構築、完備義務を果たしていないことが追及され、当該労働者に有利な解釈がされる。 ①  労働契約、就業規則、賃金規則などを完備する。

②  労働規則制度において、「その他これらに相当すると会社が認める事由」(によって解雇できる)など包括的な規定を設ける。

第4条 第2項

雇用者は、労働者の利益に直接関係する労働報酬、勤務時間、休憩休暇、労働安全衛生、保険福祉、労働者研修、服務規律及びノルマ管理などの直接、労働者の利益に密接に関わる規則制度又は重大事項を制定、修正又は決定する際(JH:事前に)、労働者代表大会又は労働者全員による討論並びに方案、意見の提出を経て、労働組合又は労働者代表と平等に協議の上、定めなくてはならない。

①規則制度は、労働者の同意を得なければならない。

厳格解釈すれば、雇用に関わる規則制度の有効要件は、すべて①労働者代表大会又は労働者全員との討論、②労働者大会又は労働者全員からの(修正)方案収集・意見聴取、③労働組合又は労働者代表との協議を経て、④労働組合又は労働者代表の同意を得ることとなる。

②同意については全員同意になるかなどについて不明確である。

労働組合・労働者の代表の同意を得ることはについての定義が不明確であるため、最大の問題点としては、労働組合、労働者代表にも果たしてこのような代表権を労働者から認められるかどうかにある。就業規則その他規則制度制定過程においては、労使間の対立を深刻化・激化させる恐れがある。

③労働者が規則制度に対する否決権を有する。

2008年1月1日以降上記の厳格な手続きを経ていない規則制度の効力は否認されるため、その前に就業規則その他規則制度の完備が最重要課題となる。

①  (労働者の入れ替わり等により、労働者全員という要件を満たすところは少ないため、)就業規則などの規則制度を有効にするために、基本的に労働者全員を召集し、労働者大会を開き、その意見聴取並びに労働組合かその代表との協議を行い、その同意を得る必要がある。

②  就業規則上に労働者による署名を入れるなど労働者が就業規則を熟読、理解の上、遵守することについての誓約をとることが望ましい。

③  雇用者が一方的な就業規則・規則制度の制定権を有する2007年度内、そして極力早い時期に就業規則その他規則制度を作成・修正する。

④  労働組合、労働者代表による規則制度の議決(過半数決なのか、三分の二なのかなど)手続きについては、まず2007年度版の就業規則に規定すべきであろう。(「労働契約法」実施細則で規定する可能性もありえる)

第4条 第3項

規則制度及び重大事項の決定・実施の過程において、労働組合又は労働者が適当ではないと認める場合、雇用者に対してこれを申し立てることができ、(JH:雇用者)協議を経てこれを修正、完備するものとする。

①労働者の異議に対して、雇用者は、それなりに修正しなければならないのか、それとも、協議すれば、「ノー」といえるか。

文面上の解釈としては、一労働者が適当ではないと認める場合でも、雇用者に対して異議申し立てることができる。

更に雇用者は、これに対して協議をしなければならないが、果たして修正、完備しなければならないのか、それとも協議を経るという手続きだけを済ませて、雇用者の義務を果たすことになるかが、曖昧である。

ただ、実務に照らして、仮に労働者に、異議申し立てが無いにも拘らず、雇用者がこれに応じなければならないという一方的な修正提案権を与えることはないという見地から、労働者の異議を受け、検討、協議をすれば、雇用者の義務を果たすことになるであろう。

②労務トラブルに対する影響

労務人事実務から見れば、雇用者と労務紛争を起こしている労働者は、今後話し合い、労働仲裁、訴訟の中で、この条項を引用し、雇用者による就業規則が妥当ではないという抗弁に出る確率が高い。

妥当性について、労働契約締結などの時に、労働者に妥当性についても十分認めるという一筆を書かせることが、一定の「禁反言」の効果がある。
第4条 第4項

雇用者は、直接労働者の利益に密接な関係を有する規則制度及び重要事項の決定は、企業内で公開し、又は労働者に告知しなければならない。

労務トラブル、そしてその後に起こりうる労働仲裁、訴訟において、「見せてもらっていない」という言い訳が成り立たないように、公表を怠らないことが望ましい。 オフィス又は作業現場ごとに、就業規則などの規則制度を公表する。
第6条

労働組合は、労働者が雇用者と法に基づき、労働契約を締結、履行することに協力、指導し、且つ、雇用者と集団協議体制を構築し、労働者の合法的な権益を保護しなければならない。

労働組合の「雇用者協調型」から「労働者保護型」への転換となる。

今後労働者側に立って雇用者と戦う労働組合は増えるであろう。

外資企業に対して労働組合の設立を求める地域が増えている背景の下では、労働組合の設立後、それとの関係を重要視する必要がある。
第8条

雇用者は、労働者を募集・採用する際には、労働者の業務内容、労働条件、勤務場所、職業上の危険、安全生産状況、労働報酬及び労働者が理解を要するその他の状況を、事実通りに告知しなければならない。雇用者は、労働者の労働契約と直接関係する基本状況を知る権利があり、労働者は事実通りに説明しなければならない。

一見、双方が相手当事者の基本状況を知る権利を有するように見える。

ただ、労働者が事実通りにその基本状況を告知しないことによって、雇用者は、直ちに解雇できない。

一方、労働者が知る権利を有する雇用諸事項について、雇用者の告知に少しでもミスがある場合、この告知義務の違反を問われる可能性が高く、労働者に有利になりがちな労働調停、仲裁、訴訟においては、濫用される恐れが高い。

①  労働契約締結の前に、・雇用諸事項並びにその他の関係状況について、すべて雇用者より告知を受け、了解したこと、・労働者が告知義務を果たさなかった場合、これらの事項が、雇用するかしないかを左右できる事項であることを理解させ、雇用者の就業規則上の処罰を受けることに同意すること、という2点を明記する(労働契約上の)条項又は別紙は、提出させる。

②  提示する雇用諸事項は、そのまま労務トラブル時の証拠として使用されうるため、その提示内容に慎重を要する。

第14条

…以下のいずれかに該当し、労働者が労働契約の更新または締結を申し込み、または承諾した場合、労働者が期間の定めのある労働契約の締結を申し込む場合を除き、期間の定めのない労働契約を締結しなければならない。

(1)労働契約を更新する際、労働者の当該雇用者における勤続年数が満10年以上以上である場合。

(3)期間の定めのある労働契約を連続二回更新し、且つ、労働者に本法第39条及び第40条第1号、第2号に規定される状況が存在せず、引き続き労働契約を更新する場合。

① 10年以上勤務した労働者から求められる場合、よほどの事情により解雇する場合を除き、定年まで雇用しなければならなくなること、②(例えば)1年の労働契約で、2年継続した場合、3年目から自動的に期間の定めのない労働契約に切り替えること、などにより、・労働者数が多い、・企業が必要とする能力があって、忠誠心のある労働者が少ない場合、労使双方が互いに流動的であることによってこれまで労使間の全体的なバランスを保ってきた中国の労務事情に大きな影響を及ぼす。

期間の定めのない労働契約を締結できる労働者の管理は、人事労務面での最重要課題になるであろう。

② 第37条、労働者がいつでも前もって30日の予告通知をもって労働契約を解除できる内容」に照らし合わせれば、雇用者にとって期限の定めのない労働契約は、同時に労働者にとっていつでも解約できる労働契約でもあることになる。

③ 一部地域における予告期間延長条項(例えば「上海市労働契約条例」第15条2項においては、守秘義務を負う労働者は、30日を越える、6ヶ月までの予告期間を約定できると定めている)は、有効であるかどうかが注意を要する。

①   雇用者にしては、事前に期間の定めのない労働契約を締結できることになる労働者の選別を行い、終身雇用することが望ましい労働者を終身雇用に切り替え、終身雇用すべきではない労働者を労働契約不更新(実質上の解雇)にするしかない。

②   いったん期限の定めのない契約に切り替わった場合、雇用者は、よほどの事情がない場合当該労働者と解約できないことを予防するために、就業規則その他規則制度上、解雇事由を更に細かく設定する方法を採らざるを得ない。

第19条

労働契約期間が3ヵ月以上1年未満の場合、試用期間は1ヶ月を超えてはならない。労働契約期間が1年以上3年未満の場合、試用期間は2ヶ月を超えてはならない。労働期間が3年以上の期間の定めのある、又は期間の定めのない労働契約の場合、試用期間は、6ヶ月を超えてはならない。

 

1年~3年の労働契約の場合は、2ヶ月の試用期間しか設けることができなくなる。

 

試用期間中における労働者の選別が重要となろう。
第21条

試用期間中、労働者に本法第39条及び第40条第1号、第2号に規定される状況がある場合を除き、雇用者は、労働契約を解除してはならない。雇用者は、試用期間中に労働契約を解除する場合、労働者にその理由を説明しなければならない。

試用期間中でも簡単に労働者を解雇できなくなる(解雇手続きも厳しい正式雇用より、単に解雇手続きが簡単になるだけとなる)。更に、労務仲裁、訴訟実務では、厳格解釈され、実質上正式雇用と同様かそれに近い厳しい解雇できる証明が必要となる。

解雇理由の問題で、試用期間中の解雇に伴う労務トラブルが増えるであろう。

適切ではない労働者を試用期間中でも解雇できるように、雇用条件を厳格に設定する必要がある。

場合によっては、雇用条件を厳しく設けることによって、正式採用しない労働者をこの条件で解雇するなどの工夫が必要となる。

第22条

雇用者は、個別プロジェクトとして研修費用を負担し、労働者に専門技術研修を受けさせる場合、当該労働者と協議を締結し、服務期間を約定することができる。

労働者は、服務期間の約定に違反した場合、約定により雇用者に違約金を支払わなければならない。違約金の金額は、雇用者が負担した研修費用を上回ってはならない。雇用者が労働者に請求する違約金は服務期間の未履行部分に相当する研修費用を超えてはならない。

雇用者と労働者が服務期間を約定した場合、正常な給与調整体制に従い労働者の服務期間内における労働報酬の上昇に影響を及ぼさないものとする。

①  「労働契約法」審議案では服務期間を約定できる前提条件の1ヶ月以上職場を離れたことであったが、今回はこれを用件としないが、「専門技術研修」についての定義が不明確である。

②  服務期間の違約金は、相当する費用の金額を超えてはならない。

⇒ 研修費用を負担し、労働者にスキルアップさせることは、研修費用以上の働きを期待しているからであり、労働者の服務期間内の離職により雇用者にもたらす損害が、研修費用だけにとどまらないため、違約金の上限設定は、雇用者にとって公平を失する。

③  専門の技術研修を経た労働者を逆に賃上げをしない場合は、不合理と認められる可能性が高いため、服務期間中、労働者の賃金に対して一定の引き上げを行わなければならない。

 

①   研修協議書を締結する。

②   研修費用を立証できる証憑を保管する。

③   研修後の労働者に対して、タイミングを見て、賃上げをする。

第23条

雇用者と労働者は労働契約において雇用者の営業秘密及び知的財産権に関する秘密保持条項を約定することができる。

守秘義務を負う労働者に対して雇用者は労働契約又は秘密保持契約ににおいて労働者と競業制限条項を約定し、且つ労働契約の解除又は終了後、競業制限期間において毎月労働者に経済補償を支払う旨約定することができる。労働者が競業制限の約定に違反した場合、雇用者に違約金を支払わなければならない。

① 守秘義務違反に対して(経済補償を支払う前提で)競業制限の約定違反の場合、違約金が発生するのみであるかどうかは、議論を呼ぶところであろう。

ただ、守秘義務違反は、競業制限の約定違反による違約金だけではなく、一般の民事関係による損害賠償責任も発生すると理解すべきであろう。

すなわち、守秘義務違反した場合、労働者に対して、①競業制限の約定違反による違約金、②損害賠償を請求できる。

② 地域差もあるので、競業避止義務に対する経済補償の基準は、各地の労働契約条例の改正でこれを決めていくと思われる。

秘密遵守義務のある労働者に間違ったメッセージを与えないように、守秘条項又は守秘契約に、(競業制限の約定違反による違約金とは別途に)守秘義務違反によって雇用者にもたらす損害に対して、別途雇用者に対して損害賠償責任を負うなどを明記。
第24条

競業制限を受ける労働者は、雇用者の高級管理職、高級技術者その他守秘義務を負う者に限られる。競業制限の範囲、地域及び期間については、雇用者と労働者の間で約定するものとし、競業規制内の約定は、法律法規の規定に違反してはならない。

労働契約解除又は終了後、前項に規定された者が、雇用者と同種の製品の製造若しくは経営し、又は同種の業務に従事する競争関係にあるその他の雇用者に勤務する、又は自ら開業して同種の製品を製造若しくは経営し、同種の業務に従事する競業制限期間は、2年を超えてはならない。

①  一部の表現そのものは、必ずしも法律用語になっていないのではないかと思われるところがある。

②  競業制限は、2年までとなる。

③  自らのではなく、親戚縁者経由での競業経営を禁止せず、直接的な競業経営のみが禁止となる。実務上競業避止義務違反の立証責任が困難であることを考えると「自ら」ではない限り、友人経由での実質経営に対する追及は、非常に困難。

間接的な競業については、とりあえず競業避止条項でも明文で禁止する一方、守秘契約で違約金、損害賠償を約定するなどで、リスクヘッジ。
第30条

雇用者の労働報酬の支払いが遅延又は不足する場合、労働者は、法に基づき、現地の裁判所に支払い命令を申し立てることができる。裁判所は、法律に基づき、支払命令を行わなければならない。

労働者の支払い命令の申し立てに対する、雇用者の異議申し立てによって、裁判所から労働仲裁へ移送することになると思われる。

ただ、本項の規定のため、労働者が支払い命令を申し立てるケースが急増するではないかという危惧が払拭できない。

 
第31条

雇用者は、労働ノルマ基準を厳格に執行し、労働者に残業を強制又は形を変えた実質的強制をすることができない。…

①   裁量労働制の適用を受ける労働者を含み、無理に労働者にノルマを課し、「形を変えて、労働者に残業を強いる」と厳格(又は拡大)解釈されることによって雇用者が違法とされる。

②   今後労務人事トラブルが発生する場合、労働者から無理やりに残業をさせられたという主張又は抗弁理由が増えるであろう。

 
第38条

以下のいずれかに該当する場合、労働者は、労働契約を解除することができる。

(3)雇用者が、法律に基づき労働者のために社会保険料を支払わない場合、

(4)雇用者の規則制度は、法律法規の規定に違反し、労働者の権益を害する場合、

①   社会保険料の未払いも労働者による即時解約事由になる。

②   今回の「労働契約法」改正を含め、常に修正される労働法について、就業規則その他の規則制度が追いつかない場合も考えられ、悪用される可能性は高い。

①   社会保険料は、法律規定通りの金額を納める。

②   就業規則などにおいては、法的に別途規定がある場合その規定を適用するなどの条項を付け加える。

第39条 

労働者が下記のいずれかに該当する場合、雇用者は、労働契約を解除することができる。

(2)雇用者の規則制度に著しく違反した場合

懲戒解雇する場合、雇用者の規則制度に重大違反だけではなく、規則制度上即解雇という明文の規定の存在が必要。

重大違反したものの、規則制度上解雇できるという明文規定がない場合、解雇できない。

解雇事由をできる限り明文化する。

その他の包括規定についても、(労働仲裁、訴訟の角度から見た)雇用者の恣意性より、一定の客観的な合理的な根拠付けが必要。

第39条 

労働者が下記のいずれかに該当する場合、雇用者は、労働契約を解除することができる。

(4)労働者は、同時にその他の雇用者と労働関係を持ち、雇用者の業務完了に重大な影響を及ぼし、又は雇用者から是正を求められてもこれに応じない場合、

文面上、兼職労働者が兼職だけをもって、解雇できなくなる。

即ち、兼職して、本業に影響をもたらすか、雇用者からの是正要請に応じない場合に初めて解約できる。

就業規則における兼職禁止条項によって、本項の用件がなくても、直ちに解約できるかどうかがまだ疑問であるが、ないよりましということで就業規則にも兼職禁止条項を盛り込む。
第41条 

下記の状況のひとつに該当し、従業員を20名以上削減し又は20名以下の従業員を削減するとき、その比率が従業員総数の10%以上である場合、雇用者は、30日前をもって労働組合又は従業員全員に状況を説明し、労働組合又は従業員の意見を聴取してから、従業員削減方案を労働行政部門に報告して、従業員を削減できる。

順調にいけば手続きを踏んで進められるが、、「調和の取れた社会」の裏を返せば、騒ぎを嫌うことになるので、実務上従業員側がサボタージュ、ストライキを起こす場合、会社は、その処理に苦労することになる。  
第43条

雇用者は、一方的に労働契約を解除する場合、事前に労働組合にその理由を通知しなければならない。雇用者が法律、行政法規の規定または労働契約の約定に違反した場合は、労働組合は雇用者に是正を要求する権利を有する。雇用者は、労働組合の意見を検討した上、その処理結果を書面で労働組合に通知するものとする。

厳格解釈すれば、労働者を懲戒解雇又は(30日の予告期間をもって)解雇する場合、当該労働者以外に以下の用件を満たさなければならない。

①  労働組合が存在する。

②  事前に労働組合に解雇事由を通知する。

③  労働組合の意見を検討し、その処理結果を労働組合に書面で通知すること。

①  労働組合を設立することが望ましい。

②  労働組合への通知はすべてその記録を残すこと。

第46条

以下のいずれかに該当する場合、雇用者は、労働者に対して経済補償金を支払わなければならない。(以下の内容は、解説となる)

(5)雇用者が労働契約に定められた条件を維持または引き上げて契約の更新を申し出て、労働者がこれに応じない場合を除き、本法第44条第1号の規定により期間の定めのある労働契約が終了した場合。

労働契約期間満了又は通常終了での契約不更新でも経済補償金を支払わなければならなくなるため、雇用コストは高騰するであろう。  

①  試用期間をフルに使用し、労働者の適性を見極め、適切ではない労働者を試用期間中に解雇する。

②  就業規則などにおいて懲戒解雇できる事項を詳細に設定する。

 

第48条

雇用者は、本法の規定に違反し、労働契約を解除又は終了する場合であって、労働者が労働契約の継続履行を要求する場合、雇用者は、継続履行しなければならない。労働者が労働契約の継続履行を要求しない又は労働契約が継続履行できない場合、雇用者は、本法第87条の規定に従い賠償金を支払わなければならない。

請求できる金額又は請求し成功する確率が高くなるのではないかと、だめもとでとにかく労働仲裁を提起しようという効果があることが危惧される。すなわち、

①  本法規定の違反は、その軽重の程度を問わず(解雇手続き上の瑕疵でも本法規定になるなど)、労働契約の継続か、通常の2倍の賠償金の支払いかという選択権は、労働者に委ねられる。

②  労務トラブル実務から見れば、労務トラブルで労使間の信頼関係が崩れたにもかかわらず、労働者が嫌がらせ式の労働契約継続を要求する場合、雇用者は、これを拒否できなくなる。

③  賠償金は、通常の2倍となる。

④  2倍の賠償金の全額支払までには、労働関係が継続し、この期間中の賃金支払い義務も発生する。

①  本法の厳格な遵守により予防。

②  発生後、勝率、コストなどの総合顧慮により、早期の和解か徹底的な対応を決め、遂行。

第5章 

第1節 集団契約

第50条~第56条

 

集団契約は、締結しなければならないのかについて未定。

ただ、現在の人事労務管理実務から、これを適用するという一部の性急な地域、又は業界も出てくる可能性があるものの、すぐには、雇用者にこれを要求しないという見方が強い。

横並びで対応。
第58条

人材派遣会社は、派遣労働者と2年以上の期間の定めのある労働契約を締結し、月毎に労働報酬を支払わなければならない。派遣労働者の業務のない期間においては人材派遣会社は、所在地の人民政府が定めた最低労働賃金基準に照らして月毎に労働報酬を支払わなければならない。

※  FESCO、中智などの人材派遣会社は、労働者を派遣する場合、2年以上の契約を締結し、仮に1年で実質の雇用者が労働契約を不更新した場合、人材派遣会社は、現地の最低労働賃金水準以上の賃金を支払わなければならなくなるため、人材派遣会社に一大打撃となろう。

※  人材派遣会社によっては、実質の雇用先による理由なし(無条件)での派遣労働者の解雇も可能であったが、今後この条項は削除されるであろう。

※  また、いずれ人材派遣会社から、駐在員事務所や現地法人に最短2年の雇用にするなどを求めるため、駐在員事務所と派遣を受ける現地法人は、雇用コストが跳ね上がるであろう。

 

①  駐在員事務所は、人材派遣会社の2年派遣契約の締結の要請を受けることになる。

②  人材派遣会社経由での雇用がある(義務ではない)現地法人は、費用対効果で、直接雇用に切り替える。

 

第66条

労務派遣は、一般的に臨時的、補助的又は代替可能な職務に(のみ)実施されるものとする。

「一般的に」とは、法律用語として適切かどうかを別として、「臨時的」、「補助的」、「代替可能」の意味が曖昧であるが、派遣労働者に従事させることができる職務が限定され、少なくとも中堅幹部、経営管理職は、派遣経由では違法となる。 人材派遣会社経由でなければならない駐在員事務所を除き、現地法人は、すべての労働者の直接雇用を視野に入れる。

 

第67条

 雇用者は、労務派遣単位を設立し、雇用者自身又は所属会社に労働者を派遣してはならない。

雇用者は、労務派遣単位を設立して、雇用者自身に労働者を派遣してはならない意味が曖昧であるが、派遣会社以外、労働者の派遣に従事してはならない主旨である。 同グループの企業の間の労働者の派遣は、業業務委託などの形を採る。
第74条

県級以上の労働行政部門は、法に基づき、下記の労働契約制度の実施状況について監督検査を行う。

①  実務上労働行政が、いつでも検査する権力を有するが、法律レベルで明文化することにより、今後労働行政による過干渉がどのようになるか懸念される。

②  実務では、50人以上の企業をコンピューターでランダムで検出し検査を実施する労働局もある。また、違法記録や摘発の記録のある企業は、検査キャンペーンがある度に検査を受けることもある。

 
第78条

労働者が仲裁又は訴訟を提起する場合、労働組合は、法に基づき、支持と援助を提供するものとする。

今後労働仲裁、訴訟の場合、労働組合にもよるが、積極的に労働者を支援する労働組合も出てくる。 労働組合との関係維持並びに労働組合の協力取得に力を入れる。
第79条

 如何なる組織又は個人も、本法に違反する行為に対して通報する権利を有し、県級以上の労働行政部門は、遅滞なく確認、処理し、かつ通報について功績のある人員に対して奨励を与えなければならない。

だれでも摘発する権利を有することは、今までの労働法実務でもそのようにしてきたので、特に変化がないが、②これを受けて、労働行政部門が必ず(少なくとも)確認、処理しなければならないことは、企業と係争中の労働者の多くは、企業に圧力をかける、又はかく乱する目的で、この条項を利用し、労働局に通報するであろう。

企業側にすれば、労働者と係争することは、同時に労働局の検査、取り調べも受ける覚悟が必要となる。

労働局の検査を受ける覚悟で、(労働仲裁、訴訟実務では労働者側が対抗手段としてよく使う)残業記録、社会保険納付記録、処罰記録などを完備する。
第82条

…雇用者は、本法の規定に違反し、労働者と期限の定めのない契約を締結しない場合、期限の定めのない契約を締結しなければならない日から労働者に毎月2倍の給料を支払うものとする。

第14条では、期限の定めのない契約を締結する要件を満たす場合、労働者自ら期限のある労働契約書の締結を申し込んだ場合を除き、企業は、期限の定めのある契約を締結しない場合のための罰則規定となる。 期限の定めのない契約を締結する要件を満たす労働者から、書面での期限の定めのある契約を締結する旨の申込書をもらって初めて引き続き期限の定めのある契約を締結できる。
第87条

 雇用者は、本法の規定に違反し、労働契約を解除又は終了する場合、本法第47条に規定される経済補償の基準の二倍で労働者に賠償金を支払わなければならない。

特に懲戒解雇の場合、雇用リスクと雇用コストが高くなる。

実務上、労働仲裁で、企業が負けるのが、地域差などもありながら、8割前後だという背景の中で、なにかあれば、ややもすれば、2倍の賠償をもらえるのだからだめもとで300人民元前後の費用で、労働仲裁を申し立てようとする労働者が増える。

①  懲戒解雇の場合、労働仲裁が起こされる確率が高いという覚悟で、細心の注意を要する。

②  就業規則その他規則制度において解雇の正当性・合法性の綿密、かつ細かい根拠付けが欠かせない。

③  労働契約上、名目賃金をできるだけ低く設定する。仲裁、訴訟の戦術上、各種の出来高報酬、手当てなど手取り賃金の立証責任を労働者に転嫁するなどの方法を採らざるを得ない。

第90条

 労働者は、本法の規定に違反して、労働契約を解除し、又は労働契約に約定される守秘義務又は競業制限に違反し、雇用者に損害をもたらす場合、賠償責任を負うものとする。

法律条項の表現として必ずしも厳密ではないが、従業員が守秘義務又は競業避止義務違反で、雇用者に対する損害賠償責任を明確化。

ただ、損害賠償責任についての立証責任は、雇用者にあるため、賠償させるまでには、実務上かなりの勝敗のリスク並びに労力が必要となる点、要注意。

違約事項の発生を立証するのみで違約金を支払わせる違約金と損害をもたらす事実、因果関係並びに実際の損害金額を全部立証できる損害賠償責任との併用が望ましい。
第91条

 雇用者は、まだその他の企業と労働契約を解除していない、又は終了していない労働者を採用し、その他の企業に損害をもたらす場合、連帯賠償責任を負うものとする。

司法解釈並びに労働仲裁、訴訟実務で既に適用される後の雇用者の連帯責任に関する規定で、今回は本格的に法律化。

前の雇用者より後の雇用者に対する責任追及が実務上増える傾向にあるため、要注意。特に高級技術者の場合、なおさら要注意であろう。

ホワイトカラー、高級技術者などを採用する際に、前の雇用者との関係で、新たな雇用関係に何らかの影響もないことについて誓約書を提出させ、さらに労働手帳、社会保険手続きなどの調査によって、前の雇用者との関係が完全に断ち切っていることを確認。
第97条

本法施行前に既に法律に基づき締結し、かつ、本法施行日に存続する労働契約は、履行を継続する。本法第14条第2項第3号に規定される固定期限の労働契約の更新回数については、本法施行後固定期限労働契約の更新と同時に計算する。

本法施行日に存続する労働契約は、本法施行後に解除又は終了し、本法第46条に基づき、経済補償を支払わなければならない場合、経済補償の年数は、本法施行日から計算する。本法施行前に当時の関係規定に基づき、雇用者は、労働者に経済補償を支払わなければならない場合、当時の規定に従い執行する。

①  遡及効を持たないため、企業にととっては、2008年1月1日までの猶予期間を有することになる。

 

②  猶予期間中実施され効力を有する就業規則その他規則制度は、「労働契約法」第4条第3項により、労働者は、いつでも異議申し立てができる点、要注意。

2007年12月末までの猶予期間を利用し、労務人事制度の見直しを行うことが望ましい。
第98条

本法は、2008年1月1日より施行する。

 

以上

お願い:本資料はPDFの利用勝手を考え、敢えてHTML版にしておりますので、お取り扱いにつきましては、ご配慮頂きたくお願いいたします。(2007年7月記・15,271字)

 

 

 

 

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