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北侖保税区と上海自由貿易試験区簡便比較

中国ビジネスレポート 金融・貿易
王 穏

王 穏

有料

2015年12月14日

中国の経済は、目まぐるしい発展を遂げている。
かつて世界の工場だった中国は、その市場をますます拡大させ、GDP世界2位の大国にまで上り詰めた。GDP成長率も、2013年7.7%、2014年7.3%、2015年7.0%(第三期まで)と7%代をキープしている好成長ぶりだ。中国政府は、さらに貪欲に経済政策を打ち出し、世界各国の企業を誘致して、海外との経済交流にも力を入れている。経済特権が付与された上海の自貿試験区では、すでに1667社もの外資系企業が進出している(2014年)。
中国国務院新聞事務室が開いた記者会見で発表された内容によると、国内企業を含めた新設企業総数は、同年9月15日までに1万2266社。外資系企業は7.4%を占めるにとどまっているが、それでもたった1年でこの成果を上げているのだから、世界各国からの注目度は高いと言えるだろう。

一方、外務省のデータによると、海外に進出している日本企業の数は、過去最高に達しており6万8573拠点、前年比4796拠点増(7.5%増)(2014年)となっている。中でも中国への進出は3万2,667拠点で、48%も占めている。

ちなみに日系企業の上海の自貿試験区進出は、78社のため、中国進出している企業の中でも経済特区を利用している日系企業はまだごくわずかであることが分かる。中国人口13億人の巨大な消費マーケットは、一人っ子政策の廃止を経て、さらに拡大していくことが予想されるが、今後も日系企業の中国進出はますます増えていくことに違いない。だからこそ、中国の経済政策をきちんと理解し、経済特権を利用することは、さらに大きなビジネスチャンスへと繋がるはずだ。
今回は、中国政府が推進している経済政策の一つ、日系企業にとっての大きな「保税区」と「自由貿易試験区」について、紹介したい。そのメリットを知ることで、今後の中国進出の選択肢を増やすことができるかもしれない。

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